インタビューwithキタイ花ん

左:浮田修平 右:酒井孝太

高田:キャサリンを結成されてからどれくらい経ちましたか?


酒井:大体3ヶ月くらいですね。


高田:どちらから「コンビを組もう」とお声を掛けられたのでしょう?


酒井:まず浮田がドルフィンズを解散して、いろいろ悩んでいたんです。それで僕がよく話を聞いてたんですけど、その時に冗談で浮田が「酒井君、コンビ組んでくれや」って言うてきたんです。


高田:酒井さんは、どのようにお返事を?


酒井:「なんで組まなあかんねん。嫌やわ」言うて家に帰ったんです。でいつものようにピンのネタを書こうと思って、シコシコとネタを書いて完成したら、それがいつの間にやら漫才のネタになっていた(笑)。


高田:実話ですよね?


酒井:もちろん、実話です。


浮田:さすがに僕もそれ聞いた時は、「嘘やろ」と思いました(笑)。


酒井:それだけ浮田のことが気になってるんやなと、ようやく自分の気持ちに素直になりまして(笑)、最終的に僕の方から「一緒にやらへんか?」と誘ったんです。


浮田:ドルフィンズの解散を吉本の事務所に報告に行った後、作家さんと酒井君と『吉田たち』の雄平と四人で飲みに行ったんですけど、その席で酒井君の方から誘われたんです。こっちはまだ気持ちの整理とか何もできてない状態やのに。


酒井:僕としては、いい機会かなと思ったんです。


高田:この辺りで『キャサリン』というコンビ名の由来を教えて下さい。


浮田:同期としゃべっている時に、「コンビ名を何にしよっか」ていう話になったんです。最初は深く考えずお互いの苗字を取って『ウキサカ』とかでいいかって言ってたんです。


酒井:そこで同期連中に「もうちょっとちゃんと考えた方がええぞ」って言われたんですよ。


浮田:酒井君は女性的な部分があるので、じゃあ女性の名前ってどうってなりまして、その流れで『キャサリン』に行き着きました。でも僕がキャサリンって名乗ると「気持ち悪い」ってめっちゃ言われるんですけどね(笑)。


酒井:スーパーマリオUSAに出てくるキャラでキャサリンっているんです。それがめちゃめちゃ唇の分厚い恐竜で、浮田にそっくりなんです(笑)。


浮田:考えたら凄い偶然なんですよ。ほんまに僕そっくりなんで。


高田:やはりピン芸人をやられながらも、酒井さんの中では『コンビを組みたい』というお気持ちがどこかにはあったということですか?


酒井:そんなに目をギラつかせて、相方を探しているという訳ではなかったです。多分、周囲にそこまで組みたいと思う人がいてなかった、というのはありましたね。ただ浮田のことは、ずっと気になる存在でしたけど。


浮田:そんなん言われたら照れるわ(笑)。


高田:お互い組み始めた当初、違和感はなかったですか?


浮田:僕の前組んでいたドルフィンズの時は、ハゲ二人に挟まれて、気持ちの悪い感じでやっていたんですよ。それが一転して、酒井君みたいなショップ店員みたいな人間と(笑)やっていけるのかな? という不安はありました。最近、ようやく慣れてきましたけどね。


高田:もしよかったら、なぜドルフィンズが解散するに到った経緯を、教えていただけないでしょうか?


浮田:とにかくモリスケが「舞台に立ちたくない」って言うようになったんで、もうこれは仕方ないかということになって解散したんです。あんなハゲは舞台立ってなんぼやと思うんですけどね(笑)。


高田:お二人はNSCの29期の同期ですが、お互いの第一印象を教えて下さい。


酒井:かなり鬱陶しかったです。


高田:即答ですね。


酒井:その頃、僕は『かんばさかい』というコンビを組んでまして、一つ上のクラスに上がることになったんですけど、そこで浮田と初めてあったんです。


浮田:その頃の僕はめちゃめちゃ偉そうやったみたいですね。初対面やのに、いきなり肩をポンと叩いて「おお、まいど!」みたいな感じでしたから(笑)。


酒井:ほんまにそうやったんですよ。いきなりこっち来て「自分、何て名前なん? あっ酒井って言うんや。よろしく」って。


浮田:最初にかましとかなあかんと思ってたんでしょうけどね。酒井君の方が思いっきり年上にも関わらずですよ。


酒井:僕からしたら「なんやねん、こいつ」でした。


高田:逆に浮田さんからご覧になった酒井さんというのは?


浮田:まず、ひょろ長い。そして大人しい、好青年っていう感じでしたね。ただネタになると急にハキハキし始めるんで、それは凄いなと思ってました。


高田:仲良くなるまでにそれほど時間はかかりませんでした?


