俺「頼み…?仕事ですか?」
男「ま、そう言う事」
俺「報酬は?」
男「成功したら払うよ」
俺「受けるに当たって、いくつか質問がありますが…」
男「答えられる範囲なら答えるよ」
俺「では…あなたは誰ですか?たいち君との関係は?」
男「俺は鈴木卓也、たいちの母親の彼氏だ」
俺「実の父親はご存知ですか?」
鈴木「結婚してねぇよ、カレンは」
俺「・・・分かりました。で、お願いと言うのは?」
鈴木「たいちを施設に入れてやって欲しい」
俺「母親がいるのになぜ?」
鈴木「俺が殺すからだよ」
・・・・・・・・・
俺「え?」
鈴木「今日連れて行った連中は、多分●●組のやつ等だ」
俺「そっち系と繋がりが?」
鈴木「カレンは風俗で働いてるんだよ。で、他の男と浮気してバックれたんだろ?」
俺「その浮気した相手って言うのが、稼業なんですか?」
鈴木「多分な・・・」
俺「だからって、殺る殺らないの話は、鈴木さん的にもマズくないんですか?」
鈴木「なんで?」
俺「鈴木さんの組に迷惑掛かるのでは?」
鈴木「はっ。俺は破門されてっから、関係ねぇよ」
俺「であれば、その人が本当にカレンさんを奪ったかどうか分からないじゃないですか。」
俺「少なくとも、たいち君は連れて行かれたって言ってます。それを確認してからでも遅くないじゃないですか」
鈴木「・・・」
鈴木「理屈じゃねぇよ」
俺「分かります。プライドってのも分かります。」
俺「分かりました。俺が調べて来ます。あわよくば取り返して来ます。」
鈴木「はっ。お前に出来るのかよ」
俺「自信はあります」
交渉屋ですから・・・
つづく