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2013/11/23(土)   天候:快晴

コース:長者の森-鉄塔-見晴台-前衛峰-御座山-前衛峰-見晴台-鉄塔-長者の森
7:05出発、13:10帰着 6時間05分

 今週末も高気圧に覆われた秋晴れの予報で、絶好の山日和になることは間違いありません。平日の天気に気を留めることなど殆どない私ですが、山好きの皆様と同様に週末の天気予報には敏感です。一泊二日で山へ出向くにも適した空模様のようですが、ここは無理をせず日帰りとし、行き先は以前から決めていた中央道から見た八ヶ岳の裏側、日本二百名山にも数えられた長野県南佐久の秀峰、御座山(おぐらさん)です。
 先週の浅間山と同方向で、中央道を長坂ICで降り清里を抜け野辺山付近までは同じルートを辿ります。こちらも先週と同様に長々とした道のりの為、退屈でストレスが溜まる早朝ドライブです。しかし運転時間の30分程の短さと、二週続きでの慣れでしょうか、先週と比べ幾分そのストレスが軽減されて、登山口となる“長者の森”に到着です。
 キャンプ場として立派に整備された“長者の森”は冬季閉鎖中で管理棟のトイレも施錠された状態です。しかし舗装された駐車場は登山者用に解放されていて、幾つかあるこの御座山の登山口の中で最も恵まれた環境ではないことでしょうか。そして吐く息が白くなる程の寒さの中、準備運動を済ませゆっくりと歩きだし7:05の山行開始です。
 まずは未舗装の林道を進んでいきます。この林道を車で乗り入れ、より歩く距離を短くしようとするハイカーもいるようですが、そもそも片道3時間程の歩行時間を尚も短縮する必要があるのでしょうか?私には理解できない所業です。そしてその林道は登山道へと繋がり、そしてツヅラ折りの急登へと尚も変化していきます。その行程は木々に囲まれ、薄暗く寒々しいものでしたが、出発してから一時間程歩き高度を約400m上げた辺りからはその雰囲気が一転します。秋が過ぎ葉を全て落としてしまった木々の隙間からの日差しが眩しくなり、頭上に雲ひとつない青空が広がる明るい登山道となります。そして落葉の絨毯の上をサクサクと進み紅白に塗られた巨大な鉄塔に出合います。
 山の中で鉄塔に出くわすことは何度もありますが、この鉄塔はとにかく大きい!相当な存在感でまさに要塞です。休憩をとることに適した場所の様子ですが、臆病者の私はその鉄塔にどうしても馴染むことが出来ず、逃げるようにそこを通過します。そして少し進むと白岩登山口との合流点となり、視界の広がる尾根歩きとなります。そこから山頂までは、見晴台、前衛峰と通過していく中で、時折右側の視界が開け、澄み切った朝の大気を通して、雪化粧した浅間山、真白く連なった北アルプスの美しい山並みが見て取れます。そして辺りの木々に付着した霧氷が、風に煽られパラパラと音を立てて頭上より降り注ぐなか、前衛峰からの登り返しを終え避難小屋が目に入ると、そこはすぐに山頂です。
 切れ落ちた岩稜の山頂に立つためには、滑落と隣り合わせの緊張感が必要になりますが、この山頂はそんな緊張感を忘れさせてしまう程の、とにかく素晴らしい眺望を提供してくれます。南北のアルプス、八ヶ岳、浅間山、奥秩父の山々、360度の大パノラマの絶景で、それはまさに圧巻です。乾燥注意報が発せられているだけのことはある、湿度の低さ故の空気の澄み具合はこの時期の特典です。やはり眺望目的ならば冬の山行が一番です。そして一時間と少し山頂に滞在し素晴らしい眺めを楽しみ、往路を引き返す下山の途へと方向転換です。
 久しぶりの完全ピストンとなった今回の下山路でしたが、日の差す角度や、霞がかってきた遠くの景色など、朝のそれと異なるものを楽しみながら、ゆっくりと進んでいく落ち着いた行程となりました。行き交うハイカーも数名だけの、静かな初冬の山にも趣を感じる、恵まれた今日の山行です。タイミングが良かっただけなのでしょうが体調も良く、疲労をあまり感じることもなく、そして無事の下山となりました。時刻は13:10、軽めの山ならば「もう一本どう?」なんて軽口を叩ける程の気分と体調の良さで“長者の森”に帰着です。朝から変わらぬ青空の下、爽やかな秋の好日に感謝するばかりです。


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