@旅程-2 :プレインカ遺跡を巡る旅
(ここからがパンアメリカン・ハイウエイです)
9/26:AREQUIPA 16:00-(15h)-9/27;7:00 RIMA
9/27:RIMA 12:30-(9h)-21:30 TRUJILLO / CHAN CHAN遺跡,HUACA遺跡
9/28:TRUJILLO 17;00-(3h)-20:00 CHICLAYO / HUACA RAJADA遺跡,HUACA LORO遺跡
10/1:CHICLAYO 8:00-(11h)-20:00 RIMA
パン・アメリカンと重なるペルー・ハイウエイ1号線。この路を北へアレキパ--リマ—トルヒーヨ--チクライヨまで、荒涼たる砂漠のつらなる海岸線を1,500km、やはり長距離バスを乗り継ぎました。ところどころアンデスからの水で潤うアスパラガスやサトウキビ畑を眺めながながらの累計30余時間の旅。険しいアンデスの高地に石で組み立てられたインカ文化と異なる、泥煉瓦からなるプレ・インカ文化遺跡群がこのルートの主役でした。シパンで出土した仮面(写真)の高い芸術性には心が揺れました。これ一つ見れただけでも、この旅は深く心に刻まれました
ワカ・ラハダ遺跡,仮面
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異文化の土壌に育ったさまざまな人々と出会いと交流…それにもっともふさわしい旅のスタイル…理想をいえば時速4km、サンティアゴ・デ・コンポステラへの巡礼が思い出されます。しかしながら…徒歩はグレートジャーニーの関野吉晴(*2)さんにお任せして…レンタカーかバスということになりましょう。大都市リマとその周辺やアンデス山岳地帯で起こりうる自動車強盗を考えると…ペルーではバスという選択しかありませんでした。
わずか4週間弱のバスの旅でしたが、何人かのインディオのみなさんとコミュニケーシ
ンすることができました。果たしてかれは自らのDNEをどのようにとらえているのでしょうか?質問してみました。
「モンゴロイドを意識したことがありますか?私と同じ血がながれていることを…?」。
「うん、わたしたちの血にいろいろな血が混ざっているけど…アジアの人々に特別な思いはありません」。むしろ…日本人への認識は「フジモリ大統領」と強くリンクしていて、とても好意的であったのが印象に残りました。
スペインに代表される白色人種(コーカソイド)、奴隷でつれてこられた黒人種などなどの血がインディオの血に複雑に混じりあっています。人によりその混じり方は様々で、ある人は20%ぐらいとか、またある人は30%とか。
「あなたにはスペイン人の血が混ざっていますが、かれらがあなた方の先祖を滅ばしたことについて、彼らを恨んでいますか?」と質問すると「そういう歴史認識はあるけど…とくにネガティブなイメージはありません」というのが大方の人々の答えでした。かれらにとって、混血状況は「時の流れ」がもたらしたもので、現実をそのまま無意識に受けいれている…という印象でした。
かれらの母語であるスペイン語に…メスティーソ(先住民と白人との混血)とかラディー
ノ(スペインの血を引いていることを強調する表現、ずるい或いは腹黒いという意味を含む)、
ラコチャ(インカの創造神の名前だが、先住民たちは白人を指して使うことがよくある)…と
いう言葉があります。表層的には“混血”についてあまり意識していないようにみえますが…
これらの語彙から考えるに、白人優位の刷りこみとその根底に見え隠れするインディヘナ
としての自意識が透けて見えるようです。
× × ×
残念なこと…ペルーでのプラン「インディヘナの素顔をポートレートに映し込む」は微塵にも打ち砕かれました。写真1枚とるとプロピナ(チップ)を1ソル…約32円を要求されます…これでは“素顔”を引き出せません!お金の問題ではなく…すべて“ポーズした顔“になってしまうからです。
やはり、インディオの部落に2~3か月か或いは1年ぐらい住み込んで、生活を共にし、カメラを意識しない状況を作らないと…。ペルーはこうしたチップの習慣が深く根付いているので…次はボリビアかチリの山奥に散在するインディオの部落に行こうかと考えています。
*1;エンコミエンダ(Encomienda/西語) :スペインが新大陸を支配するための制度。インディオを保護しカトリックを布教するという名目で、彼らの土地を取り上げ過酷な使役を課した。
*2;関野吉晴の公式サイト http://www.sekino.info/
(旅のメモ)
@バスについて
ペルー大手のdel Sur / http://www.busescruzdelsur.cl/を使いました。
治安を考え夜行バスはすべてSuiteクラス(一般にはVIPと呼ばれています、1Fとなり展
望はサイドのみとなります)としました。予約・席の指定・支払い(クレジット)はWebで
可能です。旅行代理店はバスの予約は受けてくれませんが、ホテルやペルー内での航空券
手配などと抱き合わせで手配してくれるところもあります。
バスターミナルでは治安に十分注意することはいうまでもありません。私たちは、すべて
のバスターミナルでの出迎えサービスを利用し(ペルーのみ)、人目にくスーツケースを避け登山用のリュックサツクを使いました(バスを使う中南米)。