酒井:在学中はそんなに遊んだりはなかったかな?


浮田:家に遊びに来たり交流が増え出したのは、NSC卒業してからですね。


高田:年齢差はどれくらいあるんですか?


浮田:三つですね。僕が今、24歳で、酒井君が27歳です。


高田:先ほど酒井さんが女性的だというお話がありましたけど、酒井さんご自身でも思い当たる節はありますか?


酒井:男性が好きだとかそんなんは全然ないんですけど、肌の手入れとかは小まめにしますね。


浮田:あと、めちゃめちゃ鏡を見よるんです。女性的ていうのを越えて、もうほとんど変態ですわ(笑)。


酒井:手入れって言っても風呂上りに、化粧水つけたりとかそんな程度ですよ。肌が乾燥しやすいんで、気をつけるようにしてるんです。


浮田:普通、男ってシャワー浴びるのに10分ほどしか、かからないじゃないですか? この男は40分くらい浴びてますからね。


酒井:ちょっとブローが……。


浮田:そのブローの意味がわからへんわ。


高田:ナルシストではないんですよね?


浮田:僕から見たら完全にナルシストですよ。


酒井:いや、そんなことはないです。


浮田:ロンゲしてるのはナルシストの証なんです。


酒井:それは偏見やって。


高田:先ほどお二人の写真を撮りながら思ったんですけど、お二人とも高身長なので見栄えしますね。


酒井:まあ、僕は見栄えしないことはないと思います。でも浮田がね(笑)。


浮田:ほんまにね。相方はね。「雰囲気がある」とか色んなこと言われてね。ちょっとむかつくんですよ。


酒井:実はキャサリンになって、ファンが減ったんです(笑)。ピンの時の方が多かったんですよ。


浮田:僕がドルフィンズ時代の名残である『呪い』を入れてしまってるんです(笑)。


高田:お互いの芸人としての評価は、どんな感じでした?


浮田:器用そうやなと思っていました。


酒井:好きなツッコミでしたね。コンビ組む時も「こういう漫才がしたい」という明確なものがなかったので、キャサリンを組む時も、それは伝えました。


高田:性格的にも正反対な感じですか?


酒井:そうですね。僕は物凄く几帳面で、浮田はただのがさつ(笑)。


浮田:酒井君はね。本当に大人しいですよ。みんなでワイワイしている時でも、ひとりで携帯触ってたりできるタイプなんです。


高田:酒井さんがテンションの高い時というのを、浮田さんでもご覧になったことがない?


浮田:ないですね。基本的にはしゃがない人間なんですよ。ガッツポーズ取る時がたまにあるんですけど、これがまたちっちゃいガッツポーズなんですよ、よく見んとわからんくらいで(笑)。


高田:あまり怒ったりということもない?


酒井:基本的に怒鳴ったりもしないですね。


高田:対照的に浮田さんは、感情表現が豊かですよね?


酒井:浮田はただの乱暴者です。


浮田:じゃあ酒井君の中で俺は『がさつ』で『乱暴』なだけの奴なん?


酒井:まあ、そやな。


高田:ドルフィンズ時代にインタビュー させていただいた時よりも、穏やかになられた感じがするのですが。


浮田:もしかしたら相方が変わったからかもしれないですね。隣で酒井君みたいにずっと穏やかに落ち着いている人がいたら、僕も感化されてる可能性はあります。


高田:ではお互い特に不満もなくいけてる感じでしょうか?


浮田:それがあるんですよ。


酒井:なんやねん。


浮田:さっきもちょっと言ったんですけど、相方はショップ店員に間違われようと必死なんです。


酒井:ちゃうねん。それはちゃうって。


浮田:もしくは美容師とかね。完全にそっち系の人に間違われようとしとるんです。どんだけモテようとしてるねんと、最近は芸人間での批判はエグいですよ(笑)。


酒井:僕は自分のやりたい格好をしているだけなんで、別にモテようとしているわけでもないですし、ショップ店員に間違われようとしているわけでもないんです。ちょっと暑いんで服脱いでもいいですか?


浮田:図星つかれて恥ずかしなっとるがな(笑)。


高田:最近、酒井さんのファッションが突然変わったということはないんですよね?


浮田:それがね。変わってきつつあるんですよ。その証拠に相方の顔を見て下さいよ。うっすらヒゲを生やしとるんです。


高田:なぜ、酒井さんはうっすらヒゲを?


酒井:これはね。毛を一旦、生やしてあげようという優しさなんですよ。「自分に嘘つくんはやめよう」みたいなね。


浮田:もう、わけわからんようなってるやん。

後編 へ続きます。下記 へ読み進めてみてください)