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2013/08/18(日)   天候:晴れ時々雲り

コース:美濃戸口-御小屋山-不動清水分岐-阿弥陀岳-行者小屋-美濃戸-美濃戸口
5:50出発、14:30帰着 8時間40分

 辛うじて作り出すことのできた自由な一日は夏期休暇の最終日、一人身の気楽さが羨ましく感じてしまう所などは、家族を持つ者が過ごす夏休みの悲哀でしょうか。
 八月の山行は許されるものならば一泊で野口五郎岳を考えていましたが、この際贅沢は云っていられません。日帰り山行を満喫するために選んだ行き先は八ヶ岳で未踏の阿弥陀岳、美濃戸口より御小屋尾根を抜けて登頂し行者小屋から南沢を下る周回ルートで5:50に八ヶ岳山荘を出発です。
 どうしても美濃戸までの悪路を車で走ることが好きにはなれません。そろそろそれを避けて通られない日が訪れる予感はありますが、ついつい美濃戸口の八ヶ岳山荘に駐車することを選択してしまいます。その点では阿弥陀岳は好都合で、別荘地内の舗装路を八ヶ岳山荘から30分程歩き、そしてその突き当りから登山道に変化する途を進みます。どうしてこうも人気のないルートばかりを選んでしまうものかと、自分で感心してしまう程に誰とも行き交うことのない自然林の中の登山道を進み、舟山十字路への分岐となる御小屋山を目指します。その踏み固められた一本道を黙々と進み、御小屋山を抜けて御小屋尾根を歩き続けます。
 二時間と少々歩き不動清水への分岐を過ぎると急登の始まりです。しかしながら高度を一気に上げていくこの行程では辺りの木々の背丈も低くなり、ここまで歩いてきた御小屋山とそこから続く御小屋尾根が背後に雄大な眺めを作ってくれます。そして左手には権現岳、編笠山、そして西岳、八ヶ岳南端の山々が素敵に連なっています。当然ながら右手には横岳から硫黄岳へ通じる八ヶ岳の主たる稜線。とにかく素晴らしい眺めです。数年前に八ヶ岳のPR誌に載っていた「八ヶ岳ホームグランド化計画」、この言葉に誘われてこの八ヶ岳に通い詰めた頃を懐かしく感じてしまいます。里山での山歩きの初歩を教えくれたのが地元愛鷹山塊ならば、高山への手解きをしてくれたのはこの八ヶ岳に他なりません。南北のアルプスも素晴らしいですが、やはりこの八ヶ岳が私には一番フィットした山域なのかもしれません。
 山頂までもう少しのところで、何処からともなく湧き始めた霧に眺望を邪魔され始めた中、出発から約四時間をかけて阿弥陀岳へ登頂です。結局ここまでの道中、すれ違った下山者は一名、先行者を追い抜くこともなく、後行者に追い越されることもない静かな行程となりました。山頂から、霧の切れ目に眺めることの出来る赤岳展望荘から赤岳山頂への稜線上に、点々と連なる多数のハイカーが作る緩めの歩行者渋滞を見てしまうと、御小屋尾根の静かさが嘘のように思えてしまいます。そして数名のハイカーしか居ないこの静かな阿弥陀岳山頂でゆっくりとランチ休憩となりました。
 元々の計画通りで、今回は中岳と赤岳に寄る予定はありません。時間に余裕の山頂では霧の流れの合間に現われる八ヶ岳の山々の眺めを一時間程楽しみ、そして中岳と赤岳を正面に据えて下山の途となります。森林限界を超えたピーク下の足場の悪い急傾斜を慎重に下り、鞍部に出合いそこから行者小屋へ向けて更に進みます。途中途中での眺望ポイントもゆっくりと楽しみ、見上げれば霧が完全に消え失せた山々を背景に、そのすそ野に建てられた行者小屋に到着です。あと一時間程山頂での滞在時間を延ばせていれば、もっと素晴らしい眺望を得られたのでしょうが、これも巡り合わせです。前回の常念岳撤退に続き、少しばかり運気に見放されてしまったのかな・・・。
 行者小屋で小休止の後、毎度の下山の急ぎ足で南沢を下り美濃戸を過ぎて、今日も無事に美濃戸口に帰り着きました。はやり日帰り八ヶ岳は疲れます。荷物の軽さには救われる日帰り山行ですが、宿泊のそれと比較すると歩行時間、距離ともにトレーニング不足の我が身には堪えるばかりです。しかし嘆いてばかりではダメでしょう。痛めた足も完治の様子、猛暑も一段落を迎えるこれからの晩夏、そろそろ秋の山行に向けたトレーニングの開始でしょうか。そしてまずは久しぶりに硫黄岳?どうしましょう。また八ヶ岳にハマってしまうかもしれません。