左:今井将人 右:高見雄登
高田:同期である33期生の方は才能豊かな方が多いと思うんですけど、ライバル心というのはないですか?
高見:『男性ブランコ』
に対しては感じることが多いですね。キタイ花んでも良い結果を出していますし。特に平井なんか同居人ですから、同じ舞台とかで上に行かれると悔しいなっていうのは正直あります。
今井:ただやっていることが本当にバラバラというか、それぞれ違うんで、やっぱり自分たちの色みたいなものを出すことが重要だとは思っています。
高田:今井さんは芸人さんと同居されていないんですか?
今井:僕は同期の『しゃかりき』ってコンビの、ひかるってやつと一緒に住んでいます。ちなみにひかるも坊主頭です(笑)。
高田:いつ頃から坊主にされてるんですか?
今井:元々、僕は野球部やったんで、ずっと坊主だったんですけど、大学に行ってロンゲの時期があったんです。ただめちゃめちゃ不評でした(笑)。NSCに入った時は、アメリカの海軍みたいなジャーヘッドにメガネという風貌だったんです。
高見:結構、真剣な感じで「ちょっといいかな」って今井が言うてくるんで、ネタのことかなと思ったら「俺、坊主にしていい?」とか「メガネ外していい?」とか「ヒゲ伸ばしてもいい?」とかそういった見た目の相談がやたらと多かったですね。
今井:コンビの雰囲気って大事ですからね。そうそう、こないだ高見が勝手に坊主にしてきよったんですよ。
高見:勝手にじゃないって。ちゃんと言うてたやん。
今井:僕はその時に「二人とも坊主って微妙ちゃうん」って答えたんですよ。にもかかわらずその夜、高見は坊主になって僕の前に現れたんですよ。
高見:夜中の3時にネタ合わせしてたんですけど、ちょっと煮詰まっていたんです。その時、今井がボソッと言うたんです。「坊主やめてくれへんかな?」って。
今井:僕の坊主キャラが薄れてしまう危険性もありましたし。
高田:照れくさいかもしれないですが、それぞれが思う相方さんの長所を教えてください。
高見:やっぱり運動神経ですね。ジャンプ力が凄いんですよ。今井が吹っ飛ぶというコントがあるんですけど、ジャンプ力だけで笑いを起こせるというのは良いことだと思いますね。
今井:ただその分、僕の体は痣だらけになるんですけどね(笑)。
高田:身体能力が高いんですね?
今井:それは自負しております。
高田:野球部時代の成績とかは、いかがでしたか?
今井:一応キャプテンをやっておりました。
高見:守備位置どこやったっけ?
今井:ライト。
高見:打順は?
今井:8番。
高見:ライパチやないか! それ下手な奴の典型的なパターンやで。
今井:野球を愛してたのでライパチとか、そんなんはどうでもいいんです。
高田:今井さんからご覧になった高見さんの長所は?
今井:知識が豊富なとこです。そこだけですね。
高見:そこだけってなんやねん。もっとあるやろ。
高田:今、これが楽しいということを教えてください。
今井:同期と飲みに行くことですね。
高田:どなたと仲良くされているんですか?
今井:『ライフバーナー』
の楠見です。よく一緒に飲んでますね。
高見;昨日もネタ合わせしたかったんで、今井に電話して呼んだんですよ。ちょっとしてから到着したんですけど、なぜか楠見も一緒に来てるんですよ。とうとうネタ合わせにまで楠見が来るようになったかって驚きましたね。
高田:楠見さんがお二人のネタをご覧になってアドバイスされるとかはないんですか?
高見:全くなかったです。世間話をして帰りました(笑)。実は僕の妹が楠見と同級生なんですよ。5歳離れているんですけど。せやから楠見は僕のことを『高見の兄ちゃん』って言うてました。僕の妹の方が基準になっているんですよ。最近になってようやく僕のことを高見って呼べるようになりましたけど(笑)。
高田:高見さんの楽しいことは?
高見:結構インドアなんでビジネス書とか本を読むのが好きです。多分ね。部長から「君はこの仕事向いていない」って言われたのを、まだどこかで引きずっているんでしょうね。いつか見返してやろうという(笑)。
高田:逆に苦痛なことを教えてください。
高見:僕んとこに督促状とか色んな請求書が来るんですよ。それが嫌ですね。ネタ書こうっていう時に送られてくると集中できなくなりますね。まあ払っていない僕が悪いんですけど。
今井:僕が苦痛なことは楠見と飲みにいけない日があることですね。
高見:なんぼほど楠見のこと好きやねん。
高田:楠見さんの大好きなところを教えてください。
今井:女子みたいによく笑うとこです(笑)。
高見:楠見は天真爛漫なんですよ。
今井:あいつと一緒にいたら一生続けられるノリみたいなものも生まれますし。
高見:ノリとか言うてますけど、そんないいもんじゃないです。下らないこと言うてひたすらジャレあっているだけです(笑)。楠見はね。今井のことを地元の連れみたいに思っていますから。
今井:僕も全く同じように思っています。
高見:お前もかい。
高田:お笑い芸人同士という感じじゃなくなっているんですか?
高見:二人がお笑いの話しているのを僕は見たことがないです。
高田:ご家族はお笑い芸人をやられることに関してはどのように思われていますか?
高見:うちは母子家庭で僕以外は全員女なんです。お婆ちゃん、おかん、妹二人という家族構成です。真ん中の妹が小学校の教師をしているんですけど、僕がたまに実家に帰ると「ええ年して兄貴何しとんねん」的な無言のプレッシャーは与えてきますね。
今井:僕のところは応援してくれています。うち男だけの4兄弟なんですけど、僕の弟が実はNSCの30期で入っていたんです。結局、一年でやめたんですけどね。
高見:お前がNSCに入って理由のひとつが何やったっけ?
今井:「弟よりは俺の方が面白い」っていうのはありました。
高田:兄のプライドという感じでしょうか?
今井:兄弟の中で僕は一番面白いんですよ! ただ困ったことがありまして、一番下の弟が今、高校生なんですけど「お笑い芸人を目指す!」って言うとるんです。このまま行けば37期生になりますね。
高田:お兄さんからご覧になった下の弟さんの印象を教えてください。
今井:ダメです! だって僕よりも面白くないんですから。これは是が非でも阻止したいと思っています。
高見:一回、今井の弟が僕らの舞台を見に来てくれたんですけど、かわいかったですよ。ほとんど今井のちっちゃいバージョンだったんで(笑)。
今井:小今井です。
高見:なんやねん。小今井って。
今井:兄弟の中で僕が一番大きいんですよ。あとはみんなよう似てるんですけど、他の兄弟は全員、小今井ですね。
高見:全員、小今井ってようわからへんわ(笑)。
高田:最後に今後の目標をお願いします。
今井:やっぱり『キングオブコント』の決勝に行くことですね。
高見:壮大な目標ですけど、そこ目指して頑張ります!
インタビュー・文 高田豪