【ONEPIECE FILM GOLD】の感想。問題作!この映画で本当に一番不自由な存在とは | アニメ映画情報ブログ【 ねじまき恋文のヤブレター 】

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感想をUPする時期を完全に逃した一作です。

 

 

 

 

ONEPIECE FILM GOLD

を見てきました。

 

 

 

 

 

 

個人的に大傑作だった前作「Z」から3年半ぶり、劇場版ONEPIECE最新作にしてONEPIECE劇場版第13弾。今作も原作者の尾田栄一郎先生が総合プロデューサーを担当。

監督にはTVシリーズの3代目シリーズディレクター宮本宏彰氏、脚本は「LIARGAME」「謎解きはディナーの後で」黒岩勉氏が担当してます。前回の布陣とは違うことにやや不安を感じておりましたが・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見てきた感想をざっくり一言で言えば

 

 

 

 

結構残念。

 

 

 

 

 

 

 

期待半分、不安半分で臨んだものの、今作は悪い方に転んでしまったかな・・・という一作でした。

もうちょっと詳しい感想を書いていきます。

 

 

 

 

 

●「ざまぁ」の瞬間に「ざまぁ」になれなかった

 

 

この映画はなんというか

ミスリードがすっごく下手に感じさせられる映画でした。

 

 

麦わらの一味がある作戦を実行していく中、明らかに敵の術中にはまってる状態であることを見せながら展開させていくので、うまくいくようには全く見えない作戦を延々と見せられる苦痛状態になっていました。そのおかげで肝となる大逆転ポイントが来た時に出てきた感想は「やった!」とかではなく「下手か!」というツッコミ。気持ちいいシーンのはずなのになんでこんなに気持ちよくなれないんだろう、と困惑させられました。

 

 

「ざまぁ」の瞬間に「ざまぁ」になれないエンターテイメントて。

 

 

映画内ですっごく調子に乗ってるやつが出てきて、そんな状態を溜めに溜めさせて、最後の最後に因果応報で思いっきり痛い目に合わせる・・・それを私は“ざまぁ映画”と呼んでおります(もちろん理由は、その瞬間に「ざまぁw」と非常に気持ちよくなれるから)が、間違いなくその分野の映画に属しようとしてる映画なんですが、ここまで下手なざまぁ映画は初めて見たかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●「自由」、「自由」と言うけれど・・・そんな映画になってない

 

 

また、本作のテーマであるはずの「自由」の見せ方も下手

「不自由」の見せ方がいまいち量も質も伴っていないせいで、果たしてこれが自由がテーマの映画kと言われたら謎。

 

話の中身としては様々なものに“縛られている人”が登場するので、掘り下げ方によっては、生きる気はするんだけど、上記の下手なミスリードのために時間を割いてしまったせいか、いまいちその“不自由”と“自由”のドラマが薄い。

いちおう不自由を被っている兄妹や店の店長も登場するのですが、特に一味のドラマに絡んでこないうえ、唯一活躍するシーンを、物語上特に居ても居なくても必要ないゲストキャラ(スパンダム)のシーンに使ってしまっているので、「とってつけた感」は否めませんでした。

 

 

ダブルダウンのおじさん(画像左)が演出のための使い捨ての駒でしかなかったのは、どうなんだ。

 

 

お金だったり、先入観だったりと「自由と不自由」をテーマに描けそうな材料が揃っている!はずなのにうまくいってない。なのに登場人物が「自由」だ「不自由」と台詞を口にするので、輪をかけて相対的にその言葉が陳腐になっていく始末。

 

 

尾田先生が気合入れてつくってるんだろうなー、と来場者特典の資料集を眺めながら感じるものの、映画という2時間程度の枠組みじゃ壮大すぎる物語だったのかなー、とも思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●カリーナの存在も思いっきり空回り

 

 

さらに気になるのはナミとカリーナのエピソード。

中盤、ナミとカリーナが昔のことを思い返しながら、ナミが「もう裏切らないように」みたいな忠告をするシーンがあるのですが、最終的にこの話も『ナミもカリーナが裏切ってないこと知っていた』展開になっておりました。

・・・・・・ってことは中盤のあのくだりはなんだったの?

この流れなら完全に信頼しあっている状態の方が必然じゃないの?

・・・っていってもこれも下手なミスリードのためのご都合主義なのでしょう。

 

細かいことを言えば、最後にカリーナが泥棒らしくあるものを奪っていくのも、『テーマ的にどうなんだ』と思わなくもない。映画上、お金という存在が「縛り付けるもの」として描かれていただけに、最終的にこの人も縛られている側だったんですよ的なバッドエンド的な見え方もする・・・んだけど、さすがに穿った見方すぎるか。なんで、カリーナは泥棒をやってるのかの掘り下げをうまくテーマに結びつければワンチャンあったとも思うのですが、この映画ではナミとの友情物語要員としか描かれてなかったのも非常に惜しい。

 

 

 

カリーナ役の満島ひかりさんは、満島ひかりさんは完全に消えてなかったけどそこまで悪くなかったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな感じで、

苦言がもりもり出てくるガッカリ映画でした。

 

 

 

尾田先生が原案として用意した漫画が、特典にも載ってまして、削った部分も多くてこんな状態なんだろうなぁということも分かったり、レイズマックスの身体的ギャグの滑り具合は尾田先生が依頼したものだということが設定資料集で分かりました。良いワンピース映画を作るための方程式として、意外と尾田先生が関わるかどうかは別の話なのかもなぁと思う次第です。

 

全員にミニパンフレットが配られると思うと大奮発な特典ですよね。ありがとう尾田先生。

 

 

 

 

 

 

ただ尾田先生の不在は興行に大きく営業するだろうから、結局ONEPIECEというIPが一番お金に縛られた不自由な作品だというオチの映画なのかもしれません。

 

 

 

 

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