【同級生】の感想。絶賛評を見て来たけど外野お断りのすげー映画だった!! | アニメ映画情報ブログ【 ねじまき恋文のヤブレター 】

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すいません、今回あんまり褒め系のこと言わないので、この映画大好きな人は今日の感想は見ないほうがオススメです。

 

そんなことを踏まえていただいたうえで・・・・・・

 

 



同級生
を見てきました。

 

 

 

 


大前提として本作はボーイズラブ(以下BL)作品。
わたくし、BL作品にあまり馴染みがなく、BL物アニメ映画は今回が初体験だったのです。

 

 

 

 


そんな私が本作を見た感想は

 

 

 

 

 

 


ただただ

ついていけず・・・

 

 

 

 

 

 


という感じでした。
もうちょっと詳しい感想を書いていきます。

 

 

 

 

 


●初めてのBL作品体験のスピード感

BLと呼ばれるような作品は、小説、漫画、アニメ、いずれも今まで体験したことがなく、まさにこれが初体験だったわけですが正直、今回全然ついていけなかったというのが正直な感想です。

同性同士の恋愛がけしからんとか、理解したくないとかそういう意味でついていけなかったのではなく、むしろどういう世界なのか興味を持って臨んだつもりだったのです。
が、思った以上に特殊な文脈の作品に感じました。
映画を見ていて
「えぇっ!?急!」という感想が漏れまくる映画だったのです。

 

 

 

ここでガチで「え?」って声出ちゃった。

 


しょっぱな面喰らったのが主人公である二人の馴れ初め。
この草壁くんが佐条くんに好意を抱く瞬間が、見ていて全くわからなかった。
恋愛映画ってもっと見ている人に、この人はこの人を好きになっちゃったんですよー!って瞬間の描写があるもんだと思ってたんですが、この映画はこれが下手なのか、もうそういう過程の描写は省略してしまったのか、
ない!
草壁くんがマメに佐条くんに歌のレッスンしてあげてるってのは好意があることがわかる流れだけど、決定的な“草壁くんが佐条くん好きになっちゃいました”シーンがないまま、いきなり草壁くんが攻めたことするので、かなり違和感を感じました。

 

なんらかの気付きのシーンなり、葛藤のシーンなりの描写はあとで展開されるのかなー・・・と思ったらなんかそういう物語は挟むこと無く、『佐条くんが原先生のことを好きなのか』というなんかもっと進んだ段階の話が主題になっていくからさらに困惑。
いやいやいや、こいつ(佐条くん)がホモかどうかの探りとかないんか。
一応、作中で後々、ここで恋を抱いたって瞬間を草壁くんが述べるのですが、全然そうは見えなかったよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

●驚愕は続く・・・2章目以降も置いてけぼり

 

で、続く2章目も唐突な事実が判明。

とあるキャラクターが主人公二人と同じくそっちの世界の人ってことが判明するのです。
なーんの前触れもなく、2章目で突然そういう展開が始まるから


「お前もホモだったんか!!!」

 

と、急な事態に理解を追い付けようと焦る私。
そういう重要な情報が全くないまま、男が男を口説く描写が突然展開されるから、心の準備ができていない私は戸惑いを隠せませんでした。

 

いや・・・草壁くんもそうだけど、相手の恋愛範囲確認せずに突然するのって、BL世界のデフォなんでしょうか。

少なくとも実世界でそんな攻め方するのって危険すぎると思うのです。

 

 

 

そして置いてけぼりはまだまだ続く・・・

3章目で草壁くんが女性と番号交換する件がトラブルに発展するんですが、「なぜ番号交換したのか」ってところには全く言及しない。

なんか、この映画的にそういうのは問題じゃないようなのか、イチャイチャして愛を確かめ合ったらめでたしめでたし。

 

「えっ!?いいの!?解決したの!?」

 

と思ったけど、場内でもしかしたらそんなこと思ってるのは私だけかもしれない。

ざわつきもなく、なんか“そういうもの”として本編で片付けられてしまっていきました。

 

 

あとなんなら、1章目と2章目のサブタイトルを合わせてきてるのに、3章目が全然違うもので・・・とか言い出すとさすがに重箱の隅か。

 

 

 

 

 

 

 

 

●私の中でひとまず落ち着いた結論!

 

そんな感じで草壁くんと佐条くんの諸々がノンケの私には理解しがたいというか、現実味がまったくないものでして、全編ほぼ口あんぐり。

どうにか納得の行く着地点を考えぬいた結果、なんというか本作ってすごく“ファンタジー”であることがよくわかりました。

 

イチャイチャするための過程やシチュエーションがすっごく大事で、それ以外は結構つきはなしちゃう・・・そこさえ良ければ他は大して気にしない、まさにいいとこ取りの夢世界だと思いました。

 

 

 

もっと現実的な物に例えると、“アダルトビデオ”的なご都合主義感。

アダルトビデオもストーリーこそあれど大概の骨組みさえ整っていれば、ストーリーの細かい粗は本当に放置。

感情の細かい起伏の変化だとか、合理的な流れみたいなのはかなり大胆な作りになりがちです。

この「同級生」もなんだかそんな作りに近い感じがしました。

 

 

 

で、唯一『あぁ・・・』と納得させられたのがラスト。

草壁くんと佐条くんが公然の面々で“ある”ことをするわけですが、物語のラストには映画のメッセージが秘められている論でいけばまさにこの“ある”ことにこの映画の本質が隠されていたと思うのです。

用はこの映画は

 

「君たちノンケなんて眼中にないンスよ」

 

って世界。

あのシーンで回りにいたモブがまさに私みたいな人間であり、根本的に私みたいな人間はこの映画のターゲットから外されていたのだと。

そんなやつがとやかく言ったって関係ないのかもしれない、多分。


恋愛映画の文脈で見れるものかと思ったけど、予想以上に違うスポーツだったようでした。


 

 

 


以上。

 

映画「同級生」はビックリするぐらいに、己が外野だと思い知らされるに至りました。

好評の声は多く聞いているので、私の見方に問題があったのだとも思うので、もうちょっとこの分野について、私は知る必要があるのかもな、と思いました。

 

 

あと、画だけ取り上げると、すっげー綺麗でした。

私にはアート系映画のような、絵は綺麗だけど理解できない的な映画とも言えるかもしれないです。




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