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2013/12/01(日)   天候:快晴

コース:奥山温泉登山口-明源ノ滝-渡り場ノ頭-篠井山-北峰-渡り場ノ頭-明源ノ滝-奥山温泉登山口
6:55出発、11:05帰着 4時間10分

 土曜日の山行が三週続いたため、今週末は山を目指さず自宅でのんびり過ごす休日を予定しておりました。しかしながら金曜夜の深酒明けで朝寝を楽しんだ土曜日の午前九時過ぎ、自宅から愛鷹山を眺めてしまったことが後悔の始まりです。雲ひとつない青空の下、澄み渡った空気の向うに、木々が一本一本明確に見えるかと思える程の鮮やかな山容が窺えます。そして天気予報で晴れマークが並んでいることを確認し、翌日の山行決定です。
 毎回そうなのですが、急遽決まった山行は行先の選考に苦慮します。はやり行先は数日前には決まっていて、それに向かって気分を盛り上げていくに限ります。しかしながら今回は早急に行先を決める必要がある為、ネット上の情報を頼りに候補として温めていた山、両神山、三方分山、篠井山からの選択です。先週、先々週と続いたロングドライブだけは避けたく、両神山はパス。富士山の大パノラマに魅かれる三方分山ですが、それは年末年始のお楽しみ。消去法の結果か否か、微妙な決定劇となりましたが、山梨百名山も時には消し込む必要あり、山梨県南部町にある篠井山に決定です。
 思親山、貫ヶ岳、高ドッキョウ等々、山梨百名山も多い静岡山梨県境のこの山域には、秀峰が多く集まります。しかし私にとっては意外と縁が薄く、安倍川にそって北上することは何度も経験済みですが、富士川に沿って国道52号を北上することは今回が初めてとなりました。ですが目指す山は近いに越したことはありません。片道一時間半程で到着できる距離感は魅力で、この冬に何度も訪ねてしまいそうな予感です。
 近いことは良いことです。自宅を5:00の出発で、途中ゆっくりと朝食を済ませても、7:00前には山行を開始できるのですから有難い限りです。駐車場で挨拶を交わした唯一の先客ハイカーは未だ朝食中のため、今日の一番乗りで沢のせせらぎと共に急登の登山道を進みます。登山口から山頂までの標高差は約700m、結果的には約一時間半で登頂してしまいましたがコースタイムは約二時間、必然的に急登となる訳です。登山口を越えてすぐに“不撓不屈の滝”そして数十分歩き“明源ノ滝”そしてまた数十分歩きピストンで出向く行程約半分の所で“渡り場ノ頭”に到着し、往路での“せせらぎ”タイムは終了です。そしてここからはツヅラ折りの急登で、ただひたすらに山頂を目指すばかりです。
 急登を快調に進み高度を上げたことと、時間の経過故に変化した日差しの角度の影響でしょう、進行方向が明るくなるとそこは稜線で、そしてすぐに山頂となります。360度の大パノラマとまではいきませんが、富士山、愛鷹山塊、富士川、駿河湾がはっきりと窺える眺めは素晴らしく、最高の青空の下で抜群に映える初冬の風景です。眼下に点在する最近刈り払わられたばかりだと思える、まだ瑞々しさの残る木々の切り株から今日の富士山側の開けた眺望を察すると、そのタイミングの良さに感謝するばかりです。そして背後に林立する木々の合間からは雪化粧した白峰三山、そして谷を挟んで対面に窺える十枚山とその稜線、こちらの眺めもまずまずで同じく美しい初冬の風景です。
 日に照らされた明るくそして静かな山頂で一時間半程眺望を楽しみ、ここから往路を引き返す下山の途となるのですが、この山にある“北峰”と呼ばれるもう一方の頂に寄り道です。数分歩き到着した北峰には眺望がなく、倉庫と思われてもおかしくない様な祠が三棟祭られているだけなので、長居することなくそこを通過し下山路を進むばかりとなります。数分歩いただけで往路と合流してしまう束の間の周回ルートが終わると、あとは来た道を引き返すばかりのいつもと同じ急ぎ足の復路です。往路とはまた違った様相を見せる日差しを浴びた滝の眺めを楽しみ、そして約一時間かけて今日も無事の下山で登山口前の駐車場に帰着です。
 今回もまた最高の青空に恵まれた気分の良い山行となりました。山中での滞在時間が約四時間と短いものとなりましたが、時にはこのような山行も必要でしょう。体力的には少々物足りなさを覚えましたが、それでもなかなかに趣のある良い山です。時間に余裕の午前の下山、ゆっくりと奥山温泉に浸ってからの帰宅でも、まだまだ休日を楽しめる充実の午後となりました。