リベンジものかスパイものかと思いきや、主人公は会社の女社長さんで、まさかの戦闘スキルなし!


この映画を一言で表すなら
『派手さはなく、物語終了後どうなったか気になるものの、最後はベンが愛おしくなる映画』

 

女神よ、銃を撃て(字幕版)

 



舞台はフランスの街、セート。
チンピラ3人組のロドルフ、ベン、カリムは麻薬の密売を生業にしています。
ある日、カリムが組織の麻薬を盗んでいると2人に告白。ビビりまくる2人を宥めて、手元にある盗んだ薬をさっさと捌こうとアジトに向かう3人ですが、そこには組織のボスが!
盗んだ薬の代金3万ユーロを請求され、ベンはナイフを右手にぶっ刺されてしまいますΣ(゚д゚;)


困り果てた3人。
ロドルフは「女を頼る」と薬物依存で肉体関係のあるジュリアに会いに行きます。
ジュリアの家はまさに御屋敷!
一見してお金持ちと分かりますが、ジュリア(ダイアン・クルーガーさん)は足が少し悪い様子で杖をついて歩いています。
ここで!なかなか素敵なベットシーン!
ジュリアは背中にも火傷の様な傷跡があり、原因は過去の事故らしいです。


ジュリアで楽しんだロドルフは、一眠りした後、家を物色して金品を漁り始めます。
部屋に戻ると目を覚ましたジュリアに咎められますが、逆に3千ユーロ用意しろと迫ります。
はい、ロドルフとんだクズ野郎ですね。


次の日、溜まり場でポーカーに興じるロドルフの元にジュリアの母、ルイーズ(カトリーヌ・ドヌーヴさん)が訪ねてきます。
要求は、娘にはもう会わない事。
そんなルイーズにロドルフは手切れ金として3万ユーロを請求します。
まぁ、当然突っぱねられる訳ですが^_^;


命のかかった返済にあの手この手と考え、実行するものの上手くいかない3人。
ベンは愛犬まで失う羽目に。


ロドルフからの連絡が途絶えたジュリアは、単身でロドルフに会いに行きます。
絡まれているジュリアを見つけて、家まで送るロドルフ。
ジュリアの家にほど近い田舎道で薬キメながらなかなか濃厚なカーセックスを始める2人。


事後、今の薬と身体だけの関係に不服そうなジュリアに、クルマのパンクも相まって苛立ったロドルフが殴りかかります。
押し倒されて一方的に恫喝されるジュリア。
ロドルフが自分から離れた瞬間、パンク修理の為の工具を手に、ロドルフの後頭部を殴打。
死なないで愛してるの、という呼びかけも虚しくロドルフはそのまま死亡。


動揺したジュリアは、家まで自力で戻り母ルイーズに助けを求めます。
なんとか2人で死体と車を処理して、一安心かと思いきや、ベンが2人の犯行に気づき、ルイーズへの恐喝が始まるのです!!


いやぁ、ジュリアがダメな子なんですよね〜ほんと^_^;

美人なので許しますけれどもw
身体が不自由で痛みもあって働けないので、ルイーズにおんぶにだっこな生活なのはまぁ仕方ないとして、親の金で薬物買うとかさすがにダメでしょ( ̄▽ ̄;)

痛み止めから依存になったタイプでしょうかね〜
薬でハイになるとすーぐ男にちょっかい出してその気にさせて、いざ薬が切れてくると「そんなつもりない」と拒否しちゃう^_^;
ロドルフとやる時も必ず薬を使ってましたから、もう『薬やる=セックスする』と刷り込まれているのかもしれませんね。
習慣化って怖い😱

とりあえず、お母さんだっていつまでも生きてないのに、こんなにズルズルに甘やかしてどうするつもりなんだろう?と思っていたら、ルイーズが自身が経営する会社に連れていくシーンがあったので、いずれは会社を娘に譲るつもりかもしれませんね。それにはまず薬物依存から抜けなくては!ですけどね。


さて、3万ユーロなんて余裕でしょ?感のある会社経営者ルイーズですが、それがそうでもないらしく、ただ言いなりになる訳ではなくベンとなかなか良い駆け引きを繰り広げてくれます。
死体処理の場面では『手袋つけなくていいの?』『車体触って大丈夫?』『死体に重しは?』と心配になるほどズサンな感じでしたが、慌てた時はそんなものかもしれませんね〜

でもこれ、ロドルフにちゃんと重しをつけてから川に流していたら、もう少し時間が稼げたんじゃ?とか思ってしまう(*・艸・)


途中までは、娘を甘やかしてダメにしている母親が恐喝されるだけの映画?と思っていましたが、恐喝するもの、される者の間に生まれる不思議な絆みたいなものを感じていく内に、ベンの事がだんだん分かっていく過程が良かったですね〜
なぜ麻薬密売なんてやってるのかも分かりますし、お母さんを大切にしていて、実は娘がいたり、ちょっとカッコつけたいお父さんっぽいセリフを言ってたりして、ベンに対する敵対心が徐々に薄れていきます(•᎑•)
親友の死に純粋に怒っている部分も垣間見えますしね〜。


ルイーズとベン、この2人の心情の変化が恐らくこの作品の最大の見どころではないでしょうか!


悪い事をしているからって悪人とは限らない、好き好んでこんな事してる人間ばかりじゃない、さりとて、だからといって善人でもない。


ドンパチやアクションはほぼありません。
ヒューマンドラマに近い感じで『人間』を楽しむ映画だったように思います。


セックスシーン、暴力シーン共にありますし、殺人、死体遺棄、恐喝と犯罪オンパレードですので御家族で楽しむ際にはご注意を〜。


物語終了後、ルイーズ達がどうなるのかかなり気になる部分ではありますが、私はベンを信じたい!いや、信じている!