インタビューwithキタイ花ん
左:清友学 右:楠見大輔


高田:コンビ名の由来を教えてください。


清友:楠見が考えた名前なんです。


楠見:昔、日本の車っていうのは性能が悪いしスピードが遅くて世界から馬鹿にされていたんですね。「燃料が米じゃないのか?」という揶揄を込めて『ライスバーナー』と呼ばれていたんです。


高田:ちょっと馬鹿にされていたということですね。


楠見:はい。でも今はTOYOTAとかHONDAとか世界的な車のブランドとなっています。結局、良いものを作り続けていたら結果が出るという教訓をそこから学んで、ライスを『ライフ』(人生)に変えて、『ライフバーナー』と名づけました。


清友:確かに理由はそうやったけど、いきなり固すぎへんか(笑)。


高田:清友さんは『ライフバーナー』というコンビ名をお聞きになった時のご感想は?


清友:僕は最初、反対やったんですよ。正確に言うと反対っていうよりも、僕がつけたかったコンビ名が実はあったんです。


高田:教えてもらっていいですか?


清友:『小骨頬骨』です。


高田:それは楠見さんもご存知なんですよね?


楠見:はい。覚えています。インパクトはありましたから。


清友:僕が勇気を出して「『小骨頬骨』ってどう?」って言うたら、相方が「一旦、家に持ち帰って考えてみるわ」言うたんです。僕はその時点でしめしめと。多分、このまま押し切れるわって気楽に考えてたら、いきなり『ライフバーナー』とかいう名前を持ってきやがって(笑)。


高田:『小骨頬骨』と『ライフバーナー』は、確かに全く違う方向性ですもんね。


清友:しかもさっき相方が言った理由あるじゃないですか? あれを僕の前でペラペラとまるでプレゼンのように喋りよるんです。あんなん言われたら「でもやっぱり『小骨頬骨』でいこう」なんて、言えませんよ。こっちはふんわりとしか考えてなかったのに(笑)。


高田:今でも若干の抵抗が?


清友:『ライフバーナー』って、ちょっと格好よろしいなあと。格好よろしすぎるので、恥ずかしい部分はありますね。


楠見:こいつ今、すぐに引き下がったみたいな感じで言いましたけど、ほんまは「やっぱり『小骨頬骨』でも良くない?」って、結構、競り合ったんですよ。なんだかんだで一時間くらいは食い下がってましたから(笑)。


高田:やっぱりこだわりがおありだったんですね。


楠見:実は『ライフバーナー』っていうコンビ名にした理由をもう1パターン用意していまして、それは相方にもまだ言ってないんです。


清友:なんなんそれ? 気になるわ。


高田:教えていただいていいですか?


楠見:僕ら二人とも家庭環境が結構ややこしいんですよ。二人ともの人生が“炎上”している、という意味で『ライフバーナー』だと。そういう理由です。


清友:それいらんかったやん。絶対、さっきの理由の方が良かったやん。


楠見:やっぱりあかんか。念のため用意してた理由やからなあ(笑)。


高田:今まで波乱万丈の日々を送ってこられたということでしょうか?


清友:うちはいろいろあって両親がすでに他界しています。


楠見:僕の父親の借金は2億あります。


高田:2億? さらっと言われましたが凄い金額ですね。


楠見:でも父親の借金のおかげでひとつ学んだことがあるんです。


高田:何でしょう?


楠見:借金取りも話せば分かる。


清友:なんやねん、それ(笑)。


高田:向こうも同じ人間だということですか?


楠見:そうです。彼らにも人の情というものがあります。


高田:涙ながらに訴えるということでしょうか?


楠見:重要なのは、きっちり相手と向き合うことです。「今、家にお金が全くないんです」ということを、誠心誠意ちゃんと伝えることが大事ですね。嘘がない、というのを分かってもらえれば、その日は退散してくれます。


清友:でも翌日来るんやろ?


