2024年となりました。能登半島での大地震や羽田空港での衝突事故など、新年早々大災害や大事故が立て続けに起こっており、何気無い日常の大切さを痛感している次第であります。一連の出来事により亡くなられた方々には深く哀悼の意を表すと共に、1日も早く日常生活に戻る事が出来る様、心より願っております。


気を取り直しまして、今回は大瀧詠一のアルバム”A LONG VACATION”の登場です。このアルバムは1981年にリリースされた作品で、「ロンバケ」という愛称で親しまれています。現在でこそ大瀧詠一は1980年代以降の邦楽の在り方を作ったミュージシャンの内の1人という見方が強いですが、当時は全く違う扱いを受けていました。本作発表以前の大瀧は1969年にはっぴいえんどとしてデビューして以降、様々な楽曲を発表してきたものの中々ヒットに恵まれず、不遇とも呼べる時代を過ごしてきました。そんな中発表された本作の大ヒットによって大瀧詠一の名を広く世に知らしめる事となりました。


本作に収録されている楽曲は基本的には大瀧が作曲を行い、松本隆が詞を書く(一部の楽曲は大瀧自ら手掛けている)というスタイル。この2人が再びタッグを組むのは1972年にはっぴいえんどが解散して以来の事だそうです。


君は天然色やカナリア諸島にてなど、40年以上経過した今尚色褪せない楽曲ばかりです。アレンジも非常に素晴らしく、聴き手を飽きさせません。本作は大瀧の意向もあり、これまで何度もリマスターが行われているのが特徴です(CD化は何と82年!)。聴き比べしてみても面白いでしょう。今回は初回のアナログ盤です。品番は27AH 1234となっています。



音楽に疎い方でも恐らく見た事が有ろうジャケット。「BREEZEが心の中を通り抜ける」という秀逸なキャッチフレーズの帯も残ります。


裏面。白いので経年によるシミが余計に目立ちます。


盤。品番は27AH 1234となっており、初版です。レーベルはナイアガラの黄色いデザイン。最初期の盤はアレンジの表記が大瀧詠一となっていますが、此方の盤は多羅尾伴内(大瀧の変名)表記となっています。中古市場では大瀧詠一表記よりも多羅尾伴内表記の方が圧倒的に多く見付かります。もしも大瀧詠一表記の盤を見掛けたらラッキーです。


P.S.君は天然色の歌詞には色々な裏(?)事情があり、これらを踏まえた上で聴きますと楽曲から受ける印象が大きく変わってくるのですが、この辺りはまた別の機会と致しましょう。