彦次郎は見た。

 

妙薬の正体は色と匂いですぐわかった。

 

とたんに彦次郎は顔をそむけて断った。

 

「これを飲めば傷が治り、生き延びて

 

凱陣できるかもしれない。

 

だが生き残ったとて、命惜しさに馬糞汁まで飲んだと人に言われては、

 

武士としてはこれ以上の恥はない。

 

そんな生き恥をさらすより、ここで死なせてくれ。」

 

と言うのである。

 

 

 

つづく