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2013/09/28(土)   天候:快晴

コース:八方池山荘-八方池-丸山ケルン-唐松岳頂上山荘-唐松岳-唐松岳頂上山荘-牛首-大黒岳-五竜山荘
8:20出発、15:05到着 6時間45分

 天気予報を見ていると、日本列島全域が高気圧に覆われることであろうこの週末、このタイミングで山へ出向かなければ後悔することは必至です。木々が紅や黄に染まり始めたアルプスに向かう秋晴れの週末は、真夏のピーク時程では無いにせよ、多くのハイカーが訪れ混雑が予想されます。山小屋での雑魚寝状態だけは回避したく、マイナーな山々の選定作業を始めましたが、空木岳の木曽殿山荘は予約が取れず、野口五郎岳の野口五郎小屋はすでに営業を終了しています。それではと、今季の計画に挙げていた最後の一つ五竜岳へと行先を絞り、当然混雑することであろう小屋泊に覚悟を決めて、八方尾根から唐松岳に寄り五竜岳を目指す秋の山行です。
 後立山連峰を目指す場合に、長野自動車道の安曇野ICから登山口までの遠さに、どうしても抵抗を感じてしまいます。 そんな次第ですから、車中前泊でのアプローチも考えていましたが、八方尾根スキー場からの始発ゴンドラが7:30ならば、その必要もなしと判断し早朝3:30の自宅出発です。昨年6月に残雪の唐松岳を日帰りで訪れているため、今回は気持ちに余裕の早朝ドライブです。そして始発ゴンドラが動き出す直前にゴンドラ下の有料駐車場に到着し、さして混んでもいないゴンドラに乗り込み、そしてリフトを2本乗り継いで出発点となる八方池山荘に到着です。
 今回の最終目的は五竜岳登頂ですが、残雪期と異なった秋の八方尾根や唐松岳などを楽しむことも目的の一つです。天気予報通りで真っ青な空の下で、それらの目的を達成させて貰える環境は十分過ぎる程整っています。そしてそんな青空下を歩きだし、右手に白馬三山、左手に五竜岳、鹿島槍ヶ岳を眺めながら、今宵宿泊予定の“唐松岳頂上山荘”を目指し、時間にゆとりの気ままな行程です。
 十分過ぎる程の眺望、ほぼ無風の稜線歩き、八方池に倒影する白馬三山、そして五竜岳の雄大さ。その全てが素晴らし過ぎて、不満に思うことなど一切ない最高のロケーションのなか歩を進め、あっと言う間に“唐松岳頂上山荘”に到着です。そしてそこから思案が始まります。時刻は正午にすらまだ遠く、小屋の受付も始まっていません。ここから唐松岳をゆっくりと往復し、山頂で眺望を楽しんでも時間に余裕が有り過ぎます。唐松岳を正面に見た私の背後には、明日に目指す予定であった五竜岳が、美しい連なる稜線の奥に大きく聳えています。そして導かれるように「行くしかないな!」と結論を出し、今宵の宿を“五竜山荘”に変更です。そして唐松岳に登頂し、立山、剱岳などを加えた素晴らし過ぎる眺望を楽しむ、至福の一時を過ごします。そして稜線に一度戻り昼食を済ませ、“五竜山荘”へ向けて、初めて足を踏み入れる後立山連峰の稜線へと舵を切って進みます。
 目指す“五竜山荘”までは地図上で2時間半の行程です。コースタイム程度で進むことを目標にまずは“牛首”と呼ばれる鎖に補助された岩場の急傾斜を慎重に下っていきます。下れば下る程に、後々訪れる登り返しを想像し憂鬱な気分になりますが、その辺りは何度経験しても慣れることはありません。人間、はやり辛いことは極力遠慮したいものなのでしょう。そして最低鞍部まで下り終え、どんどんと大きくなってくる五竜岳を目前に捉え、牛歩で登り返しを切り抜け、無事に今宵の宿へと辿り着きました。八方池を過ぎたあたりからここまでの道中、ご一緒して頂いたH女史と「お疲れ様でした!」と声を掛けあい、初日の行程終了です。Hさん、本当にありがとうございました。
 今宵の宿は中レベル程の混雑でしょうか、紅葉期の北アルプスで快晴の土曜日、当然と云えば当然です。三組の敷布団を四人で使用する寝床ならば、良とするしかありません。遅れた到着故に18:20と指定された遅めの夕食まで、同部屋の皆さんとビールと山談義を楽しみ、いつもと同じ山小屋の夜を過ごします。狭い寝床と消灯時刻の遅さ(21:00)、そして人員過剰による室内の暑さも加わり、なかなか寝付けぬ辛い夜を過ごしましたが、これも経験値でしょうから、一度通過しておくべきなのでしょう。翌朝の星空とご来光を楽しみに、大満足の今日の山行に感慨深く、何となく朝を迎えた土曜日の小屋泊まりとなりました。


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