クリスティーン | 日々読書。
- クリスティーン〈下巻〉 (新潮文庫)/深町 真理子

スティーブンキング積み本消化第12弾
クリスティーン 新潮文庫 約1000ページ 評価:A
友情、愛情、家族それらをテーマにしながらも、ばっちりホラー作品でした。
高校のクラスのはみ出し者、アーニー・カニンガム。
その彼がボロボロの58年型プリマス・フューリーに一目ぼれしたことから、
アーニーと、彼を取り巻く人々の人生は大きく狂いだす。
ローズ・マダーではローズ、デッドゾーンではジョニー・スミス、ニードフル・シングスではアラン・パングボーン
この記事を書く時、では、この作品の主人公は誰なんだろうと考えてしまいました。
一応本の人物紹介では、アーニー・カニンガムが右端に来ています。
が、物語は彼の親友デニス・ギルダーの視点で進みますし、どちらが主人公でもおかしくない作品です。
この物語には単純に、この人が主人公だよって言わせることの出来ない複雑な人間模様がありました。
アーニーとデニスは小さい時からずっと親友で、劇中でも幼い時の思い出話がちょくちょく出てきます。
しかし、アーニーがクリスティーンと呼ばれる車に出会ってから全てが変わってしまいます。
それまで、親友と信じ、これからもずっとそうであろうと信じていた人物が、どんどん変わってしまう恐怖。
親友だからこそ、見捨てる事もできず、かといってどうすればいいのかもわからない。
デニスの心労はきっと読者の心にも伝わってくると思います。
そして、アーニーの恋人となるリー・キャボットが登場する事で、物語は更に複雑になっていきます。
車が意思を持って襲ってくると言う、間違いなくホラーというジャンルに属している作品ですが、それ以上に若者同士の友情と、思春期の子供を抱えた親の葛藤、初めての恋愛、そういった人間模様が非常に丁寧に描かれています。スタンド・バイ・ミーとはまた違う、切ない読後感が味わえると思います。
この作品、映画化にもなっているのですがそちらでは、ホラーと言う点に重点を当てて制作されており、
残念ながら、僕が最も感銘を受けた人間模様があまり描かれていません。
結構前に映画を見たので、細部は覚えていませんが映画を見た時、
B級で面白くない作品だなと感じたのは覚えています。
その印象もあって、正直小説は全く期待しないで読んだのですが、完全に予想を覆す無いようでした。
やはり映画と小説は別物ですね。媒体が違うだけで、こんなにも印象が異なるのですから。
キング作品は、やっぱり小説で読むのに限りますな~(笑
さて、シャイニングを読む前に、短編集を読んでちょっと一休み。
ということで、次はドランのキャデラック。

