二人きりになった時に、佐藤さんは・・・ | 不倫の賞味期限 ≪猫と一緒にぽんちっち≫

二人きりになった時に、佐藤さんは・・・

佐藤さんと、職場の重鎮今日子さん、私の三人で、備品の買い物に行った日も雨でした。

梅雨時だったんですね、今思うと。


今日子さんは、備品の購入が終わった後、用事があるからと言って帰りました。

佐藤さんと私は、二人で事務所や他の部屋に備品を運び入れました。

その日は休みの日だったので、他のスタッフは誰もいませんでした。

私は、佐藤さんのことを「なんだか目が離せない人」だとは思っていましたが、異性として特別に意識している段階ではありませんでした。

なので、二人きりの作業と言っても、格別ときめくわけでもなく、淡々と荷物を運んでいました。

帰り際、佐藤さんが「今日はお休みのところ、買い物にお付き合いいただきまして本当にありがとうございました。大変嬉しく思います。心よりお礼と感謝を申し上げます」と言いました。

なんて丁寧なお礼を言うんだろう。

つーか、お前は皇族か?


実は、この日、佐藤さんは二人きりになった時に、私を後ろから抱きしめたい衝動に駆られたと、親しくなってから聞きました。



ぽん「えーーーーっ!

そうだったんですか?」


佐藤「・・・はい。

あの日、ぽんさんは髪の毛を下していましたよね。

いつもはきっちりまとめているのに」


ぽん「はい。そう言えばそうでしたね」


佐藤「とてもきれいだと思いました。

それで・・・できることなら後ろから抱きしめたいって思いました。

すいません・・・」


ぽん「別に謝らなくてもいいですよ。

だけど、意外でびっくりです。

私もあの日のことは覚えていますが、まさか佐藤さんがそんな気持ちでいたなんて思いもしませんでした」


佐藤「すいません・・・。

あの頃、すでに私は、ぽんさんのことを素敵な人だと思い始めていたように思います。

いつも優しく接していただいて、ぽんさんの茶目っ気のある明るさにだんだん惹かれていきました。

でも、あくまでも仕事の関係者の一人として接していかなければいけないのだと自分に言い聞かせていました。

だけど、初めて会議室で二人きりになった時、ぽんさんのことを抱きしめたいと思いました。

あの日のぽんさん、本当にきれいでしたよ。

すいません・・・」



ぽん「そうだったんですか。知りませんでした。

でも、どうしてですか?

どうして私のことを?」