Kは中学3年生の1年間ほとんど不登校で過ごしました。
Kからその約1年後に聞いた言葉を元にして、
不登校になった頃のことを再現ドラマ風にしてみました。
==== ある日 中学校にて ====
学校はやることが次から次へと一杯ある。
無理してやって、出来ないことは無いと思う。
でも・・・いつも完璧に終わらせたいと思うんだけど、終わらない。
自分なりには頑張っているつもりだけど、
しっかりしろとか、頑張れとか皆に言われる。
学校は作業の繰り返しで、
作業の遅い自分にはとてもシンドイ・・・
しかも時々、何をしなくちゃいけないのか分からなくなる。
でも人に聞けない。またバカにされるし。
バカにされるのは出来てない自分が悪いからで・・・・・
仕方ないから気にしないようにしてるけど・・・・・・・
先生にもいつもメチャクチャ怒られる。
「どう思ってるんだ?!何とか答えろ!!」
と凄い剣幕で怒られるけど、
あー言ったら更に怒られるだろうな~~とか
こう言ったらダメだろうな~~とか考えている内に
「もういい!お前は別室で反省文を書いてろ」
となる。
怒られるのは自分でも仕方ないと思うから
あーーまたかぁ、仕方ないなぁ、と別室へ行く。
俺くらい別室指導受けてる奴はいないだろうなぁ~~
やらないといけないのは分かってるんだけど
どうしてか出来ないんだよなぁ。
でも反省文にそう書いてもダメだし、
何て書こうかなぁ・・・・どう書こうかなぁ・・・・
・・・あーボーッとしてきた・・・・(2時間経過)
先生は戻ってきて真っ白な用紙を見て
また怒ってる。校長先生まで来て怒り始めた。
もうこれ、どうすればいいんだろう?
早く終わらないかな。毎日同じことばっかり。
明日もまた出来なかったら
班の皆にも又なんか言われるんだろうなーー
・・・・何か・・・・・もう疲れたな・・・・・・・(はぁ~~~)
=====================
Kは、根性が無いと言われるかもしれませんし、
それは否定しません。
確かに弱いですよね。
でも、再現ドラマのような状態で学校へ行き続けるのは
本当にシンドイし、それを我慢したとしても、
いろいろと出来ない状態が改善されず、同じことが続くことと思われるので、
学校へ行き続ける必要性が感じられないだろうなぁ~
というのは想像できます。
”やろうとは思っているんだけど、いざというと行動に移せない”
それが解消しない限り
学校へ行き続けても良いことにはならないんです。
「頑張って行動すれば良いだけじゃないか」
そう言われるかもしれません。
それが出来ればこんなに苦労はしてないんですよ。
行動の制御が上手く行かないから困っているんです。
やる気が無いのと、制御が上手く出来ないのは、
同じように見えてちょっと違うんです。
甘えが無いとは言いません。甘えもあると思います。
けれど、気合いだけでは前に進まないのも事実です。
多分そこは、ほとんどの人に理解されないでしょうね。
”甘い!!”という意見があるのは覚悟の上で言うと、
行動しにくいのには、多分理由があるんです。
その後、随分後(中3の2学期後半)になって通級の先生と面談しました。
通級の先生はヒントをくれました。
1.漠然とした指示をしないこと。
2.各動作を分解して、1つ1つの動作に分けて順番に教えること。
(例)まず鉛筆を持って→1番目の問題から解きましょう→
分からなかったら飛ばして次の問題を解きましょう→
それでも分からなかったら手を挙げて先生に合図しましょう
※中学3年生にもなって、という感覚は捨てて、いちいち細かく教えるのがコツ
3.口頭指示だけでは、理解があやふやだったり、途中で分からなくなるので
なるべく紙に書いて渡すこと。
4.少しでも出来たらほめて、成功体験を増やして自信を持たせること。
こういった意見を担任の先生などに伝えてくれるのも、
通級の先生のお仕事です。
直接指導は希望者が多くなかなかして貰えませんが、
それだけでも大分違います。
不登校が2ヶ月過ぎた頃、
