8月11日11時、東京都千代田区外神田―――
秋葉原と言った方が分かりやすいだろうか。
電気街の一角、形成された謎の行列の中に、僕は立っていた。
・・・というノリで書く元気は無いので、ラフに書きますね!
1.てぃんくる先生版画展
他人の外出を否定する気は無い。
ただ、「感染リスク」という単語を聞きつつ猛暑の中に出征する元気が無いだけなんだ・・・
という訳で、帰省もせず、基本在宅ゲーマーでクーラーの連続稼働時間を更新する日々を送っております。
とはいえ、折角の夏休み、全く出掛けないのは勿体ないし、たまには気分転換したい!ということで、今日は秋葉原に行ってきました。
なんと半年ぶりの秋葉原です。
あぁ、オタクの免許剥奪されそう。
当然、目的あってのお出掛けでした。
軸中心派の前に停まったトラックでも大々的に宣伝されているように、我らがてぃんくる先生の新作版画展が開かれています。
ただの版画展ではなく、なんと今日はてぃんくる先生ご本人来場という嬉し過ぎる特典が付いていました。
イベントは17時からですが、11時の開店直後に整理券の配布が行われるため、それに合わせて来店しました。
こういうイベントは、舐めて直前に行った挙句、定員オーバーで幾度となく辛酸を舐めてきました。
が、なにせ暑すぎるので、そんなに早くから待てないと思い、15分前到着に賭け、ダメなら諦めて他のイベントに向かう方針に。
列の存在を知らず、先にエレベーターで店舗に上がって「開いてねーじゃーん」と言いながら降りて並び直すという訓練されていないオタクぶりを発揮しましたが、無事整理券を入手できました。
その後、版画展のコーナーに向かいました。
展示会の模様を伝えようにも、撮影不可なのでどうしようもないと思っていたら、アールジュネス秋葉原のTwitterに写真が載っていたため、こちらで雰囲気を感じてください。
中はてぃんくる先生中心でしたが、他の絵師さんの作品もあり、中には「作 日本ファルコム」と書かれた、「閃の軌跡Ⅳ」のエンディングの絵までありました。
思わぬ出会いに見入っていると、突然声を掛けられました。
「ファルコムさんのゲームが好きなんですか?」
版画展は二度目なので、驚きはしませんが、ここで声を掛けて来ようとは。
陰を極めた極陰キャの宿敵、陽キャの販売員さんの登場です。
数十万の版画を売り込むその技術と熱意は並大抵なものではありません。
若かりし頃、何も知らずに旧エウリアンの店に誘い込まれたことがありましたが、あれは絵は興味が出ないし、説明は胡散臭かったので、適当に説明を聞いて抜け出すことができました。
が、こちらは絵はめっちゃ欲しくなるクオリティだし、販売員さんの熱意が凄すぎるので、引き込まれる分なお厄介です。
「ライトを当てるとめっちゃ映えますよ」
という前回同様の流れで、販売員さんと2人並んで席に座り、版画を近くから眺めつつ、延々と説明を聞く展開に。
最初は「てぃんくる先生の作品は何が好きですか?」とか、「この絵のどの部分が気に入りましたか?」という質問から入り、話が盛り上がってきたところで、「こういう絵、欲しいと思いませんか?」と言って売り込む流れは昔と変わらず。
押しのプレッシャーから、HPが見る見るうちに削られていきます。
とはいえ2回目ともなれば、きちんと対策を用意してあります。
ふと時計を見ると、丁度良い時間に。
「すみません、12時半にラジ館に着かないといけないのですが・・・」
12時半からラジ館ラボでウィクロスパーティーがあるのをリサーチ済でした。
版画展で引き留められた場合に備え、プランに組み込んであったのが功を奏しました。
しかし相手も熟練者、ただでは引き下がりません。
「てぃんくる先生のイベント前、16時に来ることは可能ですか?」
話の続きをしようという申し出が。商魂ここに極まれり。
断るのは申し訳ないのと、先生のイベントという時限が存在することを考慮し、ここで了承した上で、店を後にしました。
2.ウィクロスパーティー@ラボ
デュエルスペース閉鎖中につき、中止
ちゃんちゃん。
3.書泉
続いて向かったのは、電気街とは逆方向、「書泉」という本屋さんへ。
10階近く(ちゃんと覚えてない)ある高層構築に、「鉄道」などなど、秋葉原らしい品ぞろえが並ぶ大規模書店です。
ここでは別ベクトルのオタク本を購入しましたが、ご紹介は最後に。
ところでこのお店を知ったきっかけですが、
等身大ラティナが設置されていました。
結局ロリ関係じゃねーか!!!
