高田:コンビ名の由来を教えてください。
古田:ネットで検索しても引っかからない名前がいいなというのがあったんですよ。僕は『ハミングバード』という曲が好きなんで、そこからハミングを取りました。
高田:モンは?
古田:僕ら二人とも『デジモン』というゲームが大好きなので、そこからモンを拝借して、ハミングと足して『ハミングモン』になりました。
引本:伝説のコンビがこうして誕生したわけですよ。
古田:えっ! 冒頭から何言うてんの?
引本:そうや。今の所、音楽足しといてもらっていいですか? こうして今、伝説のコンビが誕生した。その名も『ハミングモン!』ジャッジャジャーン! みたいな感じで。
古田:いや無理やで! これ文章に起こさはんねんから、そんなことできひんで。
高田:お二人は大阪NSC33期生の同期なんですよね?
引本:はい。元々は僕ら幼馴染なんです。
古田:なんでそんな嘘つくねん。確かに俺は幼馴染とNSC入ったけど、お前とは幼馴染ちゃうで。
高田:NSC時代に『ハミングモン』を結成?
古田:組んだのはNSC卒業後でしたね。
高田:どちらから「組もう」というお声を?
古田:僕でしたね。
高田:どのように誘われたんですか?
引本:僕はしっかり覚えてますけどね。
古田:いやお前に聞いてへんで。
引本:彼の言った「お笑い界のテッペン目指さねえか?」っていう言葉は、ずっと心に突き刺さったままですから。
古田:言ってねーよ。
引本:あら違うかった?
古田:そんなイタいこと、俺言ってないです。
引本:すみません。捏造したことを、今ここに白状いたします(笑)。
古田:最初は、僕らルームシェアもう一人の同期と三人でしていたんです。
高田:その時はお互い別のコンビ?
古田:そうですね。それで偶然なんですけど、僕も引本もコンビを同じくらいの時期に解散したんですよ。
引本:ちなみに僕らは二人とも、捨てられた側でした(笑)。
古田:いらんこと言わんでええねん。
引本:僕はそれまで毎日ネタ合わせしてたから、急に時間が空いてしまったんです。バイト行って、寝る前にゴソゴソする。バイト行って、寝る前にゴソゴソする。この繰り返しでしたね。
古田:ゴソゴソって何やねん。そこが気になるわ。
引本:まあこれでも男の子やからね。
古田:その頃、僕はまだコンビを組んでいまして、あまりにも引本が寂しそうにしてるんで「暇やったら俺らのネタ合わせ見るか?」って、誘ったんです。ほんで、こいつ連れていったら、当時の相方に「大事な話がある」って言われまして。まあ気配はあったので解散したいっていう話なんやろなって、ピンと来ましたけど。
引本:僕はなんで来ちゃったんだろう、と部屋の隅っこの方で解散劇をじっと見ていました。
古田:それでその後、なぜか引本と一緒にアメ村に行ったんですよ。そこですぐに「コンビ組まへんか?」って言いましたね。
引本:もちろん答えは『NO!』でした。
古田:違うやん。そのままコンビ組んだやん、俺ら。
引本:ただ一つ悲しい事がありました。
高田:何でしょう?
引本:親友を一人失ったんです。
高田:その時期にですか?
引本:僕は元々、コンビ組む前に古田とめちゃめちゃ仲良かったんです。でも『ハミングモン』を組んでしまってから、彼は『親友』から『相方』に変わってしまった。元々、人見知りで友達の少ない僕は、『ハミングモン』結成と同時に、『古田』という大事な親友を失ってしまったんです。
古田:お前さっきからほんまに何を言うてんの?
高田:コンビを組もうと誘われた、ということは、当然ながらお笑い芸人としての魅力を感じてらっしゃったということですよね?
古田:まあそうですね。相方は結構、なんでも器用にこなせるところがるので、そこは強みかなと思っていました。こいつの前で褒めるのはしゃくですけど(笑)。
引本:えへ。
古田:うーわ。それ文字に起こしたら一番、おもんないやつやん。
引本:マジで? 渾身のボケやったのに。すみません。今の発言は事務所NGでお願いします(笑)。
高田:今で『ハミングモン』を組まれてどれくらいになるんですか?
引本:去年の10月からなんで、もうすぐ一年になりますね。
高田:ネタはどちらが考えられているんですか?
古田:二人で考えています。
引本:しゃべりながら作ることが多いので、字に書いたりはそんなにしないんです。
高田:コンビを結成されてからは、二人っきりで遊びに行くということはなくなりましたか?
引本:めっきり無くなりましたね。
古田:なんでそんな嘘つくねん。結構あるがな。
引本:そうやったっけ?
古田:言うても仲が良いので、コンビ結成前と変わらずにどっか行ってますね。まあ二人っきりって言うよりも、僕らプラス誰かがいるっていうのが多いですけどね。
高田:お二人の性格でここは違うなというところがあれば、教えていただけますか?
古田:相方は寂しがりやなんで、常に誰かといたがりますね。
引本:こいつはね。一人を重んじる派なんです。でもね。そのくせしてこいつ寂しがりやさんですよ。
古田:いや、そんなことないよ。
引本:この前、もう一人の同居人の誕生日やったんですよ。なのでその同居人の誕生パーティーを僕と同居人の二人でやっていたんです。でパーティーが終わった後、古田が帰ってきたんですけど、めっちゃ不機嫌なんですよ。僕が「どないしたん?」って聞いたら、「なんでお前ら俺をのけ者にして誕生日パーティーやるねん!」って激怒してるんです。
古田:(笑)。
高田:これは事実ですか?
古田:はい。間違いありません(笑)。僕はそのパーティーが開催されている頃、バイトをしていたんです。で休憩中に引本のツイッターを見てたら「誕生日パーティーやってま~す」みたいなツイートがあって、なんで俺をハブるねん。寂しいやんけ! という感情が沸々とわいてきました。
引本:相方はね。そうとう女々しいですよ。フェミニンなんです。女狐ですよ。
古田:誰が女狐やねん(笑)。
高田:照れくさいかもしれないですが、相方さんをご覧になって、ここが芸人として優れてるなあという面を教えてください。
引本:しゃべってて楽しいのもありますけど、やっぱり普段から僕が言った何気ない一言を拾うのが早いですね。そういうところはいいなと思います。
高田:古田さんからご覧になった引本さんの長所は?
古田:これがね。ないんですよ!
引本:お前、殺すぞ! 前から思ってたけどな。お前はホクロ多いねん!
古田:今、ホクロの話してへんやろが! 俺のホクロはな。遠目でみてもようわからんから、舞台でイジッてもらわれへんかわいそうなホクロなんじゃ!
引本:相方はね。ホクロという大病を抱えながら舞台に上がり続けてるんです。なので皆さん、もっと応援してやってください。
古田:大病ってなんやねん。失礼が過ぎるぞ。
引本:こいつはね。ホクロが多すぎて、肌色よりも黒の方が占めてますからね。全体では。
古田:そこまで多かったら人間よりもむしろホクロやんけ。でもね。足に爆弾ボクロみたいなのがあるんで、そろそろそれを除去する手術をしようかなと本気で考えているんですよ。
引本:なんで取ろうとするねん。お前ホクロの気持ちになったことあんのか?
古田:ないわ! ホクロの気持ちになんてなりたないわ!
(後編
へ続きます)