私が小学生だった頃ランドセルといえば
女の子は赤が定番だった
女の子は赤が定番だった
そんな中彼女のランドセルは
優しいオレンジとピンクの中間色で
優しいオレンジとピンクの中間色で
私はいつも彼女のランドセル姿を
遠くから眩しく見ていた
遠くから眩しく見ていた
そして買ってもらった時は頬染めて大喜びした
自分の赤のランドセルが
自分の赤のランドセルが
とてもつまらない代物に思え
なんだか寂しい気持ちになるのだった
なんだか寂しい気持ちになるのだった
季節はいつだったのか記憶にないが
ある時彼女の誕生日会で
お家に招かれたことがあった
お家に招かれたことがあった
その内容や彼女の部屋の様子など
まるっきり覚えていないのだが
まるっきり覚えていないのだが
広い庭に沢山の薔薇の花が咲いていたことだけは
はっきりと記憶している
はっきりと記憶している
私は生まれて初めて
ふうつのお家の庭に薔薇が
沢山植わっているのを見たからだ
ふうつのお家の庭に薔薇が
沢山植わっているのを見たからだ
そしてその薔薇の形と色のみごとさは
子供ながら
沢山の愛情を注いで育てられたに違いないということが理解できた
沢山の愛情を注いで育てられたに違いないということが理解できた
そのなかでも印象的なある薔薇は
今でも心のアルバムに色鮮やかに焼きついている
今でも心のアルバムに色鮮やかに焼きついている
それは花びらの表がピンクで裏側がオレンジ色で
花びらの先端が綺麗にまるまった
少女漫画の背景に出てくるような
完璧な美しい形をしている薔薇だった
完璧な美しい形をしている薔薇だった
彼女もきっとこの薔薇のように
愛情いっぱいで育てられているんだなと
愛情いっぱいで育てられているんだなと
幼い私も自分と彼女の違いがなんであるか
おぼろげにわかったような気がした
おぼろげにわかったような気がした