階段の軋みを避けるために、一段飛ばしで上がる。


息を殺して、二階の廊下に出る。

 

 娘の部屋のドアの前で止まる。

 

 中は、暗い。

 

 そして——焦げた匂い。

 

「……っ」

 

 灯子の喉が固くなる。


火事? でも煙は見えない。


匂いだけが、ピンポイントで濃い。

 

 フライパンを、握り直す。
 

 灯子は、ドアノブに手をかけた。

 

 ……その瞬間。

 

 

つづく