私は適応指導教室というものの存在を知りました。
適応指導教室へは、時々登校し、受験勉強をしました。
適応指導教室へ行くと、OBの教員の方がやさしく勉強を教えてくれました。
福山市の適応指導教室は、教室2部屋。
小学校の部屋と中学校の部屋の二つです。
それぞれやろうと思う教材を持ち込み勉強します。
各自自習し、先生方が分からないところを教えてくれるという感じです。
時間は10時~15時。
Kはいつも黙って真面目に問題集を解いていたそうです。
「へぇー凄いじゃない。勉強は嫌いじゃないの?」
と聞くと
「皆が静かにやっている中で、自分だけ何もしないなんて出来ないじゃん。」
とKは答えました。
そう、Kは行ってしまえば、それなりに皆と同じようなことをしようとするんです。
だけど物事の処理が遅いKには結構シンドイ事なので、
”やっぱり無理・・・行かない方がいいかな・・・”となるのでしょう。
出来ないとか、難しいとか、状況説明して助けを求められれば
また違うのでしょうが。
適応指導教室の先生も所属している中学校と連携してくれます。
担任の先生や、校長先生に、その子をどう指導していくのが適切か、
それを伝えてくれます。
元OBの先生なので連携は想像以上にきちんとして貰えます。
もしお子さんの不登校や保健室登校が始まったら、
早めに通級や適応指導教室のことを自分から担任の先生に聞くと良いです。
担任の先生の方から通級や適応指導教室の存在を教えてくれるというのは、
私の場合無かったからです。
私から先生に聞くと、
「ありますよ、指導も受けれます」と手続きを進めて貰えましたが、
Kが中学2年の際、学校でいろいろ出来ないことが多いと
スクールカウンセラーの先生に相談した時点で教えて欲しかったです。
(評判の良くない小児科よりも先に!)
発達障害やら、自閉症やら、学習障害やら・・・
そういう事を私が言うと「K君はそこまでじゃないでしょう。」
と担任の先生や校長先生に言われました。
Kは普通に会話するし、人と同じくらい出来ることもあります。
勉強だってやればちゃんと出来ます。
勉強が出来ないのと、勉強という行動が出来ないのは、
似ているけどビミョーに違います。
結果はほぼ一緒ですけどね。
障害の話を持ち出すと、
Kが出来ないことを障害という言葉で片付けようとしているとか、
私の教育がなっていなかったことを棚に上げようとしているとか、
Kが怠けていることを許してもらおうとしてるとか、
そういう風に捉える人が多かった気がします。
(後はただ気の毒がる人)
でも誤解しないで欲しいのですが、
私はKを正しく理解して、前に進んでいきたいだけです。
それを理由に仕方ないとあきらめようとしているのでは
決してありません!
Kの可能性を私は信じているから、
その可能性を伸ばすために正しく知りたいだけなんです。
過去の偉人の中で極端な思考を持った異質な人は
ADHDだったんじゃないかと言われています。
例えばエジソンやダヴィンチや織田信長など・・・
それは特殊な例でしょ?と思われるかもしれません。
確かに特殊ですよね。
けれど、異質な脳を持っているのであれば、
それを活かすべきだと思いますし、
こだわりが強いのであれば、
そのこだわりを強みにするべきでしょう。
大多数の人と同じようにするのが難しいのであれば
大多数の人と同じ土俵で戦ってちゃダメなんです。
そこで精一杯頑張っても
勝ち上がるのは相当に厳しいです。
”個性を活かすゆとり教育は失敗だった”と良く言われますが、
私はそうは思いません。
詰め込み教育は能力UPに確かに効果はあるでしょう。
けれどそれが万人に有効では無い。
それくらい、ちょっと考えたら分かりますよね?
万人に有効な教育なんて多分無いんです。
80%、90%に有効な教育。
それはあるでしょう。
詰め込み教育も70~90%くらいは有効かもしれません。
しかし、残りの30~10%には有効では無い。
ではその30~10%の子には能力が無いのか?
