事務所での会話その2 | 不倫の賞味期限 ≪猫と一緒にぽんちっち≫

事務所での会話その2

佐藤「ご主人は、その後何かおっしゃっていますか?」



ぽん「いいえ。

今のところ大丈夫です。


でもね、毎日祈るような気持ちですよ。

夫が佐藤さんと会いたいなんて言い出しませんように・・・って」




佐藤「そうですか・・・」




ぽん「できるだけ夫の機嫌を損ねないように努力しています」




佐藤「努力ですか?」




ぽん「はい。

夫の前では佐藤さんのことを忘れたふりをしています。

佐藤さんのことがわかってから、夫は・・・・・・


とにかく、夫の前では従順な妻を演じています。

佐藤さんにご迷惑がかからないように」




佐藤「・・・・・・」




ぽん「今回の件で、我が家の夫婦の力関係が逆転してしまいました。

私に拒否権がなくなりました。

だって・・・

拒んだら、佐藤さんのことが好きだからできないの?って言われそうで・・・」




佐藤「そうですか・・・

なんか、辛いですね。

そういうことを伺うと」





ぽん「会議室で佐藤さんと抱き合わなければよかったと思います」




佐藤「・・・・・・」




ぽん「だって、一度でも触れてしまったら、

もっと触れたいって思ってしまいます。


佐藤さんもそう思いませんか?」




佐藤「否定はできません。


でも・・・


それはいけないことですよね?」




ぽん「いけないことなのはわかっています。


でも・・・」




佐藤「そろそろ帰ります」





ぽん「待って、佐藤さん。


まだコートは着ないでください。


電気を消していいですか?」




佐藤さんの返事を待たずに、私は事務所の電気を消しました。