北村大沢楽隊 / 疾風怒涛!!! | 日本のロック名盤カタログ CD Japan Japanese Music Real

北村大沢楽隊 / 疾風怒涛!!!

疾風怒涛

疾風怒涛
疾風怒涛 北村大沢楽隊

01.竹に雀
02.ドドレミⅠ
03.ワルツ
04.ソミド-徒競走リズム-
05.美しき天然Ⅰ
06.花笠音頭
07.シシラ
08.万朶の桜Ⅰ
09.敵は幾万-徒競走リズム-
10.ラファレミ-ワルツ-
11.斉太郎節
12.ラドレ-ワルツ-
13.君が代マーチ-徒競走リズム-
14.浪子と武男
15.鉄道唱歌
16.徒競走音頭-徒競走リズム-
17.ドドレミⅡ
18.万朶の桜Ⅱ
19.美しき天然Ⅱ-マーチ-
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コノオトコタチ、過激ニシテ愛嬌アリ。大衆音楽の真実ここにあり!最古かつ最強。
奇蹟の和魂洋才音楽隊、北村大沢楽隊、渾身の一撃!
題名の無い曲から、ルーツ・トラッド・テキトー風インプロヴィゼーションまで!
林幸治郎プロデュ-スのチンドン・アラモード・シリーズ第一弾!
ちんどん通信社がゲストで参加するも、まったくのマイペース、イイ意味で効いてないぞ!
2005年リリース

この間テレビを観るでもなく観ないでもなく流していたら、
出し抜けにジンタ(ヂンタ)の調べが耳に飛び込んできた。
自称無類のチンドン好きな自分としては、
そのルーツ・ミュージックでもあるジンタという存在はずーっと気になっていたので、
その時何かをしていた作業は当然一旦中断をし、てか本格的に止め、
しばらくの間メモを取りながら普段マジメに観る事の無いテレビに釘付け熱中時間となってしまった。

なんとジンタは生き残っていた

さてはてジンタを奏でていたバンドが活動する場所は、
宮城県石巻市の北村大沢地区にある人口260人ほどの小さな集落だという。
戦中から引き継ぐ現活動メンバーはお年寄りばかりの
ナチュラル・ノンアルコール・ヘロヘロ・リズムのぶっつけ本番五人組で、
大体60年以上を農業&ジンタでローリング・ストーンしているらしい。
時には運動会に呼ばれたり、町の演奏会を催したり、
この「演奏を頼まれれば断れない」という楽士魂スタンスとジンタを心から愛する気持ちの強さは、
ロックンロールにも通づる“何か”を感じるのは言うまでも無いだろう(多分、私の中だけだろうが)。

またその貴重なジンタの生き証人的存在価値は地域の人達ばかりでなく、
日本の音楽界にとっても見過ごしてはならない“楽”術的存在意義があるような気がしてならないのも
気のせいに変わらないうちに付け加えておこうじゃないか。

懐かしきヂンタは地平線の彼方に消えた。日本だけの持った音楽芸術の一分野として、この特殊な吹奏楽は追想に値する。大太鼓と小太鼓の煽り立てるリズム。クラリネットの血みどろな絶叫。コルネットの尖った哄笑。バリトンの飲んだくれた戯唄。しかもなお、ヂンタ諸士は冷静そのものの様に毅然たる微笑さえも浮かべて闊歩していくのだ。彼等は街のメフィストであった。音の魔術師であった。(堀内敬三)

このCDにおける二日間の現地録音は和やかなうちに終了した。
それから、一ヶ月も経たない2003年7月26日、同地区を含む宮城県北部は、
震度6の地震が一日に三回も発生するという大変な災害に見舞われた。
メンバーに怪我などは無かったようだが、町には住宅の全・半壊など大きな被害がもたらされた。
大沢楽隊は町の復興震災イベントなどに出演、力強い演奏で町の復興に一役買った。
徒競走を応援した時のように、被災者の背中をグッと押して勇気づける熱気溢れる演奏だったに違いない。
(ライナーより)

CDを聴く限りじゃワカラナイ“誰か”の背中を押してくれるパワーがジンタにはあるのだろうか?
いや、きっとジンタだからというワケじゃなく
彼等の熱意や人々の心を繋ぐという想いが高齢化久しい町の復興を後押ししていたのだろう。

ちなみに当時(2003年7月26日)の地震で私の部屋も半分ぶっ壊れた。
テレビのブラウン管が倒れた衝撃で割れ(買ったばっかだったのに)、
CDと本の棚は釘が歪み、みるみるうちに崩れ落ち、ただ唖然とその模様を見てるだけみたいな。
他にも、住んでいる地域のアスファルトが微妙に亀裂が入るなど、
未だに何となくだけど鮮明に覚えている地震だったです。