そうでは無いと私は思います。
トムクルーズは「私は失読症」と
学習障害(LD)であると自分で言っています。
けれど彼には俳優としての才能はあり、
台本を全て音声にして覚えるという方法で
問題点をクリアして成功しています。
そのように、何かに秀でている可能性はあるんです。
あと好きなことを追求するために
異常と言えるほど極端に行動するという特徴があります。
科学者の人でもいますよね?
研究さえしていれば幸せ、研究以外には全く興味が無いし、
研究以外のことは極端に出来ないって人。
勉強が出来ればそんな極端さを持っていても
世間的に問題児として扱われないだけで、
極端に出来ることと出来ない事があるのは同じなんです。
詰め込み教育が無理で勉強が出来なかった人。
それは全てダメかというと、決してそうではありません。
今の教育制度の中では伸びるチャンスに恵まれなかっただけです。
だから、そこから離脱し不登校になったら終わりだなんて
決めつけたらいけないんです。
決めつけたらそこで見えない壁を作ってしまいます。
それ以上伸びようが無いんです。
でも日本の教育制度は、
いかに課題をクリアして伸びていくか、
そしてその道筋も1つしか用意されていないので、
選択肢が無いんですよね。
なぜ選択肢を増やそうと真剣に取り組まないのか?
だって、詰め込み教育という手法が合わない人の中に、
新しい何かを生み出す人材が隠れているかもしれないのに。
全教科、なるべく満遍なく、
従順にこなす人だけが優秀なのではありません。
会社に勤めるにはそんな人がバッチリかもしれませんが・・・
日本には極端な性質を持ったひとを育てるという感性が無いみたいです。
ダヴインチは変わり者で異端者でした。
エジソンも学校では落ちこぼれでした。
信長も破天荒でした。
でも、人が思いつかないことをやってのける人は
そんな変わり者が多いんです。
Kが天才的な変わり者だとは言いません。
けれど人と違うのであれば、違うところを活かそうと思うのが、
戦略的には正解だと思うんです。
そしてKに対して、見えない壁を作ってはいけないと思うんです。
どう違うのかを明確に切り出すこと。
そしてその活かし方を見つけ出すこと。
それが重要だと考えています。
”個性を活かすゆとり教育は間違っていた”と言われていますが、
本当にその理念を活かす仕組みや教育制度が作れなかったのであって、
その発想は正しかったと思っています。
本当の個性を活かす教育なんて、
そんな簡単にスタート出来るものではない筈です。
話が少しそれましたが、
Kが多数の人とどう違うのかを明確にするために振り返ると、
いろいろと発達障害や自閉症等々に該当する事柄があった事に気がつきます。
例えば
・人が沢山いるところで家族でご飯を食べようとした時
「俺は車で待っているからいい。」
と言って、好物であっても、ご飯を食べなかったことが何度かありました。
→ その店の雰囲気やざわつきが苦手だった可能性があります。
自閉症などの人は極端に苦手な人もいるようです。
・掃除機の音を酷く嫌がり、掃除機をかけると耳をふさぐ。
→ 聴覚過敏の可能性もあるのですが、
自閉症でも何かの音を極端に嫌うという特徴があるらしい。
・極端に同じ物ばかり食べたがる。「今日何が食べたい?」と聞くと、
毎日「からあげかハンバーグ」と答える。本当に毎日!!
