インタビューwithキタイ花ん


高田:シーチキン佐野というお名前はご自分でつけられたんですか?


佐野:そうですね。最初は本名でやっていたんですけど、芸名でやりたくなって、その時に今の名前を考えたんです。他にもいくつか候補はあったんですよ。


高田:よければ教えて下さい。


佐野:『ヒューザー佐野』というのと『頭蓋骨佐野』というのがありました。


高田:その中からシーチキンを選ばれたわけですか?


佐野:最初は、頭蓋骨佐野にしたんですよ。でもその名前でR-1の予選に出た時に、死ぬほどスベったんです(笑)。それで名前を変えようかなと思っていた時に、善方隼人というピン芸人に相談したら、「シーチキン佐野の方がええんちゃう?」って言われたので、じゃあシーチキンにしようかという運びになりました。


高田:芸暦は今でどれくらいになるんでしょう?


佐野:7,8年ぐらいですね。


高田:NSCに入られる前は、何をされていたんですか?


佐野:大学生でしたね。大学を中退してNSCに入学しました。元々、高校時代にNSCへ一緒に入ろうといっていた友達がいたんですよ。その友達とコンビを組もうと思っていたので、僕は先にNSCに入って、彼が入学するのを待っていたんです。そしたらしばらくして電話がかかってきまして。


高田:ようやくお笑いの世界に入る決意ができたと?


佐野:僕もそう思ったんです。でもそれがねずみ講の誘いだった(笑)。


高田:それは残念ですね。確か、佐野さんはそういう体験をネタにされていませんでしたか?


佐野:はい。その友達だけじゃなくて結構、ねずみ講に縁があるんですよ。


高田:佐野さんご自身は、ねずみ講にはまったご経験というのは?


佐野:ないですね。一度、バイト先でねずみ講ブームが起こりまして、僕以外の人間はほとんど参加していた事がありました。


高田:バイトのお話が出ましたけど、『バイトあるある』みたいなネタもされていましたよね。


佐野:バイトはたくさん、やっていますからね。


高田:今までどんなバイトをされてきましたか?


佐野:コンビニ、お寿司屋さん、電話回線を売る営業とか、ネットのプロバイダのモデム売りとか、色々やってきましたね。ほとんど最後はクビというパターンが多いですけど(笑)。


高田:原因は何なんでしょう?


佐野:仕事は真面目にやっているんですけどね。例えばヤカラに絡まれて、暴言吐いてクビになったりとか。


高田:キレやすい方ですか?


佐野:そんな事はないと思うんですけどね。あと、これはお寿司屋さんなんですけど、余ったお寿司をアルバイト仲間と一緒にこっそり食べてたんですよ。それが店長の付き合っている女、これも働いている人だったんですけど、その人にバレて全員クビになったりとかね。


高田:今、現在は?


佐野:芸人仲間から紹介してもらったんですけど、テレアポをやっています。もう二年ぐらいしているんですけど、全然ダメですね。舌滑が悪かったり、言葉に詰まったりとか、全く上達しませんね。成績もかなり悪いです。


高田:率直に言ってバイトはどうですか?


佐野:苦痛としか言いようがないですね。早く脱却したいです。


高田:この辺りで芸の事についてお聞きしたんですが、佐野さんはずっとピン芸をされているんですか?


佐野:デビューしてからずっとピン芸をやっています。M-1の時だけ先輩のマシンガンズ向山さん、フルーツピーチ大将軍の三人で組んで出たりとかしてますが、基本はピンですね。


高田:最初からピン芸人になろうというお気持ちだったんですか?


佐野:初めはそうでもなかったです。さっき言ったねずみ講の誘いをしてきた友人と、漫才をするつもりだったんです。でも彼がお笑いの世界に入らなかったので予定が狂ってしまいまして、その後ずっとピンでやっているという感じですね。


高田:昔からお笑い番組はよくご覧になっていましたか?


佐野:はい。ダウンタウンさんや千原兄弟さんの番組はよく見ていました。あと『すんげー! Best10』が好きでよく見ていましたね。ジャリズムさんとか、スミス夫人さんとか、モストデンジャラスコンビさんとかが好きでした。


高田:佐野さんはよく『めくり芸』をされていますが、あれってライバルが多いと思うんですよ。他のめくり芸をされている人に、ここだけは負けないというのがあれば教えて下さい。


佐野:速いところですね。


高田:めくりが?


佐野:はい。


高田:“めくりの速さ”では誰にも負けないと。


佐野:そんなところで勝っても仕方ないんですけどね(笑)。


高田:素朴な疑問なんですけど、間違えて2枚めくってしまったりとかしないんですか?


佐野:頻繁にあります。日常茶飯事ですね。


高田:そういう窮地に陥った場合の対処法は?


佐野:謝る事です(笑)。

(後編へ続きますので下部へ読み進めて下さい)