インタビューwithキタイ花ん

左:すぐる 右:辻



高田:この際なんで、すぐるさんがどれだけ、ええ奴なのかを教えてもらっていいですか?


辻:そうですね。コントで使う道具とか買った時も、先に金出しておいてくれるんですよ。


すぐる:ええっあんだけ言うといて、エピソードそれだけ?


高田:これだけ、ええ奴、ええ奴言われている、すぐるさんなんですけど、見た目とは裏腹な感じがしますね。


辻:相方はね。見た目が怖いんでみんな中々近寄って来ないんです。しゃべってみたらこれほど、ええ奴はいないんですけどね。


すぐる:もうやめて。


辻:しかもアホやから、ツイッターで調子乗って「自分は格闘技やってました」みたいな事を言うてまいよるんですよ。お前、この際やから言うとくけど、その外見で格闘技やってるとか言うのってマイナスしかないぞ。余計人が遠のくぞ。


すぐる:別にそんなつもりで言うたんやないねんけどな。ああいう発言で「私の事守って」って言うてくる人とか出てくるかなと思ったんですよ。


高田:ご家族は応援して下さっていますか?


辻:そうですね。僕のところは特に反対もなく好意的に見てくれている感じです。


すぐる:うちはもう放任って感じですね。見放されているというか。


辻:こんな事言うてますけど、こいつ親からの仕送り5万くらいもうてますからね。


すぐる:それはないって。


辻:だっておかしいんですよ! バイト週2しか入ってない人間が家賃とか払えるわけないですからね。


すぐる:その話はええやん。


辻:僕はね。仕送りしてもらっている事に怒ってるんじゃないんです。なぜ隠すのかと。5万円もらってるなら、5万円もらっていると言えばいいじゃないかと。


すぐる:5万円ももらってないって。


辻:ほんならなんぼもろてるねん?


すぐる:3万円にしといて下さい。


辻:『しといて下さい』って何やねん。この期に及んでまだごまかすか。


すぐる:次の質問どうぞ。


辻:お前が仕切るな。


高田:学生時代の思い出について教えて下さい。


すぐる:僕は格闘技に励んでいました。


辻:また格闘技の話、出してきたやん。他は?


すぐる:……格闘技。


辻:それ以外に何もしとらんのか。


すぐる:しゃあないやん。そうやってんから。


高田:辻さんは?


辻:ほんまは言いたくないんですけど、僕は野球部でした。


高田:なぜ言いたくない?


辻:スポーツをしていたっていう空気を極力出さないようにしてますので。


すぐる:なんで? 別に隠さんでもええやん。


辻:野球部って声を出す事を求められるじゃないですか?


高田:そうですね。


辻:僕、内野手やったんですけど、投手に声を掛けたりする事が多いポジションなんです。例えばボール球が続いたら、「ピッチャー、もっと腕振っていこう!」っていうのがよくある掛け声なんですけど、これおかしくないですか?


高田:と言いますと?


辻:もっと腕振っていかなあかんっていうのを、その状況で一番分かっているのは当のピッチャーでしょ?


高田:なるほど。


辻:だから僕の中でそれは意味がないと結論づけて、全く声出しをしなかった三日間というのがあったんです。


高田:その結果、どうなりました?


辻:普通に干されてしまいました。


すぐる:あかんやん(笑)。


辻:僕は必要がない場所で大きな声を出したくないんです。


高田:舞台とかでしたら抵抗はない?


辻:舞台というのは声を出してお客さんに伝えるという形態を取っているんで、大きな声を出す事は理に適っているんです。でも野球は声を出さなくても試合できるでしょ?


高田:言われてみればそうかもしれません。まあ運動部というのはどこか理不尽なところがあるのかもしれませんが。


辻:それが僕は嫌だったんです。不合理な物って嫌いなんです。


すぐる:僕は逆に声を出す事に全く抵抗がなかったでけどね。


辻:それはね。多分、物事を考える能力の差なのだと思います。


すぐる:後、これ言っておきたいんですけど、僕、格闘技やっていましたけど、基本的に強くないですからね。腕試しに来たりとかやめて下さいね。


辻:何の心配しとんねん。


すぐる:僕、柔道部のキャプテンだったのに、最後の大会出られないくらい、しょぼかったですから。


辻:何でキャプテンに選ばれたんやったっけ?


すぐる:真面目さオンリー。声もよく出してたし。


辻:そういう奴、腹立つわ。スポーツっていうのは実力のみで評価されるべきなんですよ。声出し要因とかでベンチは入る奴、死ぬほど嫌いでしたからね。


すぐる:相方と当時、同じクラブじゃなかって良かったです。多分、同じ部活にいたら死ぬほど嫌われていたでしょうから(笑)。


高田:辻さんは野球の腕はどうだったんでしょう?


辻:これがね。上手かったんですよ。きっちり声出ししてたら甲子園行けたかなっていうくらいでしたから。


すぐる:それほんまか? 今やったら何とでも言えるけど。


辻:ほんまやって。あの野球部の悪しき伝統さえなかったら、今、俺、野球やっていたかもしれへんよ。


高田:メジャーリーグとかは合理化が進んでいるので、そっちの方が合いそうな気がしますね。


辻:26歳のお笑い芸人にメジャー目指させるのはやめて下さい(笑)。


すぐる:僕は応援したいですけどね。


高田:部活で声出しをされていたというお話もありましたけど、人を応援するのがお好きな方ですか?


すぐる:そういう訳でもないんですけど、良い行いっていうのは回りまわって自分に返ってくるじゃないですか?


辻:急に宗教家みたいな事言い出すなよ。


すぐる:今、ええ事言うたな。これ本とか出せるんちゃうかな。


辻:今、言った事もっぺん言うて。


すぐる:『良い行いは自分に戻ってくる』って言うたんやけど。


辻:言うとくけど、それめちゃめちゃベタなやつやで。多分、その手の本で大量に出回ってるから、今更出版させてくれへんで。


高田:最後に今後の目標をお願いします。


辻:キングオブコントの再エントリーができまして、準々決勝に出ることが出来ましたので、何とか準決勝に行きたいです。


すぐる:そうですね。そこで結果が出ればいいですね。

                     インタビュー・文 高田豪