→ 自閉症の入所施設で働いていた時、
そこの管理栄養士さんからそういう特徴があると聞いたことがあります。
・同じ本やビデオばかり好んで何度でも繰り返し見た。
→ 同じことを延々飽きずに繰り返すのも特徴としてあります。
※ 小さい頃だったら、ドアの開け閉めとか、何かを何度も転がすとか、
なんでこんな事を繰り返して楽しいんだろう?と大人が不思議に思うような動作を
1~2時間くらい飽きずに繰り返します。
1度や2度そういう行動を取ったのは当てはまらず、
そのようなことが度々あると少し気にした方が良いかもしれません。
・人と同じ行動が出来ない。
→ 指示しても指示通りに行動しない。
行動の制御が極端に出来ない。
・鏡文字を書く。
→ これも特徴のひとつと言われます。
Kは左利きですが、それも効き脳と関係するので、
鏡文字同様に脳のクセの特徴として重視される項目です。
・いつも理由を聞く。
→ Kに何かを言うと、必ず「なんで?」と質問するんです。
小さい頃からそうでした。必ずKが納得するまで説明しないといけないんです。
理由は分からなくて良いから○○しなさい!が通用しないんですよね。
他にも特徴的と言われる項目は沢山ありますが、
不安をあおるのが目的では無いので
あくまでKについて検証する意味でKが該当する項目だけ挙げています。
変わっていることは不利では無いと言いましたが、
とりあえず幼稚園や学校に通っているのであれば、
なるべくトラブル無く成長して欲しいのが親心ですよね。
ですから、子どもが小さい時点で あれ?と思う事があれば、
是非専門機関に相談して療育に関する指導を受けると良いと思います。
療育をしたお陰で、大きく成長した小さなお子さんを私は知っています。
逆にやり方を知らなくて対処出来なかったり、
間違った教育でお子さんとの関係が悪化したりすると、
二次障害で更に事態は悪くなるかもしれまん。
自閉症の子で二次障害の為に状態が酷くなったケースも見ています。
Kも小さいときに療育していれば、
学校に行き続けることが出来たかもしれません。
周りとのトラブルもそんなに起きなかったかもしれません。
私のミスだと思っています。
でも人生はまだまだこれから!
不登校、ニートになっても、ちゃんと幸せになれる。
それはこれから証明していきます。
けれど、小さなお子さんを育てておられる保護者の方や、
保健室登校を始めたり不登校になり始めたお子さんをお持ちの場合は、
今できることをしっかりしてあげると良いと思います。
子どもを理解すること。
療育という観点を持ち、知識を持つこと。
学習については、適応指導教室、通級、
(子どもの特性に合わせてくれるという前提で)
少人数制の学習塾や家庭教師を活用すること。
大体その辺りがポイントになると思います。
そして 一番大切なのは、子どもを愛し信じること。
焦らず、常に子どものペースに合わせ
子ども主体の子育てをすることだと思います。
以上、私の反省と学びの中から・・・
最後まで読んで下さってありがとうございます。
~ 今日1日好きなことを精一杯して
最高に幸せに過ごします ~
Kからその約1年後に聞いた言葉を元にして、
不登校になった頃のことを再現ドラマ風にしてみました。
==== ある日 中学校にて ====
学校はやることが次から次へと一杯ある。
無理してやって、出来ないことは無いと思う。
でも・・・いつも完璧に終わらせたいと思うんだけど、終わらない。
自分なりには頑張っているつもりだけど、
しっかりしろとか、頑張れとか皆に言われる。
学校は作業の繰り返しで、
作業の遅い自分にはとてもシンドイ・・・
しかも時々、何をしなくちゃいけないのか分からなくなる。
でも人に聞けない。またバカにされるし。
バカにされるのは出来てない自分が悪いからで・・・・・
仕方ないから気にしないようにしてるけど・・・・・・・
先生にもいつもメチャクチャ怒られる。
「どう思ってるんだ?!何とか答えろ!!」
と凄い剣幕で怒られるけど、
あー言ったら更に怒られるだろうな~~とか
こう言ったらダメだろうな~~とか考えている内に
「もういい!お前は別室で反省文を書いてろ」
となる。
怒られるのは自分でも仕方ないと思うから
あーーまたかぁ、仕方ないなぁ、と別室へ行く。
俺くらい別室指導受けてる奴はいないだろうなぁ~~
やらないといけないのは分かってるんだけど
どうしてか出来ないんだよなぁ。
でも反省文にそう書いてもダメだし、
何て書こうかなぁ・・・・どう書こうかなぁ・・・・
・・・あーボーッとしてきた・・・・(2時間経過)
先生は戻ってきて真っ白な用紙を見て
また怒ってる。校長先生まで来て怒り始めた。
もうこれ、どうすればいいんだろう?
