2013/12/30(月) 天候:快晴
コース:樽峠登山口-樽峠-高ドッキョウ-樽峠-平治の段-貫ヶ岳-樽峠-樽峠登山口
7:55出発、15:20帰着 7時間25分
予定より一日早く全ての年末任務を終了させた今日、いよいよ今年の山納めとなりました。天気予報に疑わしさはなく、今年を締めくくるには絶好の山日和となりました。しかしながら、今年最後の山行に気合が入り過ぎ、目指す山を直前まで決めることができず四苦八苦です。結果、登山口までの移動時間が短い“高ドッキョウ”と“貫ヶ岳”の二山と決め、少し遅めの自宅出発です。そして有料道路を使うことなく富士市を抜けて県境を跨いだ山梨県南部町の樽峠登山口を目指します。事前に承知はしていましたが、中部縦断自動車道の工事に使用されている登山口までの林道の荒れ様は凄まじく、年末年始の休工期間とはいえ洗車を済ませたばかりの愛車が真っ白な砂埃に覆われて、貸切りの登山口前の駐車場に到着です。
年末年始になると、何故か富士山の眺望にこだわってしまうから不思議なものです。御坂の山々から眺める、目前の富士山にも魅力はありますが、あまり熱心ではない山梨百名山ハンター?としては、時には未踏の山々の消込も必要です。しかし未踏の山々云々はともかく、これから目指す二山とそれらを繋いだ稜線から眺める富士山の美しさには定評があります。そして頭上に広がる抜群の青空にもその期待を膨らまされて、まずは稜線に出合う樽峠を目指し約30分の急登です。
今日の行程はT字のピストンとなり、樽峠を起点とし目指す二山をそれぞれ往復することとなります。標高は“高ドッキョウ”が“貫ヶ岳”よりも230m程高く、山頂からの眺望にも評価が勝ります。しかしながら“貫ヶ岳”へ繋がる稜線上には三か所の眺望スポットがあり、そこから眺める富士山も捨てがたい。そんな次第で、樽峠からまずはどちらに進むかを苦慮しましたが、最終的にはセオリーに従い高い山“高ドッキョウ”へ向かいます。
幾つかの小ピークを越えて到着した“高ドッキョウ”からの眺望は素晴らしく、雲一つない青空の下で薄く雪化粧した頂きの奥にある雄大な富士山に感動です。これ程に快晴の今日でも、貸切りの山頂はマイナーな山々故のことでしょう。騒がしい団体ハイカー等に占拠されていない静かな山頂、そして暖かな日差しと穏やかな風に感謝するばかりです。しかし、それ程に快適な山頂にも30分程しか滞在することができません。残念ですが先を急ぐ今日の行程、まずは樽峠へ向けて引き返します。
樽峠までは緩やかな下りの気楽な行程でしたが、そこを越え“平治の段”へ繋がる急斜面には階段が続き足腰に負担が掛ります。前半のハイペースのリバウンドがそろそろ現れ始めた予感ですが、ここまで来てしまえば“貫ヶ岳”まで行き切ってしまうほかありません。そして“平治の段”“十国展望台”“晴海展望台”で富士山と愛鷹山塊そして駿河湾の青空を背景とした最高の眺望を楽しみ通過し“貫ヶ岳”に登頂です。山頂からの眺めは葉を落とした木々の隙間から富士山が辛うじて望める程度で、通過してきた展望台からのそれと比較すると寂しいばかりです。そんな山頂ですから、山梨百名山の標柱にタッチでピークハント終了“晴海展望台”でゆっくりと休憩を取ることとして、直ぐに引き返しの行程です。
“晴海展望台”ではベンチに腰を下しゆっくりと景色を楽しみます。そろそろ14:00になろうとする時刻、空には薄い雲が目立ってきましたが、朝から続く穏やかな天気に変化はありません。ここまで出合ったハイカーは二組三名、静かな山に優しい風、葉を落としきってしまった木々に囲まれた稜線上の明るい登山道は、和やかさを与えてくれます。いつまでの浸っていたい心地よい冬の穏やかさですが、残念ながらこちらでも30分程で腰を上げ、下山の途へと舵を切らねばなりません。日の短いこの季節、のんびりしていると直ぐに日没となってしまします。そして“平治の段”には寄り道せずに来た道を引き返し、樽峠を下り今日も無事に駐車場に下山です。
少々タイトであった行程を除けば、不満な点など一切ない充実した今日の山行でした。何座目になるのかは数えていませんが、過去一番の登頂数を誇ることであろう今年一年を締め括るには丁度良いものとなりました。四季を通じて最も私が好むこの季節、サクサクと落葉を踏みしめ進む明るい稜線、心を洗濯するには最適な環境です。来年も早々より冬の稜線と富士山を楽しみに何処かへ向かうことでしょう。安全登山であった今年一年を山の神様に感謝し、来年もまた謙虚に山と向き合っていくこととしましょう。