嫌な予感もたまには外れるもんだ・・・


ママの車は、予想を反して軽の1ボックスカーだった。


これで、ベンツとかだったらどうしよう・・・と思っていた。目立つからね。


ちなみに、ママは翔子さんと言う自称34歳のバツイチだった。


だが、俺の見立てでは39と言ったところか・・・


で、何を勘違いしたのか、黒いスーツで身を固めている所が、痛々しい・・・


「改めまして・・・秋葉です。」


「昨夜はどうも。翔子です(ハート)」


んー


熱が出そうだ。


「じゃあ、秋葉さん、どこへ行きますか?」


「そうだね。3人で行っても怪しいし、先ずは洋介と翔子さんで、偵察して来て。」


「ラジャー」


翔子さんはやる気満々なんだろうな・・・オニヤンマみたいなサングラスもなんか、似合ってるのか似合って無いのか・・・


「で、俺が手塚さんに電話して、今日は何してるか聞いたら、連絡するから。」


「分かりました。」と洋介。


そして、俺は二人を張り込ませることにして、俺は郷紳会の情報を集めることにした。


って言っても、属性も何もかも分からないしなー


とは言え、教団のサイトにはご丁寧に住所も電話番号もあるわけで


住所は、宇都宮よりちょっと郊外か・・・歩けない距離じゃ無いし、先ずは敵情視察することにした。


ちんたら歩いて、1時間。郷紳会の本拠地?総本山?に到着した。


あたりをぐるっと見回すが、なかなかにしてなかなかである(笑)


こりゃ、でけぇな・・・


見た感じ、寺。だけど、なんか寺臭くは無い。そして、神社でも無い。だけど、鳥居はある。


やっぱ、神社風か。て事は、神道か?良く分からん。


そんな感じで、敷地の外をぐるっと一周した。


ま、その間、見つけた監視カメラは14個。かなり本気度が伺える。


そして、都合良く信者であろうお爺さんが総本山から出て、バス停へ向かった。


俺はその後をつけて、バスを待った。


来ねえ・・・


バスがこねぇ・・・


時刻表を見ると、あと40分もあるじゃないのさ。


俺は我慢仕切れなくなり、止むを得ずタクシーを捕まえた。


そして、その爺さんに声を掛けた。


「もし良かったら乗りますか?駅まで行きますよ。」


「ああ、どうも御親切に・・・」


そうして、お爺さんと俺は相乗りに成功した。後は、これで多少でも情報ゲッツ出来たら、充分だ。


ま、こういう時に、どうでも良い話をするのは、天才的な頭脳を持つ俺ならば朝飯前なのだが


方言だけは聞き取れない(汗)


適当に相槌をうつも、何を話しているのかサッパリわからん・・・


まあ、その中でも必死に聞き取れた部分は、長年連れ添った奥さんが去年亡くなった事。


そして、亡くなってから、訪問ボランティアとして教団の人間が現れ、色々面倒を見てもらっていること。


今は、教団が運営?している老人ホームにいる。お金は既に自分の資産で払い済みなんだと。


資産!?


まあ、流石にいくらだったのかは聞けず、なんとなく教団のやり口って言うのが見えて来た。


そして、約束通り駅で別れて、俺は洋介達に進展を聞こうと、携帯を取り出した時・・・


やっべ・・・変なお土産ついて来ちゃった・・・


まあ、俺が施設の周りを意味も無くフラついたからなんでしょう・・・


監視カメラの数を数えていたのが不自然だったんでしょう・・・


尾行されてるよなぁ・・・


つづく