前回のブログは取替編として書いてみましたので今回は板金編を紹介してみたいと思います。
9月に入って入庫の方も落ち着きムードになりつつあります。
それはそれで困るんですけどね・・・。
まずは、もっとも多い修理箇所となっていますリヤドアからクォーターパネルにかけての修理です。
白いお車ですのでヘコミや歪みはわかりにくいですね。
これが黒色のお車ですとハッキリとわかりますので、黒い車の修理の方が神経を使います。
リヤバンパーにも傷があるのですが、バンパーも修理する場合と修理をしない場合のお見積りを作りまして相談の元バンパーは修理しない事で承りました。
バンパーも直せばそれだけ高くなり、直さなければ安くなる。
修理費を抑えるには我慢をしてもらう。
ただそれだけの事です。
でも、バンパーはクォーターパネルの板金修理の為に外します。そこも説明致しました。
ポリパテを薄く付けて歪みを取りサフェーサーの塗装。
プレスラインが潰れている場合は、そのプレスラインを復元するのが難しいポイントです。
ハッキリと出ているプレスラインはまだ良いのですが、あるのかわからない位の薄いラインや途中で消えていくラインは特に難しくなります。
マスキングしてボディーカラーの塗装準備。
そして塗装。
バンパーはそのまま付け直しただけですが、それほど気にはならないと思います。
次も同じケースと言えますが左側です。
左側のこの場所が自損での修理では一番多い箇所です。
死角となる場所ですので、やはり右よりは左が多くなります。
あまり公表したくは無いのですが一例として挙げますと、うちの嫁さんもちょっと前にやってしまいました。(泣)
端部の曲がり、プレスラインの潰れ、裏側まで突いて変形。総合的に考えてこのレベルですとドア取替です。
当然ですが修理代金の全額を嫁さんに請求しました。
((+_+))
自分でぶつけてしまったこすってしまったという場合には左側面か後方が多いのですが、バックカメラの取付けや最近の車ではセンサー&自動ブレーキシステムでバックしてぶつかってしまう事が減ってきていますので特に左側の修理が多く感じられるのかもしれません。
あまり車の機能に頼り過ぎてもいけませんので、やはり目視で確認するのが一番です!
ちなみに私、バックカメラだけを見てバックが出来ない。(汗)
どうもそれに慣れなくて、必ず後ろを振り向いて下がらないと車を動かせません。
戻りますが、ドアは損傷が酷くて残念ながら取替です。
ドアの下側を含め端部と裏側のパネルにも損傷が及んでいましたので取替えが妥当となります。
先程の一例目とは違いクォーターパネルは下側のみなのですが損傷の度合いが違います。
ここも取替えレベルと言えるほど奥まで押し込まれていましたが、なんとか板金修理でいけそうでしたので板金で頑張りました。
これ位変形した箇所をどちらも板金修理しようとすると、どこが正しい位置なのかわからなくなります。
帳尻合わせは出来るかもしれませんが、ごまかしではなくちゃんと直したいので。
なんとか引き出せました。(汗)
その後パテ処理。
ちょっと飛ばして塗装前。
塗装後です。
修理完了!。
続いて、ドアの端部の曲がりの修理です。
ドアの端っこに曲がりがあって裏側まで損傷があると取替ですよとお伝えしましたが、それは場所と程度によって異なります。
このヘコミは曲がった事によって押されて出来たヘコミです。
裏側も変形して塗装の割れが出来ていますが、これも端が曲がった事によるものです。
このケースですと修理が可能となります。
取替でしか出来ない工場さんもあるかもしれませんけれど、それは工場の方針によっても違いますし、板金スタッフの能力の違いもあります。
この範囲で取替でしか修理出来ないと言われてしまうとお客さんはビックリされてしまうかもしれませんが、それだけ難易度が高い修理となります。
ただのヘコミはパテを厚く盛ればごまかせますが、端部に関してはパテの厚盛りが出来ません。
なぜなら端っこは厚みが目で見てわかってしまうから。
極端にそこだけ厚くなってたら目立つでしょ?
さらに難易度を高めてしまっている点は、お客様がお見積りに来店される前にご自身でプライヤー等でこじって曲げ戻してしまっている事です。
板金には順序というものがありまして、正しい工具と順序にしたっがって直して行くことで綺麗に早く修理が可能です。
しかしそれが出来なくなってしまった事でさらに難易度が高くなってしまいました。
塗装もそうなんですが板金の工程も非常に繊細なんです。
ハンマー振り回して叩いているだけで大雑把に思うかもしれませんが、ハンマーも思いっきり叩く様なことなんてそんなにありません。
手の感触と音で感じてコツコツと徐々に直していきます。
それをやっていくとこうなります。
これは自動車の板金に携わっている人なら誰もが出来る訳でもなく、その中でもやり方・方法を知らない人が板金してもこうなりません。
時間を掛けるだけ掛けて頑張ってみたとしても、方法を知らないと出来ないです。
裏側も。
シーリングは新車時の物を残したかったのですが、すでに割れがあったりプライヤーで潰されてしまっていましたので取り除いて再シーリングさせて頂く事にしました。
表面のパテ処理。
お客様が厚盛りによってパテが割れてしまう事を気にされていましたが、透ける位のパテの量・厚みになっていますので心配いりません。
ドアの開け閉めの振動でも割れる事は無いはずです。
もっと時間を掛けて追及していけばパテ無しまでもっていけるのですが、それを板金料金として頂こうとすると「高い」となります。
なので精度的には高い品質でほどよい板金をと考えるとこれ位かなといった感じです。
いくらでも修理代金がもらえるならもっと出来ますよ。
でもそれは現実的では無いかな・・・。
裏側を再シーリング。
事前にお客様へも説明済みですが、シーリングを元の状態とまったく同じ様にすることは出来ません。
出来る限り近づけて再現する事を目指して行いますが、完全復元は不可能です。
もう少し長い距離でドアを外して行えばさらに近づける事が可能ですが、そのぶん修理代金は高くなります。
たまにこのシーリングにこだわってクレームをつける方がいらっしゃるみたいですが、誰がどうやっても修理において完全復元、まったく同じシーリングは出来るはずがありません。
そういう方は当店に来られても無理なものは無理ですので、あらかじめお伝えしておきます。
シーリングにこだわるのであれば、新車または中古車でも構いませんが車を買い替える事をオススメ致します。
先に裏側の塗装。
そしてドアを閉めた状態で表側の塗装です。
リヤドアは傷など無いのですが、前回ブログの取替編でも書きましたが色合わせの為にリヤドアも一緒に塗装します。
外した部品を組み付けて修理完了!
という訳で、
けっこう長く書いたのでまだあるのですがこの辺で。
私の書くブログは本当の事を言ってしまうスタイルなので、好き嫌いは出るかと思います。
自分の中で良い事、良い所ばかりを書いているブログにはしたくないと思っていますし、
車の板金塗装、車体整備について何にもわからない人が読んで正しい知識を身に付けてもらいたいと思う気持ちもあります。
本当の事を知った方がお客様が得をすると思いますし、過剰な期待もしなくてお互いに気が楽ですよ。
常に完璧な作業をやり続けるのは難しく、時にはうまく行かない事だってあります。
でも、板金と塗装はココ以外考えられないと言って来て下さる方もいますし、他のお客様を紹介してくださる方もいます。
信頼して預けてくれるお客様の為に頑張るのみ。
来月から消費税の増税です。
それはそれで心配な事なんですけれど、それよりも心配事があるんです。
その事について次回のブログは書こうかな。
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