4.絵師百人展
続いて、今日の当初の目的にやって来ました。
絵師百人展です。
お盆期間のどこかで行こうと思っていたら、てぃんくる先生ご来場と上手く被ったため、今日にしたという流れです。
公式サイトで展示作品に例示されるように、やはり大先生だな、と改めて実感。
てぃんくる先生の絵の前で数分立ち止まる、列が消えたのを見計らってしらたま先生の絵(2回目)をじっくり鑑賞するなど、怪しい挙動を見せつつも、様々な絵師の先生の作品を堪能しました。
対象物の輪郭をくっきり描く人、ぼやかして色のグラデーションを出す人、人物をアップで描く人、風景と遠近感が合うように実寸大で描く人、様々な表現が見られました。
不思議な世界観の作品を見ると、「この背景設定だけで短編小説を書けそうだな」という謎の創作意欲が湧き上がり、やはりプロの作品は刺激があるなと実感。
最近は絵師の方をフォローする機会が増え、知っている先生が増えてきたので、「100人中半分くらいは分かるかな~?」と思っていたら、まだまだ井の中の蛙で、1割くらいしか知りませんでした。
良い方に捉えれば、まだまだ開拓する余地があるということ。
知らなかった方の中で一番印象に残ったのがこちらの作品です。
こちら、「きみしま青」先生のTwitterより拾ったイラストで、会場では横長に伸ばした形で作品が展示されていました。
鏡の中に別の存在が映るという構図で、RPG好きな僕にとってはドはまりする世界観でした。
「鏡の中の世界の自分が世界を救うために戦っていて、ピンチに陥ると現実の自分にも影響が及ぶ」
とか、
「鏡に映る存在は自分の理想の存在で、鏡を眺めて意識する中で、理想の自分に成長していく」
とか、幾らでも設定を作れる世界観で、このままゲームのパッケージにして売れそうだな、と感じる出来です。
Twitterからイラストを拾う時点でお察しですが、早速フォローさせていただきました。
なお、知り合いのフォロワーを見るとYS選手が居ました。
てぃんくる先生、しらたま先生、あづみ一樹先生と、既知の先生の作品を見ただけで元を取った気分になれ、他にも新たな出会いが沢山あり、非常に満足できる展示会でした。
一方で、「腹が減った」「マスクのせいで暑い」「書泉で買った品が重い」「久々の外出で膝がガタガタ」という四重苦が襲ってきたため、体力補給することにしました。
5.供述「肉が焼きたかった」
四重苦を解消すべく、向かった先がこちら。
立ち食い焼肉「治郎丸」です。
今までも存在を知りつつも、紙の大会の合間で時間が無い、行列で入れない、と行く機会がありませんでしたが、今日は時間に余裕があり、平日の昼過ぎ(14時)だったため、好機と見て行くことに。
肉を焼いたら暑いし、立ち食いなので膝が休まらないし、四重苦の2つが解消できないという重大な不備を抱えていましたが、それよりも「肉焼きてぇ」という欲望が勝りました。
久々の遠出(5駅)なんだ、日常的に食べるラーメンとかとは違う、ちょっと贅沢な気分に浸りてぇじゃねぇかよぉ!
