どうして嘘を? | 不倫の賞味期限 ≪猫と一緒にぽんちっち≫

どうして嘘を?

その日も、夕方からはかすみちゃんと二人だけの勤務でした。

ぽん「ねぇ、かすみちゃん、今夜もまた佐藤さんが来たら、へんかな?」

かすみ「いいえ、別に。

佐藤さん、来るんですか?」

ぽん「今日は職場の飲み会があるんですって。

だから、来られるかどうかはわかんないって。

私は来てくださいって言ったんだけどね。

だって、もう会えなくなるんだから・・・

絶対に会いたいわよ・・・」

かすみ「だったら来るんじゃないですか?」

ぽん「さぁ・・・どうなんだろ・・・

いまいちはっきりしない返事だったから、わかんないな・・・

来ないかもしれないな・・・

佐藤さんにはね、今夜来なかったら、もう私からは連絡しませんって言ってあるの。

すごい好きなのに、どうしてあんなこと言っちゃったんだろうな・・・

でも、私からはもう連絡できないように、携帯の電話帳登録消すつもり。

いろんな履歴も全部消さなきゃね・・・」

私はこんなに会いたいのに・・・


必ず行きますという言葉が聞きたかったのに・・・



私は、携帯電話の電話帳から佐藤さんの名前を消しました。

メールの送受信、電話の着信発信、すべて消していきました。


履歴を消している時、佐藤さんから電話が入りました。

ぽん「かすみちゃん、ごめん!

ちょっと席を外させてね。

会議室に行ってきます」

佐藤さん、もしかしたら、これから来てくれるのかな?という期待をしながら電話に出ました。


ぽん「ぽんです」


佐藤「佐藤です。

ぽんさん、実は・・・」


ぽん「はい」


佐藤「ぽんさんに謝らないといけないことがあります」


ぽん「今夜は来られないってことですか?」

佐藤「いいえ・・・」


ぽん「それじゃ、来ていただけるんですか?」


佐藤「いいえ・・・」


ぽん「・・・・・・」


佐藤「許してもらえないかもしれませんが、

ぽんさんに嘘をついていました・・・」

ぽん「えっ?」

佐藤「今夜、職場の同僚と飲み会というのは嘘なんです」

ぽん「え?

それじゃ・・・

本当は、ご家族との大切な約束があるとかですか?」

佐藤「・・・いいえ」

ぽん「それじゃ、どうして?

どうして嘘なんかついたんですか?」