保護者の方が訪問された際、一番問題になるのは
どうやったら子どもが引きこもりを脱する気持ちになれるか?
という部分です。

本人が変わろうとしている場合、
そこからの支援は比較的やりやすいです。

けれど本人が変わらなければと思っていない場合、
支援を必要としていないのですから
状況を変えるのが難しくなります。

では、なぜ変わろうと思わないのか?
現状に満足している場合を除いて、
本当は変わりたいと思うけれど
何となく気力が湧かないとか、
どうした良いか分からないとか・・・
そんな感じの方が多いのではないでしょうか?

そもそも、なぜ人は引きこもるようになるのでしょうか?

人は自己概念=自分らしさというものを持っています。
けれど、例えば失敗することが多く、
先生や上司、先輩などから酷く怒られたとします。
あまりにキツイ口調で責められると、
その内自分自身を否定されたようになったりします。

そして、自分の心を守るために
引きこもるようになる・・・

では、その時家族はどう接すれば良いのか?

本人を理解するのです。
その子が大切に思っていること。
やりたいと思うこと。

その子が思っている
自分らしさというものを大切にすることです。

例えば、もしかしたら今現在の
その子らしさが認められないと感じるかもしれません。

けれど解決したいなら、まず認めることです。
その子の自己概念を誰も壊そうとしないことです。
無理矢理本人を変えようとしていたのでは
いつまで経っても事態は変わらないと思います。

自己概念というのは発展するものです。
まだ完成されている訳ではありません。
だから現在はそのままで良いのです。

その子が思っている自分らしさを
折に触れ聴いてあげてください。

「○○が好き」
「○○が嫌い」

改めて聴くことが見つからない場合も、
「○○についてどう思う?」
というように意見を聞いてみて下さい。

自分について、
もしくは自分の意見について、
なるべく多く語ってもらってください。

そして、どうしてそう思うようになったのか?
その点も聴いてみて下さい。

自分はどんな考えを持ってるのか、
自分が大切に思っているのは何か?
そう思うようになったきっかけは何か?

つまり自己概念ですね。
それが明確になってくれば、

その自己概念は成長し始める。

急がば回れです。
すぐに変化はみられないかもしれませんが、
ご家族が一丸となって
まず本人をありのまま認めてあげて下さい。

自己概念を明確にするには、
自分の考えについて多く語ることです。
その子が沢山話せる環境を作って下さい。