魁皇!
12年前…、1995年の春のこと…。
自分の書いた演劇脚本『歯のない猿』の中で、当時大相撲で番付が上がり始めた若手力士「魁皇」を取り上げた。
この脚本の中で、当時起こっている出来事から、翌年のこと、数年後のことを予想したシーンがあるのだが、そうした予想の一つで相撲ファンの若い女の子が「魁皇」の活躍を予言するセリフをたくさん入れたのだ。
当時「魁皇」はまだ入幕間もない頃で、自分も「魁皇」にするか、「出島」にするか、「土佐の海」にするか悩んで、セリフとして叫んだ時に一番響きがよかったので「魁皇」に決めたような思い出がある。
で、その「魁皇」…。
その後、見事に大関まで昇進して、幕内優勝も5回という名力士になった。
土俵人生20年…。
当時の若手有望株も、もう35歳だそうだ。
今場所は、怪我を抱えながら必死の相撲で勝ち越しまであと1番…。
負け越したら引退だろうし、勝ち越しても地元場所の今場所で引退…とも言われている。
相撲のニュース映像を見たら、髪の毛も随分薄めになっている…。
時の流れを感じる…。
どっちにしても、今場所勝ち越して欲しい…。
あの時、題材に「魁皇」を選んで正解だった。