インタビューwithキタイ花ん

高田:ずっと一人っていうのは、辛くなかったですか?


しげかず:辛い時もありましたけど、基本的にいつも一人だったんで、それが当たり前になってました。


高田:その時、お家ではどんな感じでした?


しげかず:家に一人でいる時に一番、テンションが上がっていました。


高田:何をされてテンションが上がっていたんでしょう?


しげかず:一人でブツブツ言うてましたね。


高田:ブツブツの内容を教えて下さい。


しげかず:どうも僕は無意識に独り言を言う癖があるらしいんです。だからあんまり何を言っていたのかとかは、覚えてないんですよ。


高田:何かをしている時に独り言を言われる、という感じでしょうか?


しげかず:テレビ見ながら何か言うてることが多かったですね。それも誰かと喋っているぐらいの勢いで独り言を言うてました。


高田:お父さんやお母さんから「うるさい!」とかは?


しげかず:家族から距離を置かれているんで、それはなかったです。


高田:距離を置かれている、というのは現在も?


しげかず:今もそうですね。あまり会っていないです。


高田:しげかずさんがお笑いをやられていることに関して、ご両親は?


しげかず:反対も賛成もないですね。ノータッチなんで気楽にやらせてもらっています。


高田:お笑いをやりたいと、ご両親に告げられた時は、どんな反応でしたか?


しげかず:イェ~イでしたね。


高田:イェ~イ? 誰が?


しげかず:おかんがイェ~イです。


高田:お母さんがイェ~イ?


しげかず:おかんがイェ~イです。ふざけながらイェ~イ、イェ~イ言うてました。


高田:明るいお母さんですね。


しげかず:うちの家族って僕以外は全員明るいんですよ。父と母と兄がいるんですけど、全員明るいです。


高田:話を戻しますが、基本的に昔から一人でいらっしゃることが多かったと?


しげかず:そうなりますね。


高田:人間がお嫌いだとか?


しげかず:そんなこともないですよ。好きも嫌いも無いっていうのが本音ですね。


高田:こだわりは強い方ですか?


しげかず:どうなんでしょうね。ただ『絶対に自分の嫌いなことはしない』っていうことに対してのこだわりは、あるのかもしれないです。そこだけは譲れないです。


高田:そう思われるようになったのは?


しげかず:お笑いを始めてからですね。お笑いをやり出してから、食べ物も好きな物しか食べないとか、その辺りを徹底的にこだわるようになりましたね。


高田:食べ物は何がお好きですか?


しげかず:レタスっす。


高田:偏食家ですか?


しげかず:むちゃくちゃ偏食家ですよ。まず海の幸ダメ、山の幸ダメ。


高田:基本的に幸はダメだと?


しげかず:幸はダメですね。


高田:ではこの先もずっとピンに対してもこだわって?


しげかず:そうですね。みんなから「ピンは大変やぞ!」って言われるんですけど、やっぱりピンが自分に合っているんで、そこはこだわっていきたいですね。


高田:お笑い番組は、小さい頃からご覧になっていましたか?


しげかず:人並みだと思います。『ごっつええ感じ』は見ていましたけど、それほどマニアックにお笑い番組ばっかりを見ているというわけではなかったです。


高田:お好きな芸人さんていらっしゃいますか?


しげかず:ウンナンさんの内村さんですね。昔から好きだったんですけど、今も変わらず好きです。コントをされている方が基本的に好きですね。


高田:ピン芸人でお好きな方は?


しげかず:劇団ひとりさんは好きですね。あの人のネタを見て「ピンでこんなに面白い人おったんや」って思いましたので。


高田:影響を受けられたりとかは?


しげかず:ネタで影響を受けたというのはないですけど、劇団ひとりさんを見て、ピン芸人っていうのもありやな、と考えるようになりました。それまではそういう発想自体がありませんでしたから。


高田:ネタはどのような所から、考えられていますか?


しげかず:よくあるのが街をブラブラして、なんかしらの小道具を見つけて、そこから考えていくというパターンですね。


高田:小道具というのは、例えばどういったものになるんでしょう?


しげかず:そうですね。街に出た時に、赤ちゃんを見つけるとするじゃないですか。そしたらその赤ちゃんを中心にボケを考えていったりとか、そんな感じですね。


高田:新ネタのノルマとか決めてらっしゃいますか?


しげかず:月にニ本か三本は作りたいと思っているんですけど、できる月もあればできない月もあるっていう感じで、中々上手いことはいかないです。


高田:調子の波は激しい方ですか?


しげかず:できない時は全くできないんですよ。いっつもギリギリにならないと、できないんですよ。


高田:今、一番楽しいことを教えて下さい。


しげかず:さっきも言ったんですけど、やっぱり大喜利ですね。


高田:それって時間にすると、どれくらいやっておられるんでしょう?


しげかず:もう一日中やってますよ。


高田:それだけ楽しい?


しげかず:楽しいです。時間が経つのが早いですから。


高田:その長時間の大喜利が後々、役に立ったりとかってありますか?


しげかず:ずっとやっていると、「コイツはこういうボケ方するんや」とか、そういう情報は入るので、そういう意味では役に立っているのかもしれないです。


高田:逆にこれが今辛いというのは?


しげかず:バイトとかもそうなんですけど、基本的にお笑い以外のことは全て辛いんですよ。だから理想を言えばずっとお笑いだけをやっていたいんです。それさえできていれば、他に望みはないです。


高田:ご趣味とかもあまりない?


しげかず:しいてあげるなら漫画とか映画とかですかね。そういった作り物を見るのは好きな方です。


高田:お笑いだけをやり続けたいというお話でしたが、それ以外の選択肢が頭をよぎることというのは?


しげかず:それはないです。もうお笑いが無理やったら終わりやと思ってやってますから。


高田:そこは一貫していますね。


しげかず:服屋で働いてみて分かったんですけど、お笑い以外の職業で、まず適応できる気がしないんです。


高田:では最後に今後の目標を教えて下さい。


しげかず:物凄く売れて、認めなかった人たちすらも認めさすことです!

              インタビュー・文 高田豪