舞台が終わると、浦島太郎状態になる。

本番中、いや稽古中からニュースを見なくなるので、芝居が終わるとぽつんと世間との差に気付く。

いつの間にか周りはクリスマスで、年の瀬を迎えていた。

改めて談志が死んだと、確認する。稽古中だったので、受け止める隙も無かった。

今回の「ねじ四季」には落語を沢山取り入れた。転換中に季節ごとの噺を流してみた。
春は「長屋の花見」柳家小さん。
夏は「船徳」桂文楽
秋は普通は「目黒のさんま」なのだろうけど、古今亭志ん生の「粗忽長屋」。この噺は秋の物語のベースにもなっている。
そして冬が「芝浜」立川談志。

僕はどこかで落語が一番の芸なんではないかと思っていて、今回ギャラリーでやる際に、セットはなくとも背景が見えればいいなあと思った。


因みに秋でイシカワが演じたのは「黄金餅」の一場面。古今亭志ん朝バージョン。大好きな見せ場の一つ。

他にも書きたいことは沢山あるのだが指が悴んできたからもう諦めて、しんとした町を「芝浜」を聞きながら、これから芝居を観にいきます。

鈴木祥二郎