早く終わらないかな。毎日同じことばっかり。
明日もまた出来なかったら
班の皆にも又なんか言われるんだろうなーー
・・・・何か・・・・・もう疲れたな・・・・・・・(はぁ~~~)
=====================
Kは、根性が無いと言われるかもしれませんし、
それは否定しません。
確かに弱いですよね。
でも、再現ドラマのような状態で学校へ行き続けるのは
本当にシンドイし、それを我慢したとしても、
いろいろと出来ない状態が改善されず、同じことが続くことと思われるので、
学校へ行き続ける必要性が感じられないだろうなぁ~
というのは想像できます。
”やろうとは思っているんだけど、いざというと行動に移せない”
それが解消しない限り
学校へ行き続けても良いことにはならないんです。
「頑張って行動すれば良いだけじゃないか」
そう言われるかもしれません。
それが出来ればこんなに苦労はしてないんですよ。
行動の制御が上手く行かないから困っているんです。
やる気が無いのと、制御が上手く出来ないのは、
同じように見えてちょっと違うんです。
甘えが無いとは言いません。甘えもあると思います。
けれど、気合いだけでは前に進まないのも事実です。
多分そこは、ほとんどの人に理解されないでしょうね。
”甘い!!”という意見があるのは覚悟の上で言うと、
行動しにくいのには、多分理由があるんです。
その後、随分後(中3の2学期後半)になって通級の先生と面談しました。
通級の先生はヒントをくれました。
1.漠然とした指示をしないこと。
2.各動作を分解して、1つ1つの動作に分けて順番に教えること。
(例)まず鉛筆を持って→1番目の問題から解きましょう→
分からなかったら飛ばして次の問題を解きましょう→
それでも分からなかったら手を挙げて先生に合図しましょう
※中学3年生にもなって、という感覚は捨てて、いちいち細かく教えるのがコツ
3.口頭指示だけでは、理解があやふやだったり、途中で分からなくなるので
なるべく紙に書いて渡すこと。
4.少しでも出来たらほめて、成功体験を増やして自信を持たせること。
こういった意見を担任の先生などに伝えてくれるのも、
通級の先生のお仕事です。
直接指導は希望者が多くなかなかして貰えませんが、
それだけでも大分違います。
不登校が2ヶ月過ぎた頃、
私は適応指導教室というものの存在を知りました。
適応指導教室へは、時々登校し、受験勉強をしました。
適応指導教室へ行くと、OBの教員の方がやさしく勉強を教えてくれました。
福山市の適応指導教室は、教室2部屋。
小学校の部屋と中学校の部屋の二つです。
それぞれやろうと思う教材を持ち込み勉強します。
各自自習し、先生方が分からないところを教えてくれるという感じです。
時間は10時~15時。
Kはいつも黙って真面目に問題集を解いていたそうです。
「へぇー凄いじゃない。勉強は嫌いじゃないの?」
と聞くと
「皆が静かにやっている中で、自分だけ何もしないなんて出来ないじゃん。」
とKは答えました。
そう、Kは行ってしまえば、それなりに皆と同じようなことをしようとするんです。
だけど物事の処理が遅いKには結構シンドイ事なので、
”やっぱり無理・・・行かない方がいいかな・・・”となるのでしょう。
出来ないとか、難しいとか、状況説明して助けを求められれば
また違うのでしょうが。
適応指導教室の先生も所属している中学校と連携してくれます。
担任の先生や、校長先生に、その子をどう指導していくのが適切か、
それを伝えてくれます。
元OBの先生なので連携は想像以上にきちんとして貰えます。
もしお子さんの不登校や保健室登校が始まったら、
早めに通級や適応指導教室のことを自分から担任の先生に聞くと良いです。
担任の先生の方から通級や適応指導教室の存在を教えてくれるというのは、
私の場合無かったからです。
私から先生に聞くと、
「ありますよ、指導も受けれます」と手続きを進めて貰えましたが、
Kが中学2年の際、学校でいろいろ出来ないことが多いと
スクールカウンセラーの先生に相談した時点で教えて欲しかったです。
(評判の良くない小児科よりも先に!)
