インタビューwithキタイ花ん
辻クラシック



高田:今年の827日に、道頓堀で『ガゼル軍団総会』というのが、行われたそうなのですが?


辻:ガゼルさんが客入りを心配しすぎて、自分の知り合いや友達を30人くらい呼んだんですよ。それで、他のお客さんが入れなくなるという思わぬ事態が起こりました。


高田:イベント自体はどうっだったんでしょう?


辻:盛況に終わったと思いますよ。


高田:では定期的に『ガゼル軍団総会』は開かれていくと?


辻:ただひとつ問題が起こりまして……。


高田:何かまずい事でも?


辻:8月の総会の時に、打ち上げの費用やその他の諸経費を、ガゼルさんが背負いすぎて、破産寸前になってしまったんです。


高田:ガゼルさん良い人すぎませんか?


辻:人に嫌われるのを極端に恐れるところがありますね(笑)。


高田:そうなんですか?


辻:ガゼルさんと同期の方なんかは、「ガゼルは色々、気にしすぎて腹立つ」言うてはります(笑)。


高田:他にもガゼルさんのエピソードなどあれば、教えて欲しいのですが。


辻:僕のインタビューやのに、こんなにガゼルずくしでいいんですか?


高田:ガゼルずくしで、問題ありません。


辻:それなら語らせてもらいますけど、8月の総会の時に、ガゼルさんの先輩にあたる『パープーズさん』も出られていたんですよ。総会の前にパープーズさんも含めた出演者に、一斉送信のメールがきたんですね。


高田:メールの内容を、詳しく教えていただいてよろしいですか?


辻:まず『ガゼル軍団の皆様』てあるんですけど、そのすぐ横に補足で『パープーズさんら先輩方に対しガゼル軍団は失礼かと思われましたので、ガゼルフレンズと呼ばせていただきます』って書いてあるんですよ。


高田:ガゼルさんの性格がよく現れた文章ですね。


辻:こっちからしたら、そんなん書かんでも誰も気にせえへんやんって感じですよ(笑)。でも本質的に気にしいなんで、色々補足していくと、文章がどんどん長くなっていくんです。なのでいつもガゼルさんのメールは長文ですね(笑)。


高田:ガゼル西口さんの魅力を語っていただいてよろしいですか?


辻:しげかずさん とかさっき名前の出たマザー周さんとかは、面白くてなおかつ意図がわかりやすいんです。でもガゼルさんの場合、狙っているのかそうでないのか、わからない部分があるんです。


高田:ガゼルさんは抜けた部分もあると?


辻:はい。クソ天然な部分もありますし、狙っている部分もあるんです。これが入り混じっているのが、ガゼルさんの魅力だと僕は思いますね。


高田:境界線がわからないんですね。その見極めが出来たら、どうされるんですか?


辻:ガゼル軍団を即、脱退します(笑)。


高田:辻さんは軍団を作られないんですか?


辻:ガゼル軍団を脱退した際には、辻軍団を旗揚げしようかと画策中です。


高田:ちなみにメンバーは?


辻:ガゼル軍団の一味です。


高田:という事は結局ガゼル軍団では?


辻:いえ、ガゼルさんのポジションに僕が就くので、それは違います(笑)。


高田:完全にクーデーターですね(笑)。


辻:ガゼル軍団よりも、さらに大所帯にしたいですね。


高田:辻さんは後輩をご飯に誘ったりされる方ですか?


辻:結構しますね。前にNSC道場に出ていた時に、めっちゃ面白い後輩が出てきたんです。それで、さっき出てきた平川と「あのコンビ、おもろかったなぁ。でもまだみんな、あの面白さに気づいてへんなぁ」って話してて「舞台終わったら、あいつら飯誘おっか!」て、盛り上がってたんです。


高田:その後輩というのは?


辻:日本クレールさん です。僕らの先輩やのに、勝手に後輩やと思い込んでたんです(笑)。


高田:声は掛けられたんですか?


