いわくつきの一作と言ってもいいんですかね。
●OVA発のカルト作品の続編作!?「劇場版フリクリ オルタナ」の感想。
フリクリ オルタナ
を観てきました。
公式サイト:flcl-anime.com/alterna/
2000年にリリースされたOVAシリーズ「フリクリ」の続編が満を持して登場。
前作にも登場したハルハラ・ハル子と、彼女を取り巻くキャラクターの物語が描かれます。
OVAシリーズの鶴巻和哉監督は今回はスーパーバイザーに。
総監督に「踊る大捜査線」の本広克行さん、監督には今回が監督初登板となる上村泰さんがクレジットされています。
またキャラクター原案には貞本義行、アニメーション制作には Production I.G など前作のスタッフも集結しています。
かくいう私は、「フリクリ」は未見。
まったくの「フリクリ」弱者として行って参りました。
賛否両論がすでに巻き起こっている本作を観てきた感想をざっくり一言でいうと・・・
これは・・・辛め・・・・・・
という感じであんまり良い印象はありませんでした。
もうちょっと詳しい感想を書いていきます。
●これは劇場版ではない!?
そもそもの話なんですが、これ劇場版じゃないでしょ!!
繋がりゼロではないとはいえ、TVサイズで作った物をそのまま数珠つなぎにして“劇場版”と冠する度胸はちょっと肯定しがたいです。
本作、海外ではカートゥーン・ネットワークの大人向け放送枠『アダルトスイム』でTV放送された作品でして、事実劇場版ではないのです。それを日本では劇場公開用に編集するとかならまだわかるのですが、ひたすら頭から終わりまでそのまま流し続けるとは思っていなかったのでなかなか衝撃。
エピソード自体が酷いわけではないけど、まさか連続でTVサイズの作品を見せられるとは、心の準備ができていなかったので、1話終わるたびに「あと○話…」とカウントダウンしながら終わりを待つネガティブな映画体験をしてしました。
オールナイト上映のようなイベントでこういったTVアニメサイズのエピソードの連続上映って確かにあるのですが、仮にも劇場版と謳うぐらいだったらもうちょっと工夫してくれても良かったのになぁと私は思います。
「リックアンドモーティ」なんかもアダルトスイム発です。
●もっと心をグッと掴む瞬間が欲しかった青春劇!
新谷真弓さんの声が癖になるハル子さんや、いつも元気なんだけどどこかウブなカナちゃんなど、キャラクター自体は魅力的だった一方、そのキャラクターたちのエピソードとして心をグッと掴んでくれる瞬間がなかったのも残念。
中でもカナちゃんの幼馴染であるペッツはもっと掘り下げるべきだったはずのキャラクターなのですが、突然影を落としたようなキャラクターに一変するような状態になってしまっており、映画サイズどころかTVアニメサイズでも不自然な状態じゃないかと思いました。
これが1クールとかなら話は変わってくるんでしょうけど、もしかしたら、この後上映が予定されているプログレの方で印象は変わってくる可能性もあるかもしれません。海外ではプログレの方が先らしいですけど、なんで前後逆にしたのかな?
突如ペットボトルロケットを作ろうとする感じはなんか異様。どういうモチベーションなんだこの女子高生たち。
●小ネタの鋭さに猛烈に懐かしさを感じる・・・!!
褒めたいところとしてはほんとに小ネタの鋭さが魅力。
気づくか気づかないか絶妙なパロディやギャグなどが随所に盛り込まれていて、それに気づいた瞬間がとても楽しい作品でした。
中でも細かいところではボンボンで育った私としては非常に懐かしい「DANDANだんく!」って漫画を、バスケ部マネージャーの佐々木くんが話題にあげるシーンは衝撃でした。このタイトルを2018の今、映画館で耳にできるとは思ってなかったので、今回映画で最も感動したところかもしれません。
とだ勝之先生のバスケ漫画「DANDANだんく!」とはこれだ!
結構お腹が減ってる状態で観たので作中の月見そばやケバブの美味しそうなこと。
昼間だったら、そのまま人生初のケバブ体験をしに足を運んでいた事でしょう。(終電間際だったのでゆっくり食事には行けませんでしたが)。
映画鑑賞前にはしっかり腹拵えしないとですね。ただ水分の摂りすぎはトイレ行きたくなるので注意です。
コアなファンではないので、過去シリーズを踏まえた賛否みたいなのは現時点では言及できないのですが、初見としても魅力を感じ得られるはずのストーリーでありながら、不満ばかりが残ってしまいました。なんだか出会い方を間違った気になってしまう作品でしたね。
なかなか勧めがたい問題作です。
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