三島由紀夫の短編集ラディゲの死を購入した。氏の若い時の短編集なのだが、少し読んで氏が天才と再認識した。
私が驚嘆したのは「山羊の首」という作品で氏が23歳の時のものだ。
舞台は戦後直後で40男が主人公で若い女と情事していると、自分が買っていた山羊が少年達に食われてしまい、首が置いてあり、その目が尊厳に主人公をみつめており、彼が女を口説くたびに山羊の首が出現するというものだ。
氏は語彙力が凄く、これを23歳で書いていたというのは凄いと思う。

どうも三島由紀夫というと小説家というより、楯の会主催の活動家であったり、ボディビルで鍛錬した肉体を晒したりとか、他の要素が入ってきてしまい、この人の文はどうなのだろうかと思ってしまう。
しかし文体は本当に素晴らしい。逆にそこまで天才的だからこそ、他の活動がより注目されたのではないだろうか?

氏を検索すると氏と関わったとして著名人が雨あられと出てくる。全てをそのまま受け入れるのは安易すぎるかも知れないが、石原慎太郎は氏を否定するも生前は可愛がってもらったとか、美輪明宏に氏がぞっこんであったが死後、美輪氏は氏を尊敬し続けていたりとか、真相は不明だが美智子皇后様と見合いをした事があるとか、手塚治虫は氏に否定されてから氏をライバル視したとか。
残念ながら彼の死後に生まれた自分としたら小説を通じてしか氏を垣間見る事はできないが、もう少し氏を掘り下げていきたいと思う。