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2013/09/08(日)   天候:雨のち曇り

コース:赤石小屋-小広場-樺段-椹島
6:05出発、9:10帰着 3時間05分

 赤石小屋での夜はとても静かなで、雨音を遠くに聞きながら、落ち着いた睡眠をとることができました。4:30には起床し5:00の朝食までゆっくりと過ごします。赤石小屋から椹島までは地図上では3時間半、小屋番氏によれば10:30の椹島からのバスには時間的余裕は十分とのこと、雨中の下山路に急ぎ出立する必要はありません。ゆっくりと朝食を楽しみ、そして身支度を整え、余裕をもって6:05に小屋を後にします。シトシトとした雨が降ってはいますが、風は穏やかで寒さを感じることはありません。椹島まで下ってしまえば、後は帰路に付くだけ、レインコートは上半身だけにして、レインスパッツを着けて淡々と下る、この山行最後の行程です。
 足を止めて見入ってしまう程の場所や眺望が殆んどない、退屈な下山路をのんびりと進み、ただただ椹島を目指すばかりの行程です。そして雨が上がり、時折晴れ間が覗きだした空の下、赤石小屋から3時間と少し歩き無事に椹島に帰着です。そして10:30のバスまで、椹島ロッジの休憩所で靴の泥を落とし、雨具を収納し、帰り支度は万端です。2泊ともに同宿だった方々と、あれこれと山談義で時間を費やし、そしてバスに乗り込み、駐車場に戻ってきました。ここからは帰宅の途、完全に現の世界へのモード切換が必要な時が訪れてしまいました。
 正直なところ、天候に恵まれなかった今回の山行には心残りが多くあります。何れまた訪れなければならなくなってしまった山々ですが、その時はいつ訪れるのでしょうか。意外と早いのかもしれませんが、2泊での貴重な自由時間を得ることに、些かの抵抗が生じることも事実です。まあ、のんびりと構えることとしましょう。体調さえ整えておけば基本的には山は逃げないのですから。
 最後になりますが、今回の山行は蠹豎ぅ侫レストの、この山々の理に叶った管理手法に、ただただ感心するばかりでした。普通に考えれば国有林であって当然の南アルプス奥地の広大な山域を、民間で所有することが出来ている今日、明治や戦後といった動乱期に多様な政治力を駆使してきたことは容易に理解できます。それ故の独占管理の山域ですが、チープな山行を目的とするハイカーらは、小屋泊まりでないと送迎バスに乗車させてもらえない現実を、自己都合だけで中傷します。しかし送迎バスのキャパには限界があります。同様に山小屋のキャパにも限界があります。観光収入欲しさに繁忙期、無節操にバスやタクシーを走らせまくる、そんな富士山や芦安からの南アルプスの山々と、この山域が同様であってはならないのです。それが結果、自然を守り、遭難事故等を少なくしていく方法となるのでしょうから。この山域は、何人をバスで運び、入山者が何人で、何処へ向かい、そしてどこに泊まるのか。それらが概ね蠹豎ぅ侫レストのよって把握されています。それ程に安心の出来る山域なのですから、入山者がある程度の経済的負担を負うことは当然なのです。
 お金の使い方とは、その価値に適した金額を理解することです。ゴミは持ち帰る、野草を摘まない、そんなマナーは当たり前のこと。「負担無くして安心なし」忘れている人達が多過ぎやしませんか?山遊びとはお金のかかる道楽なのですよ。