発達障害やら、自閉症やら、学習障害やら・・・
そういう事を私が言うと「K君はそこまでじゃないでしょう。」
と担任の先生や校長先生に言われました。
Kは普通に会話するし、人と同じくらい出来ることもあります。
勉強だってやればちゃんと出来ます。
勉強が出来ないのと、勉強という行動が出来ないのは、
似ているけどビミョーに違います。
結果はほぼ一緒ですけどね。
障害の話を持ち出すと、
Kが出来ないことを障害という言葉で片付けようとしているとか、
私の教育がなっていなかったことを棚に上げようとしているとか、
Kが怠けていることを許してもらおうとしてるとか、
そういう風に捉える人が多かった気がします。
(後はただ気の毒がる人)
でも誤解しないで欲しいのですが、
私はKを正しく理解して、前に進んでいきたいだけです。
それを理由に仕方ないとあきらめようとしているのでは
決してありません!
Kの可能性を私は信じているから、
その可能性を伸ばすために正しく知りたいだけなんです。
過去の偉人の中で極端な思考を持った異質な人は
ADHDだったんじゃないかと言われています。
例えばエジソンやダヴィンチや織田信長など・・・
それは特殊な例でしょ?と思われるかもしれません。
確かに特殊ですよね。
けれど、異質な脳を持っているのであれば、
それを活かすべきだと思いますし、
こだわりが強いのであれば、
そのこだわりを強みにするべきでしょう。
大多数の人と同じようにするのが難しいのであれば
大多数の人と同じ土俵で戦ってちゃダメなんです。
そこで精一杯頑張っても
勝ち上がるのは相当に厳しいです。
”個性を活かすゆとり教育は失敗だった”と良く言われますが、
私はそうは思いません。
詰め込み教育は能力UPに確かに効果はあるでしょう。
けれどそれが万人に有効では無い。
それくらい、ちょっと考えたら分かりますよね?
万人に有効な教育なんて多分無いんです。
80%、90%に有効な教育。
それはあるでしょう。
詰め込み教育も70~90%くらいは有効かもしれません。
しかし、残りの30~10%には有効では無い。
ではその30~10%の子には能力が無いのか?
そうでは無いと私は思います。
トムクルーズは「私は失読症」と
学習障害(LD)であると自分で言っています。
けれど彼には俳優としての才能はあり、
台本を全て音声にして覚えるという方法で
問題点をクリアして成功しています。
そのように、何かに秀でている可能性はあるんです。
あと好きなことを追求するために
異常と言えるほど極端に行動するという特徴があります。
科学者の人でもいますよね?
研究さえしていれば幸せ、研究以外には全く興味が無いし、
研究以外のことは極端に出来ないって人。
勉強が出来ればそんな極端さを持っていても
世間的に問題児として扱われないだけで、
極端に出来ることと出来ない事があるのは同じなんです。
詰め込み教育が無理で勉強が出来なかった人。
それは全てダメかというと、決してそうではありません。
今の教育制度の中では伸びるチャンスに恵まれなかっただけです。
だから、そこから離脱し不登校になったら終わりだなんて
決めつけたらいけないんです。
決めつけたらそこで見えない壁を作ってしまいます。
それ以上伸びようが無いんです。
でも日本の教育制度は、
いかに課題をクリアして伸びていくか、
そしてその道筋も1つしか用意されていないので、
選択肢が無いんですよね。
なぜ選択肢を増やそうと真剣に取り組まないのか?
