どうもネギです。

めちゃくちゃ久しぶりにこちらのブログにやってきました。

ログインしなさすぎてパスワードを忘れました。

 

 

前回の更新が2018年2月らしいので、一年半以上経過していますが、お察しの通りほぼ全く読書してません。予想はしてたけど。

一応、遥か昔に夢野久作の「瓶詰地獄」は読みました(というか短編小説で15分くらいで読めるので今読み返しました)。

 

 

https://www.aozora.gr.jp/cards/000096/files/2381_13352.html

↑ここから全部読めます。

 

 

 

(以下ネタバレ)

簡単に言うと、お互いを異性として意識するようになってしまった実の兄妹が、罪悪感に苛まれて最終的に心中してしまう、というものです。

妹が一人の女性として美しくなっていくこと、お兄さんの苦悩、何をやってもこの苦悩から抜け出せないまさに「瓶詰の地獄」とか、その辺の心理描写が美しかったです。もう少し具体的に言うと、小説の「…」の使い方が凄く好きでした。

「神様、神様。あなたはなぜ私たち二人を、一思いに屠殺(ころ)して下さらないのですか…………。」

とか。

あとは時系列を現在→過去と逆から描写していくのも面白かったです。

 

 

これは個人的な偏見ですが、兄と妹のお話、時系列を逆にすること、文章量の少なさが相まってすげぇラノベみたいだなと思いました。100年くらい前の作品なんだぜ、これ。

 

 

 

 

 

もう一つ、昨日読み終わった本があるのでそちらも。

江國香織さんの「泳ぐのに、安全でも適切でもありません。」という本です。

短編集で、一冊の本に10個の物語が収録されています。全部違う人物のお話で、関連性があったりはしません(多分)。

 

 

https://www.amazon.co.jp/泳ぐのに、安全でも適切でもありません-集英社文庫-江國-香織/dp/4087477851

↑アマゾンのリンク。余談ですが私の持っている本とアマゾンの本とで表紙が違います。

 

 

疲れるからあんまり長い小説は読みたくねぇ、でもこのブログをいい加減更新したいからなんか本読みたい、という状況で目に入った本でした。

 

 

全部短編ということもあり、あまりハッキリとした起承転結はなかったように思いました。主人公の今の生活(ほぼ恋愛ものだったので不倫とか別れとか)を書いて、特に状況が進展するわけもなく、「またこうやって明日も過ごしていくんだな」という雰囲気で終わる。

私は起承転結がハッキリしているお話の方が好きなので、この本はあまり個人的な好みではありませんでしたが、登場人物が今後どういう人生を送るのかを想像する楽しみがあるのかな、と思いました。

 

 

最後の作者様のあとがきが一番印象に残っています。

 

 

P204〜P205

短編小説を書きたい、と思い立ちました。いろんな生活、いろんな人生、いろんな人々。とりどりで、不可解で。

愛にだけは躊躇わない−あるいは躊躇わなかった−女たちの物語になりました。

人生は勿論泳ぐのに安全でも適切でもないわけですが、彼女たちが蜜のような一瞬をたしかに生きたということを、それは他の誰の人生にも起こらなかったことだということを、そのことの強烈さと、それからも続いていく生活の果てしなさと共に、小説のうしろにひそませることができていたら嬉しいです。

 

 

今回の本で言うと、主人公の中には不倫をしている人がいますが、私からすると不倫なんて良くないことでしょという感じです。でもそれは「その人の人生だからこそ起こったこと(誰の人生にも起こらなかったこと)」で、それを私がとやかく言う権利は無いし(自分の人生では起こらないことだからとやかく言いようがない気もするし)、どんなことにも終わりは必ずやってきて、終わってしまえばもう当人にすら戻ってこないわけで(それからも続いていく生活の果てしなさ)、(悪行を助長するわけではないですが)物事は単純に良い悪いだけでバッサリ切れないなぁという奥深さと、物事にはいつか必ず終わりがくることの切なさを、この文章から感じ取れてとても好きでした。

 

 

 

以上、はちゃめちゃに久しぶりの更新でした。

それでは、次の記事でお会いしましょう。