　ビートたけし「浅草キッド」

　こないだ映画を観て原作を読みたくなった。昭和47年、大学を中退した若きビートたけしが、浅草のフランス座というところで深見千三郎というコメディアンに弟子入りし、のちにツービートとして世に出る自伝的小説だ。

　映画は面白かった。セットもレトロでいい雰囲気だった。難を言えば、セリフ回しがなんだか演劇っぽかったのと、俳優の衣装がどれも真新しくて生活感がなかったこと。長い劇を見ているようで、その辺が少し残念だった。

　原作は、まださわりしか読んでないけど、さすが本人が書いてるだけあって描写がリアル。その時々のたけしの心情も面白くて読んでてフフッと笑ける。なにより、青春ど真ん中な感じがたまらん。タイムスリップしてそこへ行きたい。