FX(外国為替証拠金取引)投資の本来のデメリットとは?
整備される見込みのない店頭FXの税制
FX投資本来のデメリットは、税制にあります。
FXは店頭取引業者と呼ばれる、
私たちにとって馴染み深いFX業者以外に、
「くりっく365」「大証FX」という公設取引所に上場している、
取引所取引業者と呼ばれるFX業者があります。
この公設為替取引所とは、世界でも日本だけに存在するもので、
2005年に外国為替証拠金取引が
金融先物取引法の対象となったのをきっかけに
公的な取引上証拠金取引が誕生しました。
「くりっく365」はその愛称です。
大証FXは、大阪証券取引所が開設した
取引所証拠金取引で2009年に誕生しています。
くりっく365のFX業者は基本的に国に守られている
外為業者ですので、競争意識もあまりないためか、
店頭取引業者と比較してサービスの面、
取引コストの面で著しく見劣りします。
そのため本気でFXに取り組んでいる投資家なら、
取引所取引を利用する理由を見つけることが非常に困難です。
それほど市場競争力という点で劣勢の外為業者でも、
唯一のメリットがあります。
それが税制面でのメリットです。
取引所取引の税制面での優遇ポイントは、
1)申告分離課税で一律20%の税率が適用
2)損失繰越控除が3年間適用
3)証券先物と商品先物との損益通算が可能
となり、大証FXも同様です。
店頭取引FXは総合課税ですから、
最高50%の税率がかかってきますし、
損失の繰越控除もなければ、
他の先物取引との損益通算もありません。
同じFXで得た収益であるのにも拘わらず、
店頭取引と取引所取引でなぜここまで差を
つけなければいけないかは、少しでも思い巡らしてみれば
分かってくると思います。
このような極めて荒っぽい環境下で投資を
行わなければならないこと自体が、日本のFXの本来の
デメリットだと言えるのではないでしょうか。