楠見:そうやねん。だから毎日、大変やねん(笑)。


高田:そういえばある方のブログで『NSC道場』を見に行ってきました、ということを書かれていたんです。そこにライフバーナーのお二人についての記事があったのですが、下のコメント欄に楠見さんのお母様だと思われる方の書き込みがありまして。


楠見:うわっ、マジっすか?


高田:物凄く表情が歪みましたね。


楠見:ちなみにどんなことが書かれていました?


高田:お二人のプロフィールやNSC道場、キタイ花んでの成績などを丁寧に書かれていました。


楠見:またいらんことしよってっ。


清友:お前のおかん、勝手なことしすぎやで。


楠見:僕のおかん、ちょっとイタイところがあるんです。同期の堀川絵美 のブログにも勝手にコメントしたりしてますし。僕が全く知らせていないのに、他の芸人の人のブログを細かくチェックして、舞台を見に来よるんです。


清友:見に来てくれるおかんがおるだけええやろ。


楠見:悲しいこと言うなよ。


清友:こいつの家は結構、仲がいいんですよ。この前も兄貴が舞台見に来てたみたいですし。


楠見:実家にも最近、全然帰ってないですし、別に仲が良いってわけでもないんですけど、不思議と舞台はよく見に来ますね。


清友:しかもこの前こいつの兄貴、客席にいた誰よりも受けていましたからね。大笑いしてましたよ。弟のネタ見てそんなに笑えるかっていうくらい笑ってましたよ。


高田:ご家族が見に来られるっていうのは、どうなんですか?


楠見:ほとんど毎回なんですよ。しかも座る位置というのが客席の真ん中の真ん中っていうのが定位置でして。


清友:いや、そこ家族が一番座ったらあかん席やろ。


楠見:そうやねん。でも真ん中座りよんねん。


高田:現在でコンビ組まれてどれくらいになるんでしょうか?


楠見:実は僕ら一回解散しているんです。


清友:最初組んだのはもうNSCは入ってすぐくらいだったんですけどね。


高田:お二人は何期生にあたるんでしょう?


清友:33期生です。


高田:解散したいというのはどちらから?


清友:相方の方からです。


高田:何か理由があったんですか?


楠見:これが別に大きな要因があったわけではないんです。他の人とコンビ組んだとかそういうこともなかったですし。


清友:お互いその後、再結成するまではずっとピンでやっていましたから。


高田:で再結成したいというのはどちらから?


清友:それもこいつの方からなんです。


高田:楠見さんは結構気ままなんですね。


清友:そうなんですよ。もっと言ってやってください。しかも、こいつ「再結成しようや」っていうのも、ちゃんと言ってないですよ。


楠見:一応、言うたんですよ。


清友:一応ってなんやねん。大事なことなんやから、きちんと言えや。


高田:詳細を教えていただいていいですか?


清友:コンビを解散してからずっと連絡を取っていなかったんです。そしたら急にこいつからメールが送られてきて「今まで悪かった。明日14時にどこどこでお願いします」って書かれていたんですよ。


高田:いきなりですね。


清友:でしょ? 僕からしたら何のことか分からなかったので、放っておいたんですよ。そしたら翌日の14時頃にまたメールが送られてきて「ごめん。もう着いてる?」って。そこで、こいつ再結成したがっとるなと、薄っすら気づきました。


高田:なかなか核心に触れたくない、みたいな感じですね。


清友:僕が「昨日のは間違いメールやと思ってたわ」って説明したら、こいつが「まあ、俺がお前の立場やっても、そう解釈するわ。で明日の14時はどうなん?」って(笑)。なんやねん、はっきり言えやと思いました。


楠見:その時、僕はZAZYっていう同期の芸人と一緒に住んでたんです。彼に再結成しようかと思ってるねんと伝えたら、「そこはきちんと言わんと、にごした方がええんと違うか?」ってアドバイスしてくれたんです。


清友:再結成みたいな重要なことやのに、あんな“顎ジャクレ”のアドバイス聞くなよ(笑)。


高田:顎ジャクレ?


楠見:ZAZYはめっちゃ、シャクレてるやつなんです(笑)。

後半 へ続きます。下記 へ読み進めてください)