社外FRP製のエアロバンパー修理のご依頼でした。
FRP製のバンパーは割れてしまうとちょっと厄介なんです。
この程度であれば割れてしまった箇所を直すのはそれほど難しくはないんですが、完全に割れてしまった所よりもクラックが入ってしまった箇所を直すのが大変。
割れてしまった箇所より広い範囲でクラックが入っています。
クラックはゲルコートからひび割れていますので下地のサフェーサーを塗装しただけでは埋まりません。
クラック箇所すべてを追い込んで削ってからパテ処理しなければならないのです。
それだけ手間が掛かる事ですので、FRP製のエアロの修理はお断りで受け入れてもらえない工場もあります。
なんで手間が掛かると受け入れてもらえないの?って思うかもしれませんが、理由は簡単な事だと思います。
修理代金はこれ位頂ければ出来るだろうと考えて見積りを出しても、いざ修理をやってみたらそれ以上に手間が掛かってその見積り金額では割に合わなくなる事が多いからです。
FRPのパーツはとくにそう。
だからと言って、割りに合うように後から追加請求すれば不満が出るし、クラックが残ってしまってもそれもクレーム。
見積りを高めに出しておくと、それはそれで高いと言われそもそも修理を依頼されなくなる。
だったら初めから受け付けない方が・・・。という考えになってしまうのですよね。
それが私達修理する側の本音だと思います。
こちらのバンパーも割れた箇所を繋ぐのはこれ位の範囲です。
当店では表側にも薄いガラスマットを貼って補強しています。(写真だとちょっとわからいないかも)
それに対してクラック処理も含めて削った範囲はこれくらいに。
パテで修正後。
完全に割れてしまった箇所だけなのと、実際に修正しなければならない範囲とが、お客様の感覚とズレが生じやすいのでまずはお客様にご理解頂くことが重要です。
社外エアロパーツ装着のお車に乗られている方は車が好きだったりするので修理に対して詳しかったり、どういった作業が必要なのかも理解して頂き易いのですが、結局はその必要性は理解してもらえるものの料金的な事があるのであまりにも高ければお任せして頂くこともなくなります。
そこが難しいところなんですよね。
まずは見積りに来て頂いて検討してもらうしかないんですけれど・・・。
バンパー修理のついでに、リヤスポイラーの塗装劣化の修理も承りました。
劣化の状態はかなり悪く、これは塗装の劣化だけでなくゲルコートから傷んでしまっています。
製品出荷時はゲルコート仕上げで送られて来ますが、このゲルコートという物は紫外線に弱いです。
カラーベースとクリヤーだけでは紫外線を通してしまうので下地にサフェーサーを塗装するのですが、それでも日の光が多く当たる部分は劣化が早くなってしまうんです。
純正部品の鋼板だったとしても電着塗装は紫外線に弱いですからサフェーサーの塗装が必要です。
下地塗装を行わないで作業している板金塗装工場もありますが、違いは数年後に現れます。
納車時は違いがほぼわかりません。
でも数年後塗装の痛みが早いのは下地塗装を行わなかった方です。
何事も下地が重要。
と言う訳で、塗膜はほぼ削り取りました。
この後、ゲルコートの状態が酷い箇所にはパテ処理しましたが写真撮ってなかった~。(泣)
そしてバンパーとスポイラーに下地のサフェーサー塗装。
その後、研ぎ出して面を整えボディーカラーの塗装です。
リヤスポイラーは表と裏の両面塗装したいのでこんな感じで吊るして塗りました。
塗装後。
FRPはあまり温度を上げて乾燥出来ないので、段取りを考え夜に塗装して一晩置いて乾燥させることにしました。
乾燥させたら組み付けて磨きをして完了!
当店へ修理のご依頼ありがとうございました。
任せてもらったからには綺麗に直したいので頑張りましたよ~。(^^)
でも最近は社外のエアロパーツを付けたいという人も減っちゃいましたから、修理を依頼される機会も減りましたよね。
私が見習いで板金塗装の仕事に就いた頃は、しょっちゅうFRPのエアロの修理やってた気がするんだけどな~。
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