令和5年6月13日

警察は、行政解剖について何がなんでも承諾を得に行きますと。
知り合いの医師、何人かに相方が聞きに回ってくれた。どの医師も口を揃えて、今までの経緯を聞く限り解剖しても、何も分からなかったと言われる可能性が高い。AI(CT)で異常がなかった場合、解剖しても分からない可能性が高いと。また、行政解剖は断る事ができるため、私が嫌なら断るべきだという意見が多かった。
長男の為に夜間救急に呼ばれた循環器科内科の友人医師にも相談したが、心臓が心室細動であったが、アドレナリンや電気ショックを行っても、長男の心臓は反応しなかったと。少しでも動いてくれたら、直ぐにエクモに繋ぐ予定だったがと…解剖についても、おそらく分からない可能性が高いと助言を頂いた。

でも、警察は断っても断っても、承諾を得に伺います。とばかり。
最終的には警察署全精力でお願いをしに行きますと…

気づくと夕方まで、家族と警察との話し合いとなっていた。
その間、長男は警察署の寒い所で一人ぼっち…
警察は、承諾を得るまでかえすことはできないと。
長男は早く帰りたいと思っているだろうと、泣きながら悩んで悩んで、解剖を承諾しました。

翌日午後、行政解剖が行われました。
結果は、少し心臓肥大が見られましたが、それ以外の異常はなかったと。その他、脳内、他臓器も異常はなし。カフェイン中毒もなし。膠原病疾患もなし。

死因に繋がる原因は不明。
心臓に致死的な何かが起きたのは確かではあるが、構造は異常なく、電気信号の異常(不整脈など)出会った可能性があるが、解剖では分からない。

その為、最終死亡診断書には、急性循環不全となります。と言われました。

全然、納得いかないよ!とも思いましたが、早く長男を連れて帰りたくて、長男に合わせてくださいとだけお願いしました。

長男は、警察署の裏の倉庫みたいな場所に眠っていました。

白装束を着て、ただ眠っているようでした。
でも、頭は包帯でグルグル巻き、気に入っていたマッシュカットが…とても、ショックだった。

顔を触ると、とても冷たくて、現実なのか夢なのか分からなかった。

葬儀屋さんの迎えで、やっと自宅へ帰る事ができたのは、6月14日の夜8時。
自宅前では親戚一同総出でおで迎え。
葬儀屋さんの車からストレッチャーで、降りた時、私の兄が「ねが、笑ったじゃ」と。
長男の顔を見ると、警察署で見た表情ではなく、本当に微笑んだんです。

やっと帰ってこれたね。
痛い思いもいっぱいさせてしまって本当にごめんね。

そして、何より、助けてあげられなくてごめんなさい。