久々に印象に残った異界駅について書こうと思います。

 年末の、新年というめでたい日を迎える直前に縁起が悪いと思われるかもしれませんが、書きたくなったものでして。

 怖い話が苦手な人はスルーしてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 よろしいでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 とある男性が、埼玉県で電車に乗っていました。

 八高線の折原駅を過ぎたところから雲行きが怪しくなります。というのも、二時間電車が停まらないのです。

 そしてようやく駅に停まり、彼は電車を降ります。これ以上変な場所に送られたくなかったのです。

 すると、そこには改札がありません。それに、フェンスに囲まれた、駅と呼べないような場所。

 駅名の看板には「狗歯馬駅」とあります。聞いたこともない名前です。次の駅には「厄身駅」とあります。

 場所は全体的に緑色、空は紫色だったといいます。しかも全体的に山とか木とかで暗かったそう。

 変な場所に連れてこられてしまった恐怖心からなのか寒さを感じた男性は、電車に逆戻りしました。その時電車は扉を閉めようとしましたが、彼は強引に押し広げて飛び乗りました。駅員が嫌そうな顔をしていたそうです。

 電車は出発します。

 電車は「厄身駅」を通り過ぎて、走り続けます。

 でも、次の駅を通り過ぎると駅名が見えたようで。

 「なんでおりるれか」駅。

 そんな駅名ないでしょう。

 駅名ではない駅名は次の駅でも続きます。

 「なんで」

 「まどからおりろ」

 「おりろ」

 「おりろ」

 「おりろ」

 延々と「おりろ」駅が続いている。

 もうこれは駅名ではありませんね。何者かがこの男性に訴えかけているのです。

 男性は恐怖心から目を閉じて、この恐怖が終わることを願いました。

 三時間ほど経った頃、小川町駅に駅は停車しました。ごく普通の駅です。

 男性はこうして、元の世界に戻ってくることができました。

 

 異界駅の話には、降りる方が正解の電車もありますが、今回は降りない方が正解だったようです。

 二分の一の確立で運命が左右されてしまう。

 ただ電車に乗ってただけでこんなことになってしまうなんて、たまったものじゃないですね。