明け方の冷たい空気の中、たった一人、虚空に置き去りにされた気分だ。
味方もいなければ敵もいない、正真正銘の孤独。
近くで耳鳴りがした。うんうん唸って、慌てて辞める。
そしてカレンダーを確認して、今日がエイプリルフールでないことに安堵して嫌な焦りを覚える。
いくらなんでも、冗談にしては酷すぎる。
今日が愛する彼の誕生日であっても、やっていい事悪い事はある筈だ。
おかげで私は2時間以上も泣き放しだ。
どう復讐してやろうかしら。なんてちらりと考えて、目覚まし時計の電池を抜いて彼が眠る布団に潜り込んだ。
目が覚めて、一番に視界に入った左手薬指の見慣れない指輪と判の押された婚姻届。
私は彼の背中に抱きつきながら、彼の目が覚めたら笑顔で迎える復讐をするために泣いた。
どういう理由であれ泣いてる顔なんて、見せてはやらない。