辻:未遂に終わりましたね。声を掛けるぎりぎりで、日本クレールさんが、31期の楽屋に入っていかはったんで、気づいたんです。あの時、声掛けてたら中島さんに金属バットかなんかで撲殺されていたでしょうね(笑)。


高田:ご自分にない部分に、魅力を覚えたりしますか?


辻:例えば『日本クレールさん』 もそうですけど、パワーが物凄いじゃないですか。だからパワーのない僕としたら、憧れる部分はあります。


高田:最近、腹の立つ出来事はありましたか?


辻:ちょっと長くなるんですけど、いいですか?


高田:お願いします。


辻:コンビニのバイトをやめて、ゴルフの打ちっぱなしのバイトを最近、始めたんです。これがめちゃめちゃ条件のいい所なんですよ。受付でずっと座っているだけで、お客さんもほとんど来ないんです。


高田:まさにパラダイスですね。


辻:接客業だと、やっぱり絡んでくる人とか、鬱陶しい人とかいてるんですけど、そういう事もほぼなくなったんです。


高田:じゃあストレスが減ったわけですね?


辻:そうなんですけど、また別の問題が出てきました。


高田:教えて下さい。


辻:一緒に入っている大学生の人が、僕に色々質問してくるんですけど、「それ聞いてどうすんの?」っていうのの連続なんです。


高田:例えばどういう事でしょう?


辻:「パチンコ行きます?」って聞いてくるんで「行きません」って答えたら、黙ってるんです。僕としたら、その暇な時間にネタ考えたり色々したいんですけど、その質問によって遮られるんですよ。


高田:その方からしたら、コミュニケーションを取りたいっていう、アピールなんじゃないですか?


辻:そうなんでしょうね。でも何時間もずっと二人っきりなんで、そんなに話す事もないんですよ。なので各々がゲームしたり漫画したり、好きな事をすべきやと僕は思うんです!


高田:辻さんは相手の方に対して興味は?


辻:これがないんです! 申し訳ないんですけど、ないんですよ。もし興味持てるような感じやったら、少し話してたと思うんですけど、見事に共通項がないんです。でも、こういう考え方になった自分に対してショックを受けました。


高田:昔は違いましたか?


辻:NSCとか通っている時は、もっとバイト先の人ともフレンドリーに接してきたんですけど、いつの間にか考えが変わってきてましたね。あんまりこういう方向に偏るのもよくないなあとは思うんですけどね。


高田:六人でルームシェアされているという事ですけど、それだけ多くても問題はないですか?


辻:そんなに大きな問題はないんですけど、一人めちゃくちゃよく眠る芸人がいるんです。名前出しますけど、オモロ川だいすけっていうヤツなんですけど、こいつのやる気のなさが問題といえば問題です。


高田:その方も同期なんですか?


辻:はい。オモロ川だいすけと住み始めてから、僕はやる気のない芸人と一緒に住むよりは、やる気のある漫画家やバンドマンと暮らしたいと思うようになりました(笑)。


高田:他ジャンルでも刺激を与えてくれた方がいい?


辻:そうです。オモロ川だいすけは、襖一枚隔てた向こうで15時間くらい眠りますから、そのダラダラが伝染しかねないんです。これはピンチですよ。ただこのオモロ川だいすけ、僕らとルームシェアする前は、もっとだらしなくて、もっと眠っていたらしいです。


高田:これは聞いておきたかったんですけど、2013年のR-1グランプリはお出になるんですか?


辻:エントリーしました。なんか格好つけるわけじゃないですけど、ピンでやってるのにR-1出なかったら、「あいつ逃げよった!」って思われるでしょ?


高田:ガゼル西口さんばりに、人の目を気にされますね(笑)。


辻:やっぱり最高幹部ですから、『人の目に怯えて生きる』という、ガゼルイズムは受け継いでいます。


高田:最後に今後の目標をお願いします。


辻:まずバイト先の大学生を話しかけてこないようにする事ですね。そうする事でネタ作りに集中できるようになって、もっと良いネタが書けるようになると信じてるので、彼の話しかけ行為を全力で阻止していきたいと思います(笑)。

                      インタビュー・文 高田豪