こんばんは、negishioです
これまでのお話はコチラ
学習において、字を綺麗に書くことが目的になってはいけない。
字を書くシチュエーションごとに、綺麗を求められる時、綺麗でなくても良い時を教えてもらった息子。
生真面目な息子にとって、ある種手を抜くタイミングを教わって、少しは字を書くことに対してのハードルが下がったかと思っていたが、別の問題が生じてしまった。
これまで一字一字、時間をかけて丁寧に書くことを意識してきた息子は、今まで一文字ずつ黒板を見ながらノートに書き写していたのである。
書いてある文章や言葉のかたまりを見て頭で覚えたものを思い出しながら書いていくのではない。
黒板を見ては一文字覚えてノートに書いて…
これを繰り返していたなんて…
そりゃー、時間がかかっていたわけである
とにかく文章で覚えられなくても、フレーズごとに頭に記憶させて、それを思い出しながら書き出させる練習を先生と考えた。
一番楽しそうに取り組んでいたのが、大好きな漫画のセリフを読んで覚え、紙に書き出してみることだった。これを1日3個書き出すのだ。
最初は一気に一文覚えられえないので、沢山区切りながら覚えては書いてを繰り返し、次第に一度に覚えられるフレーズが長くなっていった。
インプットしたことを書き出すことが随分早くなってきたので、次は自分の考えたことを早く文字におこす練習をした。
とにかく沢山書くことに慣れさせるため、毎日連絡帳を使って先生に3行日記を書いた。
自分が書きたいことを頭で整理しながら、同時に文字に書き出すことは、実はとても高度なことなのだ。
せっかく自分の頭の中に考えた文章も、文字に書きおこすスピードが遅いと、書きたいことが頭から飛んでいってしまう。
今まで自分が意識せず字を書いていた行為が、実はこれほどまでに息子にとってハイレベルなことだったとは…
一日に沢山の字を書くので、とても疲れるし、集中力も切れてくる。
時にはやりたくないという日ももちろんあったが、先生にもフォローしてもらいながらなんとか続けていた。
そうして3ヵ月程特訓を続けると、覚えられる文章が格段に長くなって、書くスピードはとてつもなく上がっていた。
そして、2年生の冬休みがあけた頃には、授業中のノートを書き写すことが授業中に終わるようになり、テストも時間内にすべて答えを記入することができるようになっていた。
次第に彼の中で、どの場面ではどの字を求められるのかがわかってきた様子であった。
◆授業中は自分にとって読みやすい字でメモを取ろう
◆漢字の練習の時は、書き順やとめ・はね・はらいを意識しながら漢字を覚えることに集中しよう
◆掲示物の時は人に読んでもらうから読みやすく丁寧に書こう
◆お友達に手紙を書く時は、丁寧に気持ちを込めて書こう
”字を書く”という、日頃あまり意識せず当たり前に行っている行為すら、彼にとっては常に全力で、時に自分の首を絞めてしまう行為であった。
最初にも書いたが、息子は不器用な子である。
何をするにも手の抜きどころがわからず、何事にも全力で挑む。
何か作業を始めるととことんこだわり、自分の理想通りになるまで時間を忘れて作業に没頭してしまう。
それに、約束事も絶対守る律儀なタイプで、言われたことを守ることに必死で、結果一つのことしかできなくなってしまう。
だが、そこが彼の魅力であり、誇るべきところでもある。
手を抜く時も、手の抜き方を練習しなければわからないクソ真面目な息子。
そんな小学3年生の息子には、これからまだまだ長い人生が待ち受けているわけだが、これからたくさんの経験を積んで、時間をかけて丁寧にやらなければならない部分と、少し手を抜いても大丈夫な部分を沢山経験し、”ちょうどいい”を少しずつ身に着けていってほしいと母は切に願っている。
何事も経験
たまには息抜きも大事だよ