だって、詰め込み教育という手法が合わない人の中に、
新しい何かを生み出す人材が隠れているかもしれないのに。
全教科、なるべく満遍なく、
従順にこなす人だけが優秀なのではありません。
会社に勤めるにはそんな人がバッチリかもしれませんが・・・
日本には極端な性質を持ったひとを育てるという感性が無いみたいです。
ダヴインチは変わり者で異端者でした。
エジソンも学校では落ちこぼれでした。
信長も破天荒でした。
でも、人が思いつかないことをやってのける人は
そんな変わり者が多いんです。
Kが天才的な変わり者だとは言いません。
けれど人と違うのであれば、違うところを活かそうと思うのが、
戦略的には正解だと思うんです。
そしてKに対して、見えない壁を作ってはいけないと思うんです。
どう違うのかを明確に切り出すこと。
そしてその活かし方を見つけ出すこと。
それが重要だと考えています。
”個性を活かすゆとり教育は間違っていた”と言われていますが、
本当にその理念を活かす仕組みや教育制度が作れなかったのであって、
その発想は正しかったと思っています。
本当の個性を活かす教育なんて、
そんな簡単にスタート出来るものではない筈です。
話が少しそれましたが、
Kが多数の人とどう違うのかを明確にするために振り返ると、
いろいろと発達障害や自閉症等々に該当する事柄があった事に気がつきます。
例えば
・人が沢山いるところで家族でご飯を食べようとした時
「俺は車で待っているからいい。」
と言って、好物であっても、ご飯を食べなかったことが何度かありました。
→ その店の雰囲気やざわつきが苦手だった可能性があります。
自閉症などの人は極端に苦手な人もいるようです。
・掃除機の音を酷く嫌がり、掃除機をかけると耳をふさぐ。
→ 聴覚過敏の可能性もあるのですが、
自閉症でも何かの音を極端に嫌うという特徴があるらしい。
・極端に同じ物ばかり食べたがる。「今日何が食べたい?」と聞くと、
毎日「からあげかハンバーグ」と答える。本当に毎日!!
→ 自閉症の入所施設で働いていた時、
そこの管理栄養士さんからそういう特徴があると聞いたことがあります。
・同じ本やビデオばかり好んで何度でも繰り返し見た。
→ 同じことを延々飽きずに繰り返すのも特徴としてあります。
※ 小さい頃だったら、ドアの開け閉めとか、何かを何度も転がすとか、
なんでこんな事を繰り返して楽しいんだろう?と大人が不思議に思うような動作を
1~2時間くらい飽きずに繰り返します。
1度や2度そういう行動を取ったのは当てはまらず、
そのようなことが度々あると少し気にした方が良いかもしれません。
・人と同じ行動が出来ない。
→ 指示しても指示通りに行動しない。
行動の制御が極端に出来ない。
・鏡文字を書く。
→ これも特徴のひとつと言われます。
Kは左利きですが、それも効き脳と関係するので、
鏡文字同様に脳のクセの特徴として重視される項目です。
・いつも理由を聞く。
→ Kに何かを言うと、必ず「なんで?」と質問するんです。
小さい頃からそうでした。必ずKが納得するまで説明しないといけないんです。
理由は分からなくて良いから○○しなさい!が通用しないんですよね。
他にも特徴的と言われる項目は沢山ありますが、
不安をあおるのが目的では無いので
あくまでKについて検証する意味でKが該当する項目だけ挙げています。
変わっていることは不利では無いと言いましたが、
とりあえず幼稚園や学校に通っているのであれば、
なるべくトラブル無く成長して欲しいのが親心ですよね。
ですから、子どもが小さい時点で あれ?と思う事があれば、
是非専門機関に相談して療育に関する指導を受けると良いと思います。
療育をしたお陰で、大きく成長した小さなお子さんを私は知っています。
逆にやり方を知らなくて対処出来なかったり、
間違った教育でお子さんとの関係が悪化したりすると、
二次障害で更に事態は悪くなるかもしれまん。
自閉症の子で二次障害の為に状態が酷くなったケースも見ています。
Kも小さいときに療育していれば、
学校に行き続けることが出来たかもしれません。
周りとのトラブルもそんなに起きなかったかもしれません。
私のミスだと思っています。
でも人生はまだまだこれから!
不登校、ニートになっても、ちゃんと幸せになれる。
それはこれから証明していきます。
けれど、小さなお子さんを育てておられる保護者の方や、
保健室登校を始めたり不登校になり始めたお子さんをお持ちの場合は、
今できることをしっかりしてあげると良いと思います。
子どもを理解すること。
療育という観点を持ち、知識を持つこと。
学習については、適応指導教室、通級、
(子どもの特性に合わせてくれるという前提で)
少人数制の学習塾や家庭教師を活用すること。
大体その辺りがポイントになると思います。
そして 一番大切なのは、子どもを愛し信じること。
焦らず、常に子どものペースに合わせ
子ども主体の子育てをすることだと思います。
以上、私の反省と学びの中から・・・
最後まで読んで下さってありがとうございます。
~ 今日1日好きなことを精一杯して
最高に幸せに過ごします ~