昨年、長男は高校三年生に進級したばかり。毎週のように部活や、親友くん達と遊びに出かけていた。

部活はバトミントン部マネージャー。
高校1年生の冬に、両膝靭帯を痛め、手術をしていたため、そこからはマネージャーに本人が希望してなっていた。
小さい頃から、運動嫌いだった。体力テストは最下位が多かった。

マネージャーになってからは、選手のサポートや後輩たちの練習の指導など、楽しいと言っていた。
なにより、友人達と一緒に同じ部活で過ごすことが、長男にとっては大事な事だった。

長男の携帯に、昨年の写真がアップされた。
部活終わりに、近くの公園でみんなで楽しそうに過ごしている写真。
桜が綺麗に咲いてて、花びらがフワフワと舞っていた。
亡くなる2ヶ月前。

今年も、今、桜が満開。
長男が、友人達とふざけ合って、ケラケラ笑いながら過ごしていた昨年。

桜を見ながら楽しそうな長男と友人達の笑顔の写真と、動画を見ているといろんな事を考える。

あの頃に戻りたい。
長男もそう思っているんじゃないかと、心が苦しい。

最近思うことがある。

タラレバばかりだけど、
今考えれば、運動嫌いじゃなくて、小さい頃から疲れやすかった。
疲れやすい原因には、個性や、いろいろな要因があるけど、今となっては、その頃から心臓に異常があったからではないかと思う。

高校1年生の時に、全身麻酔で両膝を手術した時、手術前検査で心電図検査は必須だった。異常に時間がかかった記憶がある。
長男は、検査技師さん失敗したとか言ってめっちゃ時間かかったんだけどって言ってた。
結局は何も言われず手術になったので、異常がなかったということか…。

小さい時に吃音症を発症。私が離婚してからだ。
相当なストレスがあったと思う。

食事は一気に食べれない子だった。必ず途中で大きなゲップをしないと胃がパンパンで入っていかないと言っていた。
これも、相当なストレスだったと思う。

長男は、炭酸飲料が好きだった。
高校生になってから、モンスターやデカビタCなどを気に入って飲んでいた。テスト前には必ず飲んでいた。
カフェイン中毒になるから、多く飲まないでよ!と注意していたが、疲れやすい体だったから好んで飲んでいたのかな…

亡くなった時、警察の方が、モンスターの空き缶の写真を撮っていた。
カフェイン中毒を疑ったと思った。
解剖の結果は、カフェイン中毒は否定された。(致死量は相当の量を摂取しないと致死量にはならないと解剖医が説明)

解剖の結果は、不明。
心臓が急に機能不全になり、全身への血液循環が止まってしまったと。

初めは、全然納得できなかった。

そのため、今次男が通っている小児心臓専門ドクターに聞いてみた。
(不整脈にはいろんな種類があり、遺伝性もある為、次男も検査するように言われ、現在通院中です)

心臓専門ドクターは、おそらく長男はブルガタ症候群という不整脈だったのではないかと。
なかなか気づかない心電図波形が特徴だと。
症状もいろいろとあると。助かるためには、電気ショックが必要だったと。(夜中発作が起きたとき、私は近くにいました。)
ドクターは、どうにもならなかったと…

でも、違うんです。
長男の身体の異変に気づく事はできたんです。

亡くなる1ヶ月前に、息苦しいと言って、病院へ祖母と行った。診断は、過換気症候群。帰宅してからは改善してマックを食べていた。(受験へのストレスかなと思っていた)
次の週も、早退して来て、祖母と耳鼻科へ行った。
耳の中を掃除してもらっている途中、初めて意識が遠のいて倒れそうになった。処置室で休んだら良くなったと帰宅して言ってきた。私は、迷走神経反射じゃない?と答えてた。
その数日後、長男が、「ねぇ~心臓ってズキズキする事ある?」って聞いていた。
長男は、今は痛くないと言った。それ、動悸じゃない?ママも心臓ドキドキして、口から出そうになる事あるよ。と答えた。
笑顔で安心していた。


全て間違っていた。
軽く考えていた。
神様は、何度も私に気づかせようとチャンスをくれていた。
元気な長男の様子と、症状がマッチしなかった。
でも、確実に、長男は異変を感じていた。

私の言葉を信じていた。

私は、あの笑顔を守らなくてはいけなかったのに。

長男の未来を奪ってしまったのは、私のせい。