南相馬「あきらめない 未来をつかむ日」② | ねじまき猫のブログ

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阿智村新規就農研修編

こんばんは


「支援米プロジェクト」南相馬訪問の続きです。

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お米や支援品をお渡しした後、年配の職員の方からいろいろお話をお伺いできました。
とにかく、南相馬は原発事故後 違う街になってしまったと・・・
子供達が元気よく学校に登校する姿が本当に少なくなってしまったと嘆いておりました。
南相馬市では今でも約半数の子供(小学生以下)が市外へ出て行ってしまったままの状況です。
そして、もう戻って来る望みもほとんどないとの事・・・
「子供」=「希望・未来」であり、この先どうなってしまうのか・・・深く懸念されています。
また、子供がいなくなるという事は、働き盛りであるその親達もいなくなっているという事で
その地域全体で深刻な働き手不足になってしまっています。
時給は跳ね上がり、働く意識のモラルが低下し、サービスが低下してしまう(私も前職で同じ様な経験をしており、気持ちよく分かりました)。
急激に「超高齢化社会」が進んでしまって、社会の構造が崩壊し始めている。
そして、それがこの先改善されていく望みも無い、たぶんこの先悪化してく一方であろうと・・・

「本当にこの先の未来や希望が見えない・・・ 」と。

僕らもかける言葉も無く、ただただお話を聞いていました。
報道などで外から見ていると、少しずつも状況が改善されていっているんだろうと感じますが
現地に住んでいる方達は、良くなるどころか「状況はだんだん深刻化していっている・・・」
と感じ生活されています。
この「ギャップ」はどうしてなんだろう?深く深くそう感じます。
国は復興の為に「経済優先」・国民を守る為に「秘密主義法案」と強引に推し進めていますが
「そんな事してる場合ではないだろ!」
福島第一原発周辺の市町村では存亡の危機に迫られているというのにです。
この状況はもうお金だけでは解決しない問題であり「多くの人の強い思い」がなければこの危機は克服できないであろうと、僕は強く思いました。

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娘の小学校からひまわりの種18㌔!と私も一緒に育てたもち米約30㌔、あと寄せ書きも一緒に届けました。
とても喜んでいましたよ!「みんな、ありがとう!」「先生もありがとうございました!」

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えんどう豆のみんなも元気そうでよかった!


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この娘はいつも人懐っこく、写真写りも一番なんです!
今回もすばらしい笑顔をありがとう!!

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今回もカリタスという教会が運営するボランティア宿泊施設に泊まらせていただきました。料金は寄付という形で募金箱の様なものに入れるのですが、あまりに格安すぎて、少し多めにいつも入れています。

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JR常磐線の時刻表。北は津波の被害で南は原発事故で寸断されており4区間だけの時刻表です。

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翌日朝の新聞チラシにて発見。う~~ん。。。
この辺りではこれからようやく復興の事業が本格化してきて「復興マネー」が流れてきます。
ただ、潤うのは大手ゼネコンであり安い賃金で危険な実働をさせられるのは地元の人、という図式は今だ続いていると現地の方は嘆いておられます。もともとの現地の人や企業が潤う事は無いと・・・

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今年も南相馬沿岸部を見てきました。海岸線の復旧作業は進めていましたが、他の風景は1年前ほとんど変わりません。

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田んぼは今年も作る事は出来ずに、来年も無理であろうとの事です。
もう、田んぼと畔と水路の区別がつきにくくなってきていました。
農業・漁業などの第一次産業が壊滅してしまっている状況が、この地域の社会構造を根本から崩してしまっている、もちろん景観も、もちろん住民の心理状態も・・・。

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この集落には立派な慰霊碑が建っていました。ずっと先にもこの教訓を伝える為に。

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今回も、浪江町請戸地区に行きました。

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今年の4月から昼間だけ入る事が出来るようになった地域ですが、まったく5月に来た時と変わらない状況で、ただススキやセイダカアワダチソウが生い茂っていました。
今月からようやく瓦礫の撤去が始まり、今はここには工事車両しか入れないそうです。

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浪江町、地震の被害そのまま。

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浪江駅

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希望の牧場再訪。あまりに線量が高く人や牛が生活するには過酷な状況下です。

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汚染され、殺処分を命ぜられている牛「約360頭」
生きる証人だとしてお世話を続ける園主、少し疲れている様子で心配、無理はしないでほいと思います。
あなた自身がまさに生きる証人であり、健康を保ち長く訴え続けて欲しいと私は思いますが
「牛飼いの意地」「浪江町民の意地」がそうはさせないと・・・ がんばってほしいです。

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帰り道に全村避難を強いられた「飯館村」を通ってきました。

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風向きの影響で大量の放射線が降り、人も山も汚染させられた飯館村。
現在住宅や農地を中心に除染作業がすすめられていました。

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飯館村の除染総事業費2000億円。村民は2000人。除染と言っても当然山の除染まではできません。
一人当たり1億円のお金お使っても、戻ってくる村民は少ない(若い世代を中心に)であろうと言われています。
であるならば、その2000億円を使って、もっと別な方法で村民を助けたほうのが良いのではないかという声を多く聞きました。それでも除染を続けるのは行政のエゴであるようです。(なんとか村を残そうという気持ちはもちろん痛いほど良く分かります)

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飯館村を抜けてすぐにある除染した土などの「中間保管施設」最終保管施設は当然まだ決まっていない。
この異様さ、伝わりますでしょうか。
そして、これを背負って生活する住民の皆様の思いも。。。
(少し下には街があり学校があり生活されていました)



そして、無事に阿智村へ帰還いたしました。



これから、僕らは見て聞いてきた事を伝えて行く使命があります。
この状況・この異様さ・このギャップを。


「あきらめない 未来をつかむ その日まで」


長文になりました。
お付き合いいただきありがとうございました!


ではまた。