六本木「比呂」

何年ぶりの訪問だろう。名前を聞いても思い出せず、店内に入ってから１０年以上前の記憶がよみがえってきた。学生時代から新入社員のころに、よくこの店にはガーリックライスでスタミナを付けに、主に２次会の会場としてしばしば通っていた。ここでガーリックライスをしこたま食べたあとは、家族からニンニク臭いといやがられたものだった。
今日は、会社の先輩の送迎会であったが、懐かしいガーリックライスはメニューに含まれており、懐かしい味が健在であることが確かめられた。この移り変わりの激しい六本木界隈で、一見なんの変哲もない居酒屋が営業を続けていくのは大変だったと思うが、しっかりと生き残っているのは、このガーリックライスの味を、そしてみんながほっとする店の雰囲気を頑に守っているからだろう。
未だに昭和の雰囲気を強く残している店内は、できればいつまでもこのままでいてほしい。懐かしいあの頃の思い出を振り返りたいときに訪れたい店である。