梅酒うめぇ!
当然肉がうめぇ!
冷やしトマトがさっぱりするぜ!
塩が合うぜ!
肉・米・キムチの3連コンボが最強過ぎるぜ!
水もうめぇ!!!
と、店の隅っこで存分に満足な表情を浮かべつつ、孤独のグルメを堪能しましたとさ。
焼き始めの余裕があるうちに写真を撮ったせいで、品が少なく見えるのはちょっと反省ですな・・・
6.てぃんくる先生ご来場
昼食(焼肉)を終え、UDXの横のベンチで日陰と京浜東北線の風を受けつつ休憩し、暇を潰せばはや16時。
約束の時間が迫っていました。
事前に「百人展で少し遅れるかもです」と予防線を張っておいたので、それに合わせて10分ずらして来店しました。
どの程度がっつり話し込まれるのかと身構えていたら、「忙しいので時間が取れない」とのこと。
一応残念そうな表情はしましたが、内心ホッとしていました。
イベントまでに暇が出来たため、てぃんくる先生のグッズを購入して過ごしました。
戦利品はこちら。
・冷感ブランケット
・3Pの画集
・TCGケース×2
・小物入れ
・クジで当てたクリアファイルなど
・居飛車穴熊の名局百選
・最後の真剣師「小池重明」氏の記録
いくら遣ったなどという野暮な話はしません。
ただ、てぃんくる先生のグッズを買うと4000円毎に引けるクジを4回引いたとだけ言っておきましょう。
ちなみに、書泉で買ったオタクグッズとは将棋の本のことでした。
最近はネット将棋がマイブーム、寝る前にプロの棋譜を並べているのが習慣となっているため、追加で百局分を購入しました。
将棋に限れば、超巨大書店「池袋ジュンク堂」に勝る豪華さです。
小池重明氏は真剣師(昭和以前、賭け将棋で生計を立てた人)で、酒癖のせいで名人との記念対局前日に留置場送りになる位に波乱万丈な人生を送った人です。
以前別著を読んだことがありますが、非常に衝撃を受けたのでまた読むことにしました。
色々とてぃんくる先生のグッズを買えて満足した僕ですが、ここでハッと我に返りました。
「もしや、僕を暇にしてグッズを買わせるまでが販売員さんの思惑だったのでは!???」
プロの営業には敵いませんな。
肝心のご来場イベントですが、撮影不可で何を伝えれば良いのやら、という感じですが、「トークショーと抽選会が面白く、非常に楽しめた」とだけ言っておきます。
先生の性別すら知らない状態での初対面でしたが、素晴らしい作品に素晴らしい先生あり、という印象です。
先生ご自身はあまり雄弁ではなく、質問に詰まる場面はありましたが、そこが親近感が湧くと共に、真摯に回答される姿から絵師としての拘りを感じました。
「好きな女の子の髪型」「作品中の小物の描き方」といったプロらしい話から、「怖い番組を見た翌日は仕事にならない」といった繊細さを表す話まで、「次はその作品、書いてくれますよね!???」とかグイグイ攻める司会の方との掛け合いを眺められ、非常に楽しい会でした。
残念ながら抽選会には当たりませんでしたが、「当たるまでイベントに来い」ということなのだろうと思い、帰路に就きました。
「世界に1つしか無いタペストリー」とか、「絵校正用に印刷所から受け取ったイラスト」とか、レアなお宝が多く、非常に欲しかったです。。。
おわりに
書くネタ満載で充実した1日となり、良かったです。
ちなみに版画については、数十万出すことが苦というより、部屋が狭すぎるのが問題なので、近々引っ越したら1枚買おうかなと考えています。
その日が訪れる頃にはコロナも落ち着いているはずですし、家に人を呼んで布教活動をするかもしれません。
まぁそのうちあれば、の話ですが。