「こんな店長は嫌だ!」④ 褒めない | 兼重日奈子の「幸せな売場のつくり方」

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ねぎらいカンパニー代表 ねぎらい学アカデミー主宰 兼重日奈子が、これまでの「ねぎらい伝導活動」を通じて得た気付きを、皆さんにお伝えしていきます。

ゴールデンウィーク集中連載

「こんな店長は嫌だ!」第四回目です。

 

研修などで、

 

「どんな店長(上司)の元で働きたいですか?」

 

と尋ねると、

 

筆頭で出てくる答えが、

「褒めてくれる店長(上司)!」

です。

逆を言えば、

「褒めてくれない店長(上司)は、

嫌だ!」

 

ってことですよね。

 

以前、ある店長がこう言ってました。

「私、滅多に褒めないです」

理由を尋ねたら、


「だって。。

褒めると、調子に乗りそうですもん」


えー??

えーーーっ??!!!

むしろ、調子に乗ってもらったほうが、よくないですか??

少なくとも、ネガティブモードで、

どよーんとしてるより、よほどいいと思うんですけど。。。


「調子に乗ると、
失敗するじゃないですかー

 

えー(涙)

 

なんとなく、、、


「失敗を恐れる上司像」と

「褒めベタな上司像」が、リンクします。


「失敗を恐れ、
褒めるの苦手」


な方は、

視点が


「減点法」

なのかもしれません。

ミスをしたら、減点。

 

ノーミスで、当たり前。

だから、敢えて褒める必要はない。

 

一方、ほめ上手で、スタッフから好かれ

 

#慕われる店長 は、

「加点法」です。

できたら、褒める。

ノーミスでも褒める。

 

「今日は、やらかさなかったねぇー!」(笑)

 

と言って褒める。

一度スタッフの立場になってみましょう。

何かやらかしたら、叱られる。

 

何もやらかさなかったら、それは当たり前だと言われる。

何か成果を上げても、「調子に乗るから」という理由で、
褒められもしない(涙)。


結局、店長から何か言われる時っていうのは、

仕事の指示がある時と、

 

叱られる時だけ。




 

たのしくなさそーーーっ
 

スタッフはもちろん、

店長自身も。


では、「ほめ上手」な店長は、

どのようにしてスタッフの良いところを見つけ、

褒めているのでしょうか?


ほめ上手な店長は、もちろん、

「加点法」の視点を持っているわけですが、

その視点の基準が、

相手

です。

 

つまり、

 

相手ができた

相手が売った

相手が解決してくれた。

ことを、ただ、認め、褒める。

ところが、「褒めベタ」な店長は、

 

その基準が
「自分」だったり

「他者」だったりします。


(自分と比べて)「まだまだ」

(他人と比べて)「もっとできるでしょ」

(私は)「こんなことでは、褒められなかった」

(他人は)「この程度では、認められない」

だから、褒めない。
 

つまんねーーーっ

 


自分と比較するのではなく、

他人を基準するのでもなく、

あなたの大切なスタッフが、
成し遂げたことを、

もっと見てあげてほしいのです。


店長研修などで、

 

「スタッフの良いところを書いてみましょう」

とお願いすると、

「ええーーー?!(そんなのないですよー)」

とか言いながら、結構、書きだすと出てくるんですよね。

「笑顔がいい」

「いつも明るい」
「調子がいいと、接客が盛り上がる」

「整理整頓が得意」
「言われたことはちゃんとやる」
「仲間思い」

あるやないかーーーい!!!

「それ、スタッフに伝えてますか?」

と尋ねると、

「いやぁ、、なかなか。
だって、こんなの当たり前でしょ」

でたー。

誰と比べて「当り前」なんでしょう?

その子の「笑顔」が素晴らしかったら褒めればいいじゃないですか。

その子が「元気」だったら、
「今日も元気だね!」って言ってあげればいいじゃないですか。

接客が調子よかったら、
「調子いいね!次もその調子でいってみよう!」

と自信を持たせてあげればいい。

まさに、
どんどん、調子に乗ってもらえばいいじゃないですか。

 

もう一つ、大切なことを。

 

「脳は主語を理解しない」

と言われています。

例えば、

「すごいね!」
「いいね!」
「カッコいい!」
「さすが!」

って、他人に向けて、かけた褒め言葉であっても、
脳は、それが、誰に向けたものか、判別しません。

つまり、他人に向けた言葉であっても、

自分に向けられたものと勘違いし、吸収します。

逆がコワいです。

他人に対し、

「まだまだ」
「とても褒められたもんじゃない」
「もっとちゃんとやってもらわないと」

と思ったり、言葉にしていると、
そっくりそのまま、自分に向けられていると勘違いし、

脳にインプットされてしまいます。

他人に対し、「まだまだ」と思っている店長は、
知らず知らずに、自分に対しても、そう感じてしまう状況を
つくってしまっているのかもしれません。

 


スタッフから好かれ、慕われる店長は、
良い言葉を使います。

褒め言葉はもちろん、
人のモチベーションを下げるような言葉は決して使いません。

 

その方が、

自分の脳や心が喜び、

楽しく働けることを

知っているからです。

 

 



スタッフの良いところを素直に言葉にでき、

スタッフも自分自身も楽しい気分で働ける店長さんと
 

「まだまだ」
「褒めたら調子に乗る」
「褒めたら負け」(は?)

と、他人にも、自分にも厳しく「減点」してしまう店長さんと

どっちの店長になりたいですか?


さぁ、いよいよ、今日からゴールデンウィークも後半戦。

連休中、出勤してきてくれるスタッフを

ぜひ、たくさん、褒めてあげてくださいね!

 

 

 

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