臨戦状況の中の選挙 | 旗本退屈女のスクラップブック。

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平成28年7月3日(日)

 
 本稿を「臨戦状況の中の選挙」と題するが、
 正確には、「臨戦状況の中の臨戦体制なき選挙」と題するべきであろう。

(一)
 昨日七月二日の堺における昼の講演会で、
 一九七七年(昭和五十二年)九月の
 日本赤軍による日航機ダッカハイジャック事件に際し、
 福田赳夫首相が執ったいわゆる「超法規的措置」について説明した。
 その説明の目的は、
 危機は「憲法改正」を待ってくれない、
 危機に遭遇してから
 「憲法改正」をしてから危機に対処するなどできるはずもない、
 従って、その時は、
 総理大臣が、自らに与えられた権限を行使して
 危機に対処する決断をし、かつそれを実行することになる。
 福田赳夫総理は、その「決断」をした総理大臣である(内容はともかく!)。
 その権限とは何か。
 それは「行政権は内閣に属する」
 そして「自衛隊の最高指揮官」
 この二つである。
 
 即ち、現在、憲法改正、憲法改正、または、護憲、護憲、九条を守れ、
 という掛け声の中で、太平楽な選挙をしているが、
 我が国家が突如危機に直面すれば、
 「改正」も「護憲」も「9条」も「蜂の頭」もない。
 その時の総理大臣は、
 総理大臣の権限に基づいて、
 総力を挙げて危機克服の決断をしなければならない。
 その克服の成否は、一にかかって総理の力量に委ねられる。
 だから、「馬鹿な大将(総理大臣)、敵より恐い」、という。
 阪神淡路大震災の村山富市、東日本大震災の菅直人を思い出されよ。
 此の問題意識と観点から、この参議院選挙において、
 こともあろうに共産党と組んだ徒党に、絶対に騙されてはならない、
 同時に、連立与党内の、容共(中国共産党)集団を見抜き
 それを排除しなければならない。

 以上を語ってから夕方に夕刊を観れば、
 「ダッカで邦人人質か」との大見出しが目に飛び込み、
 今朝は、「テロ 7邦人死亡」の大見出しの下に 
 「バングラ 死者20人」、「実行犯6人射殺」、「IS犯行声明」が並んでいた。
 痛恨の思いである。
 だが、日本人に犠牲者はいなかったが、
 直前の六月二十九日未明にも、
 イスタンブールのアタチュルク国際空港で、IS系の自爆テロが行われ三十六人が死亡し百四十七人が負傷していた。
 テロは、何時、何処で行われるか分からない。
 まさに我が国も、テロに囲まれているのである。
 
 中東のISの本部に、
 「憲法九条」をアラビヤ語で書いて送っておけば
 安全だと思っている馬鹿は、まさかいないだろう。
 いや、いるかも知れない。なさけない哉。

(二)
 この参議院選挙における最大の課題は何か。
 それは、「国防」と
 「北朝鮮による拉致被害者の救出」であると、
 街頭で会場で語り続けてきた。
 
 海洋国家である我が国の存立の為の生命線は、
 南シナ海と東シナ海のシーレーンである。
 中共は、現在、着々とこの海域における「制海権」と「制空権」を奪い、
 我が国を存立の危機に陥れようとしている。
 
 しかるに、与野党とも、申し合わせたように、
 この課題にフタをして見ぬ振りをしている。
 その理由は、憲法改正と言う方も、九条守れと言う方も、
 ともに仲良く「戦後体制の中」に安住していたいからである。
 
 つまり、国防はもちろん、
 北朝鮮による拉致被害者救出を、
 まさに実現する為には、
 自衛隊を軍隊に再編したうえでの軍備の増強が必要となる。
 従って、与党は、これに触れて「騒がれる」よりも、
 フタをしておいた方が選挙に有利だという、
 国民を馬鹿にした判断をしているのだ。
 野党も、火事の中でも平和、平和、九条と言う方が票になると思っている。
 これ、与野党とも、
 反国家的痴呆を発症しているのだ。

 しかし、中共に感謝すべきなのか、
 丁度、この参議院選挙を目がけたようにやってくれている。
 
 まず、南シナ海の要塞化工事をほぼ完成させた中国海軍軍艦が、
 北の東シナ海の我が領海を窺い犯し始め、
 同時に上空でも、中国空軍機が、我が領空を窺い始めたのだ。
 
 已むに已まれぬ憂国の思いからであろう、
 六月二十八日、
 元航空自衛隊航空支援集団司令官の織田邦男空将が、ネットで、
 東シナ海上空で我が領空に接近した中国軍戦闘機が
 スクランブル発進した我が空自戦闘機に
 「攻撃行動を仕掛け、空自機がミサイル攻撃を回避しつつ戦域から離脱した」
 と公表してくれた。
 織田空将は、
 「常識を度外視して中国軍機が尖閣上空まで接近してきている。
 これが常態化すれば領空の安定は守れなくなる」
 と強調した(以上、産経新聞六月二十九日朝刊)。
 これ、
 民主党の菅直人内閣の時、
 同政権がひた隠しにしていた
 尖閣領海内に侵入した中国の「漁船」の我が巡視船への「攻撃」を、
 一色正春が影像で公表したのと同じである。
 
 自公の現政権も、菅直人と同様に、
 中国軍機の「攻撃」を国民に隠しておきたいのだ。
 この点、現政権も、戦後体制下の菅直人と「同類」である。
 そして、三十日、
 自衛隊トップの河野克俊統合幕僚長は、
 本年四月~六月の中国軍機に対する航空自衛隊機のスクランブル発進が、
 過去最高だった昨年を一・七倍も上回る約二百回に跳ね上がっていると発表したのだ。
 一日に二~三回の頻度で、中国軍戦闘機が我が国の領空に向けて飛来しているのだ!
 この統合幕僚長の発表は、まさに、織田空将の
 「領空の安定を守れなくなる」
 という痛切な警告を裏付けるものである。

 さて、この「領空の安定」は、我が国の存立に関わることである。
 従って、「妥協」すべき領域にある事態ではない。
 以下は、この選挙において、
 街頭および集会で、連日私が述べていることである。

1、総理大臣は、
 最高指揮官として航空自衛隊と海上自衛隊を激励し、
 我が生命線である領空と領海の安定を断固として守るという決意を披瀝すべきである。
2、スクランブル発進をして遙かな東シナ海の上空で中国軍機と相見えた
 空自戦闘機のパイロットは、
 「戦域から離脱」してはならない。
 臆することなく敵機の攻撃行動に応じて、
 一挙に敵機の燃料を消尽させて大陸基地に帰還できなくせよ。
 そして、中共のパイロットに、
 あの日本の空域には接近したくないという恐怖心を叩き込め。
3、こちらが先に「戦域から離脱」すると、
 かならず敵機はそのまま我が領空深く侵犯してくるようになる。
 従って、警告を無視して侵入してくる中国軍戦闘機を撃墜することを躊躇うな。
4、私は、平成九年五月、尖閣諸島魚釣島に上陸視察して、
 そこにヘリポートがあるのを現に観てきた。
 従って、我が国は、そのヘリポートを利用して一夜にして魚釣島に
 陸上自衛隊の地対空、地対艦のミサイル基地を設置すべきである。
 そして、領海と領空を侵略する艦船と飛行機を、撃沈し撃墜する体制を整えよ。